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SXSW Film担当 Janet Pierson女史に訊く!〜「SXSW TOKYO SCREENING WEEK」

2016-07-28 掲載

txt:飯田ネオ 猪蔵  構成:編集部

SXSWの中でも一番熱いFilm部門が東京にやってきた(編集部比)

SXSW2016_3517 公式作品上映前に開催されたティーチイン

毎年アメリカにて開催されるSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の映画部門(SXSW FILM)が「SXSW TOKYO SCREENING WEEK」として一週間限定で日本に上陸した。同上映会では、SXSW公式出品作品の中からジャパンプレミアを含む、厳選された作品を一気に上映。またティーチィンも行われた。この期にあわせて来日していたSXSW Film担当のJanet Pierson女史に話を伺った。

SXSWが東京でスクリーニングする意味とは?

SXSW2016_3509SXSW Film担当のJanet Pierson女史
――日本で初めてのスクリーニングとなりますが、開催についてどんな感想を持っていらっしゃいますか?

Pierson氏:自分たちにとっても新しい冒険になっているんじゃないかと思います。今まで自分たちが紹介してきた作品や映画監督たちを世界の皆さんに紹介できる機会ですし、日本の映画監督や観客の声を直接聞ける機会でもあり、とてもためになっています。私たちは1年間を通して、どういう映画を上映するか、一生懸命プログラミングを考えます。そうやって映画祭でプレミアした作品が、世界各国の映画祭の関係者や配給会社の方の目に留まり、それぞれの国に持ち帰って広めてくれる。すごく光栄なことだと思いますね。

――今回の日本での開催、観客の反応はどのように感じましたか?

Pierson氏:日本の観客の皆さんがすごく熱心なことに驚いています。昨日、主人(ジョン・ピアソン氏)がセミナーを行ったのですが、出てくる質問もすごく真面目なものが多くて、思慮深い人たちだなという印象があります。

――日本ではSXSWに対して、ITのスタートアップや音楽イベントという取り上げ方がとても多いのですが、PRONEWSとしては映画部門こそ日本でも大きく盛り上がってほしいと考えています。映画部門はSXSWの中でどういうポジションにあるのでしょうか?

Pierson氏:SXSWは1987年に音楽のフェスティバルとして始まりました。1994年から、マルチメディアというインタラクティブの前身となる部門と、映画部門が追加されたんですね。このインタラクティブ部門は、Twitterなどの登場によって爆発的に大きくなってきた現状があります。他の映画祭と違ってSXSWを特徴づけているのは、音楽とインタラクティブ、映画、全てが組み合わさってひとつの大きなカルチャーの流れを作っているところにあります。それぞれが強いのではなく、ひとつのうねりになっているんですね。そこがユニークで、独創性があるところだと思っています。

確かに、インタラクティブ部門に比べると、参加者の数は少ないかもしれません。ですが、映画部門への世界の観客へのリーチの幅は深くて広いんです。映画だけでなく、音楽やインタラクティブも一同に集まる場所なので、アテンションは高い。それがSXSWの映画部門の特徴だと思います。

――開催地であるオースティンをはじめ、アメリカではSXSW映画部門が認知されていると思いますが、まだ日本では認知が少ないという現状があると思います。今回、初のスクリーミング開催を踏まえて、今後の展開についても考えていらっしゃることはありますか?

Pierson氏:時代の移ろいも早いので、どういう方向性で開催していこうか、というのはその時々で変わります。この開催をきっかけに日本を強化しようかとか、まだそういう具体的な段階ではないように思います。

しかし実際に日本を訪れてみて、観客の皆さんが、私たちがプログラミングした映画のどの部分にいちばん興味を持つのかがわかって、非常に参考になりました。今後を考えるうえでも、私たちが何を期待されていて、何が彼らの役に立っているのかを知りたかったので。とても勉強になりましたね。反対に質問してもいいですか?以前SXSWを訪れたことがあるとおっしゃいましたが、どういう点に感心をもちましたか?

――カンファレンスで「6歳のボクが、大人になるまで。」の制作チームが登壇して「始めた頃はGoogleがなかったから、やり取りが電話やFAXばかりでとても大変だった。そのうちGoogleが登場してとてもラクになった」と言っていました。そういう技術的な話まで踏み込んだ話が聞けるのは、普通の映画祭ではあまりないことですよね。

Pierson氏:ありがとうございます。SXSWでは、フィルムメーカーたちが直接現場に訪れます。ほとんどの映画がそうですね。他の映画祭と違って格式張ったものがないので、距離がすごく近いし、カジュアルに交流できるのが大きな特徴かなと思うんです。

SXSW2016_3504
――2017年にはロゴを一新されるそうですが、今後SXSWはどういうアプローチをとっていくんでしょうか。

Pierson氏:今までフィルムバッジ、音楽バッジ、インタラクティブバッジ、さらに包括するゴールドとプラチナがありました。2017年からは構想を一新します。ゴールドバッジがなくなり、プラチナと各部門のバッジのみになります。これで大きなひとつのフェスティバルになって、どの部門にも参加できるようになるんです。それによって、全ての業界の方が全ての部門にアクセスしやすくなります。詳しくはWebサイトで発表しますので、ぜひご覧になってみてください。

――とても楽しみです。最後に、日本にいるSXSWのファンや、映画ファンに向けてコメントをお願いします。

Pierson氏:日本の観客の皆さんがこんなにSXSWに興味を持ってくれているなんて、と驚きました。それを知ることができて、すごくいい機会だったなと思っています。ぜひ日本の方にも現地のSXSWに参加してほしいですね。そういう人がいっぱい増えると嬉しいなと思っています。

そして映画を製作している業界の方々にも、ぜひ私たちのSXSWに映画を応募していただきたいと思っています。

2017年から少しシステムの変わるSXSW。参加する料金が変わり参加体系も変わり例年よりもハードルは下がったはずだ。映画部門、インタラクティブ部門、音楽部門が垣根を越え参加しやすくなる仕組みになる。そんなSXSWは、来年2017年3月10日から19日までテキサス州オースティンで開催される。ただ一つだけ懸念点がある。それは、夏の間にほとんど埋まってしまう宿のことだ。参加したい方は、早めに宿の手配をされたし。編集部一押しの映画祭SXSW FILM部門にぜひとも足を運んでもらいたい(あえて映画祭と言わせていただく…)。

txt:飯田ネオ 猪蔵  構成:編集部

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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2016-07-28 ]
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