イベント映像の世界、会場を変えて多くの展示

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昨年第1回目を東京ビッグサイトで開催した「ライブ&イベント産業展」が、第2回目となる今年は出展ブースの増加もあってか7月8~10日の3日間、千葉の幕張メッセで開催された。主催者のリード エグジビション ジャパン株式会社の発表では昨年比で2倍の400社、来場者数は3日間で17,157人(出展関係者やセミナー受講者を含むと23,197人)と公表しており、この分野での関心の高さがうかがわれる。

ライブ&イベント産業展はライブ・コンサート・舞台や各種イベントを開催するために必要な、サービス・製品が一堂に集まる総合見本市となっており、出展社は企画や運営、レンタルなど総合的なソリューション提供会社やサービスの提供のほか、イベントに必要な機材やシステムを扱う会社など多岐にわたっている。

今年は舞台美術・ステージ設営ゾーンや、イベント用品・遊具ゾーン、フード・ケータリングビジネスゾーンが新設され、4~6ホールの3ホール分を使っていたが、すでに来年の出展申込カウンターが正面に設営されており、今年の2倍規模で開催されるという。予約を表示する大きなパネルには予約の状態が一目でわかるようになっていたが、すでに半分以上が埋まっていた。来年の会期は2016年7月6~8日で、今年同様幕張メッセでの開催となる。

高精細・大型化・フレキシブル化するディスプレイ

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様々なイベントで欠かせないディスプレイだが、表示素子のLED化により、明るくしかも大きくなってきている。もちろん1枚のパネルではなく、数十センチ角のユニットを組み合わせて最終的な大きさやアスペクト比、分割表示を行うなど設置場所の広さや会場デザインなどに応じたレイアウトが可能だ。こうしたパネルは専用のプロセッサーと組み合わせて使用するようになっており、個々のユニットのキャリブレーションや各種映像信号への対応などを担当している。PCと接続することが多いためDVIやVGA入力のほか、HDMIやSDIなどに対応しているのが一般的で、最近のトレンドとして当然4K対応になっている。

表示ユニットは設置や撤収が容易なことはもちろん、防水性や安全性などが重視される項目ではあるが、画素ピッチの狭い高画素タイプや床面に敷き詰めるタイプ、曲面など形状に自由度があるタイプなど様々なユニットが開発されている。

今年の流行、傾向とは

■シネ・フォーカス
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高精細2.6mmピッチLEDディスプレイによる幅10m×高さ6mの4K大画面をブース正面で披露した。このディスプレイ装置は2.6mmピッチのCreateLED AirMAG-2を使用したもの

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画像送出ブースでは、メディアサーバーWATCHOUTやPandorasBox Quad Server PRO SSDのほか、マルチスクリーンスイッチャーANALOGWAY Ascender32およびリモートコンソールパネルVRC300などで構成されていた

■映像センター(AVC)
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映像センターブースでは、428インチの4K高精細2.5mmピッチLEDシステムA2や透過型10mmピッチLED映像表示システムGWS XR-10などを出展

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映像システムは、4KスクリーンマネジメントシステムBarco E2のほか、ブラックマジックデザインのSSDレコーダーなどで構成されていた

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カーテン形状のフレキシブルなLEDスクリーンRADIANT Linx-18

■タケナカ
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高精細2.6mmピッチLEDディスプレイシステム。AirMAG-2を採用した大型ディスプレイのほか、3Dプロジェクションシステムholocubeなどを出展

■エルテック
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1.6mmピッチの4KスクリーンACTIV-1.6による289インチパネルや、10mmピッチLEDデジタルフロアi-max Floor、ムービングミラーシステムMMS-200などを組み合わせてディスプレイしていた

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4K/8K対応マルチビデオウォールプロセッサーRGBLink VENUS X3を中心に、グラスバレーのSSDレコーダーT2や、アストロデザインの4K対応非圧縮SSDレコーダーHR-7512などを使って映像を出していたほか、ムービングミラーシステムコントローラーHog4やPandoras box/cooluxなどを使った映像を披露していた

