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  7. [土持幸三の映像制作101]Vol.05 小規模撮影の心得〜割り切りの重要性
Column

Vol.05 小規模撮影の心得〜割り切りの重要性

2015-09-25 掲載

txt:土持幸三 構成:編集部

機材とスタッフの仕事を知り、予算をやりくりするのは映像制作だけでなく、ほとんどの仕事がそうであると思う。さらにはデジタル時代の急激な機材の変化に対応しなければならないのも事実だ。

映像制作の規模は当然ながら予算によって決まる。スタッフ人件費や数、機材、撮影場所、俳優の選定、編集所の選定まで、すべて予算がからんでくる。出来上がった作品も大規模な劇場公開から単館での上映、テレビやWebのみでの公開など、予算で大きく変化する。特に予算に合わせた機材の選定が近年大きく変化してきてると思う。もちろん、面白い作品はどんなカメラで撮影しても面白い、という理屈はわかるが、最新の機材をどう使いこなすかも予算内で最上の作品をつくりだす大きな要素になることは否定できないと思う。

郷里で小規模撮影に望む

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先月の8月に急な仕事の依頼で、観光PRを兼ねた短編ドラマの撮影を種子島で行った。僕の実家が鹿児島市で、同窓会と映像ワークショップを開くために帰省したタイミングで撮影することになったのだが、種子島は残念ながら行ったことは無かった。

クライアントは種子島で新しい事業を始めているので、その紹介と故郷・種子島の観光PRになるような物語のある作品をつくってほしいとのことだった。公開はWebのみ。予算は決まっていたので、プロデューサーにホテルや渡航費の割引を種子島の観光協会を通じて行ってもらい、僕の方は種子島民話の本を買って読んだり、クライアントとの話をもとに大筋のストーリーを考えた。

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一番の問題は俳優とスタッフで、撮影はいつもお願いしている長田勇市撮影監督。奄美大島・沖縄でドキュメンタリー映画の撮影が終盤に差し掛かっていたタイミングで連絡して、快諾してもらった。スタッフは録音を加えて4人。現地でのサポートもあり。あとは俳優をどうするか。地方で撮影する低予算はココが一番痛い。

東京近郊であれば、無名でもよい俳優は多いので特に心配ないが、種子島まで連れて行くことを考えると、きつい。脚本も書く上で、登場人物の数を固定すると書きづらくなるので2~4人程度として書き始め、インターネットで観光協会が勧めている場所、ブログなどで紹介されている場所などの中から、ある程度よさそうなロケーションをピックアップして、そのロケーションの位置関係を整理した。俳優は鹿児島市のプロダクションで確保することとし、鹿児島市内で1日撮影し、プロデューサー・撮影監督の3人で種子島へ渡り、2日間、シネハンとロケハンを同時に行って脚本を完成させ、メールで俳優に手渡した。

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カメラはGH4とFZ1000を使い、風景を綺麗に撮影するために4K24pで撮影し、HD編集することにした。あと、カメラ周りではモニターを排除した。長田さんとの信頼関係もあるが、カメラに液晶がついているので、必要なら画角を確認できるので問題ない。モニターをつけないことで撮影部の負担は軽減した。モニターを運ぶ必要もない。

画角をある程度わかることは演出にも重要な事だと思う。実は、規模が大きな撮影の時も僕はあまりモニターを必要としない。俳優の演技を生で見た方が何倍も良く見えるからだ。画角は大学時代にスチルカメラに単焦点レンズをつけて画角の勉強を続けたことが、レンズを聞いただけで画角がわかるので、今でも非常に役に立っている。

録音は最悪アフレコすることも考えて、ワイヤレス3台とショットガンマイクを1つの4チャンネルで行う事にした。これを録音未経験の1人で扱う。

4チャンネルの録音が小さなポータブルレコーダーでできるようになったのは非常に大きいと思う。これにより登場人物3人はワイヤレスをつけっぱなしにできる。また、記録媒体がカメラ・録音ともSDカードで統一できるのも大きい。短編なので、4K撮影でもカメラ用に32GBのSDカードを4、5枚用意して使用し、使いまわしはしない。編集は素材をPCにコピーして納品まではバックアップとしてSDカードは保存しておく。小さく安価なSDカードであればこそできる事だと思う。もちろんRAWやLogで撮影となると変わってくると思うが、今回の撮影規模では、SDカードのまま保存する事がベストだった。

割り切り事でうまれた効果

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今回はプロデューサーとの綿密な打ち合わせと、撮影監督の長田さんの良い意味での機材面での割り切りと、種子島・鹿児島の方々の多大な協力のお陰で予算を上手く配分して、4人のスタッフだったが、良い作品ができあがったと思う。

再度協力してくださった方々に感謝したい。それにしても、種子島のロケーションは実に興味深かった。太古の森があると思えば、さとうきび畑、美しい砂浜、マングローブ湿原など、一つの島の中に撮影したい場所が多数あった。また是非撮影に行きたい場所だ。作品タイトルは「種子島ランデブー」。公開の際は是非見て欲しい。


WRITER PROFILE

土持幸三 鹿児島県出身。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


[ Writer : 土持幸三 ]
[ DATE : 2015-09-25 ]
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土持幸三 鹿児島県出身。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


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