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i-maxフロアディスプレイ。最大500m2の広さをカバーでき、防水対応となっている

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10mmピッチのシースルースクリーンi-max Light。フレキシブルな素材を採用したシースルータイプのi-max25LEDや、500インチ以上の画面構成に対応した屋外型LEDスクリーンACTIV-15なども出展

■アイレス
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アイレスはLEDディスプレイを搭載したビジョンカーや屋外対応・全天候型大型液晶ディスプレイなどを出展

■ヒビノ
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10mmピッチのフロアタイプLED表示システムBlack Spinel Tiles。防水なので屋外設置も可能

■ロクリア
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ロクリアのシートタイプLED表示装置LEDORNA。スマートフォンで入力後、Bluetooth通信で直ぐに表示するウェアラブルLED表示器で、各種イベントや災害時の誘導具のほか、広告や看板などとして利用可能

インタラクティブ

イベントで欠かせない要素としてインタラクティブ性がある。来場者の挙動やアクションに応じて映像や造作物を自動的に動かすという類いのものだ。センサーや表示装置、ロボットの技術など、ある意味日本の得意とする分野だ。こうした技術を組み合わせ、どうまとめていくかがアイデア勝負といえるだろう。最近では顔認識やモーショントラックを応用したものもあり、かなり複雑な仕組みを使ったシステムも出現している。

■ブリッジリンク
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1.2m球体型LEDディスプレイSPHERE。球体LEDディスプレイBL-SPHEREとオムニバス・ジャパンの映像技術の融合によるインタラクティブディスプレイ

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人の動きやジェスチャーを検知するセンサー部分。距離を計測するセンサーやカメラなどが組み込まれており、動きや色などの情報により球体に表示する映像をコントロール

■ココロ
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恐竜型ロボットは操作棒をかざすことで様々な動きをする(5日間レンタルで38万円)。また、アスラテックの開発したロボット制御用OSを搭載した人間型アクターロボットACTROIDなどを出展

■映像機器システム社
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映像機器システム社のインタラクティブなデジタルアウトオブホームDOOHapps体感シアター。画面前に立つ人のジェスチャーに応じて画面が反応する

■ ビジュアルビーツ
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ビジュアルビーツのインタラクティブアート。手や身体の動きに反応して、リアルタイムで壁面に魔法のような絵が描けるシステム

■メモリーテック
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メモリーテックのインタラクティブデジタルサイネージLive 2D Live。ライブイベントなどで声優の音声にキャラクターの動作やリップシンクをさせる独自開発のシステム

■ラディックス
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ラディックスのキネクトを使用したインタラクティブサイネージ。デモではモニター前に立つ人物の顔を動物のイラストに変換して見せていた

■BetopJapan
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中国・大連に本社をおくCGプロダクションBetopJapanのTALK SHOW。操作者の表情を読み取り、キャラクターの表情に同期することでまるでキャラクターが話しているような演出が可能。飛び跳ねる、手を振るなどのアクションは事前に作成し、コントローラーで操作する

■デイバース
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メディアプロセッシング研究所の顔認証システムをチケット発券に応用。自宅のPCなどで顔認証することで、本人認証を確実に行うことができるというもの

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顔認証により支払いをすませることで、実際のチケット発券を行うシステム。独自のアルゴリズムにより瞬時に正確な本人確認が可能

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顔パスすることも可能だが、デモではカードを併用していた。写真はそのカードと顔認証により発券されたチケット

■ハーツ
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超高精度タッチパネルディスプレイMultiTactionのデモ展示。スマートフォンの操作感を実現した大型マルチタッチディスプレイで、複数の閲覧者による同時使用を実現

■日本ラッド
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日本ラッドのPLANAR Matrixマルチタッチディスプレイシステム。複数点同時タッチ対応なインタラクティブLCDマルチタッチマルチビジョンシステムで、大画面上でiOSデバイスを操作しているような、スムーズかつ瞬時に反応するタッチ操作感と美しいグラフィックス表示が可能

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編集部

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PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。