PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > コラム > 土持幸三 > [土持幸三の映像制作101]Vol.26 「なめがた子ども放送局~テレビ番組を作ろう!!~」での短編動画制作

News

[土持幸三の映像制作101]Vol.26 「なめがた子ども放送局~テレビ番組を作ろう!!~」での短編動画制作

2017-09-27 掲載

txt:土持幸三 構成:編集部

三日間の映像制作講座

今年も夏休みに茨城県行方(なめがた)市へ専修大学ネットワーク情報学部の学生と「なめがた子ども放送局~テレビ番組をつくろう~」と題する映像教室の講師として伺った。茨城県は地元の民放テレビ局がなく、インターネットでの放送や番組制作に力を入れているそうだが、行方市では防災無線の補充もふまえエリア放送を行っており、そこで放送するローカルな番組制作を専修大学や吉本興業などと行うという、おもしろい取り組みを行っている。

川崎市での小学生向け映像教育は5年生・6年生が対象だが、行方市の場合は夏休みということもあってオープン、つまり低学年生でも参加できる。正直言って、低学年生に映像制作ができるのか?その前に講義を理解してもらえるか?と不安があった。内容としては3日間で2分程度のストーリーをつくって撮影、編集を行い、短編動画として最終日の午後に保護者に上映会を行うというもの。

やはりゼロからストーリーを創っていくのは、小学生だけでなく誰にとっても非常に難しいので、下準備?が重要になってくる。今回のような短期集中の場合、最後まで動画を完成させるには映像制作に興味を持ってもらい、彼等がロケハン時にどれだけ物語を想像できるような提案ができるかにかかってくる。

霞ヶ浦ふれあいランド

会場となったのは霞ヶ浦大橋のたもとにある霞ヶ浦ふれあいランド。その中から「水の科学館」とその周辺にロケ場所をしぼり、全員で館内と周辺を歩いた。歩きながら、僕が気になった場所で考えられるストーリーを話していく。「ここに宇宙人がやってきたら?」「これ、秘密会議をする場所としていいんじゃない?」「あの橋から向こうは別の世界があるかも?」などと言って彼等の想像力の感度を少しでも高める努力をした。「水の科学館」だけあってSFっぽい話を考えている子も多く、ロケ場所を見ながら「こういう話にしてもいいか?」などの内容的なことから撮影方法まで質問も多く出た。

映像制作開始

絵コンテを並べて物語を創っていく

ロケハンが終わり、高学年と低学年がある程度均等になるようにグループを分け、ロケハン場所の写真を液晶テレビに流しながら、まずは一人一枚の絵コンテを描いてもらった。あの場所でこんなシーン、こんなことが起こったら楽しいだろうなというものを描き、描き終わったら僕に一人ずつ絵の説明をしてもらった。

今回の参加者は5年生から2年生までだったが、この一人一枚の絵コンテの時点では低学年、高学年の差は全く感じられず、いつもながら、それぞれが僕等では考えられないようなアイデアを出してきて感心してしまう。

初日はグループ内のそれぞれが書いた絵コンテを5年生が中心となって一つのストーリーにまとめていく作業までを行った。この5年生たちが優秀で、下級生の意見をうまく取り入れて僕へのプレゼンも完璧にこなし、翌日の撮影に必要な物もキチンと誰が何を用意するかまで決めてくれた。この絵コンテ作成がうまくいくと一安心で、あとはプロ仕様のカメラと編集ソフトを使って楽しんでもらえばよい。

やはり二日目の撮影は楽しんでもらえたようだった。カメラがプロ仕様で大きく重いので大学生のサポートが必要になるが、教えておいた同ポジなどのテクニックも使いながら撮影を終わらせ、早いグループは午後からさっそく編集作業に入った。編集ソフトはVegas Proを使用し、パソコンが得意な子はショートカットもすぐに覚えて作業を進めていく。

宇宙人か?

三日目は編集作業で用意した音楽や効果音を使用し、午後の上映に向けて寸前まで作業をおこなった。このあたりの様子を見るとやはりクリエイティブなことに没頭するとプロも小学生も同じだなと思う。時間ギリギリまでねばる。上映した作品を見た保護者は一様に驚いた様子で、小学生がここまでの映像を創れたことに驚きを隠せないようだった。

僕が今回、素晴らしいと思った一つは「特に映像に興味があるというわけではないが、何でもチャレンジしてみようと思った」と話してくれた児童がいたことで、またまた子供に教えられたと痛感し、自分を恥じたのだった。


WRITER PROFILE

土持幸三 1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


[ Writer : 土持幸三 ]
[ DATE : 2017-09-27 ]
[ TAG : ]

関連のコラム一覧

[土持幸三の映像制作101]Vol.28 佳境を迎えた映像制作授業

txt:土持幸三 構成:編集部 バラエティに富んだ学習発表会 学習発表会は多くの保護者が来て賑わっていた 川崎市で行っている小学五年生向けの映像制作授業は佳境... 続きを読む

[土持幸三の映像制作101]Vol.27 「かわさき楽大師 ゆめシネマ上映会」

txt:土持幸三 構成:編集部 地域全体で着実に映像制作の文化が育まれている街 先日、川崎大師大山門前で開催された「かわさき楽大師 ゆめシネマ上映会」というイベントに参... 続きを読む

[土持幸三の映像制作101]Vol.25 「ネットシネマ・ゴールデンエッグ」の短編3本の撮影

txt:土持幸三 構成:編集部 経験の違う俳優たちの演出と撮影 前回のコラムで書いた「ネットシネマ・ゴールデンエッグ」の短編制作の撮影が、この原稿の締め切り直前に終了し... 続きを読む

[土持幸三の映像制作101]Vol.24 新しい才能を発見するプロジェクト「ネットシネマ・ゴールデンエッグ」での短編映画制作

txt:土持幸三 構成:編集部 短編映画上映に向けたオーディションと3本の制作を受け持つ 6月から、おもしろい演技ワークショップに演技指導と短編映画の監督として参加して... 続きを読む

[土持幸三の映像制作101]Vol.23 中学校で映像制作を教えるコト

txt:土持幸三 構成:編集部 アイデアを具体化して撮影、編集を経て発表するという体験 今月から川崎市の中学校で映像授業が始まった。小学校と違い、僕が講義するのは月に1... 続きを読む

WRITER PROFILE

土持幸三 1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


Writer

編集部
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。
小寺信良
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポート。
raitank
アートディレクター。あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。国内と海外の情報流通の温度差にモーレツな疑問を感じ、最新の情報を自ら日本語で発信するblogを運営中。
ふるいちやすし
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
江夏由洋
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
鍋潤太郎
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
林和哉
映像プロデューサー/ディレクター。入口から出口まで全てのポジションを守備範囲にしている。最新技術が好物で、各種セミナー活動も豊富。
江口靖二
江口靖二事務所主宰。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事などを兼務。
栁下隆之
写真家アシスタント、現像所勤務を経て、撮影機材全般を扱う輸入販売代理店で17年余り勤務の後に、撮影業界に転身。一眼カメラによる撮影を得意し、代理店時代に手がけたSteadicamや、スタビライザー系の撮影が大好物。
猿田守一
企業用ビデオ、CM、ブライダル、各種ステージ記録など撮影から編集まで地域に根ざした映像制作活動やCATV局などへの技術協力なども行っている。
オースミ ユーカ
映像ディレクター。企画、脚本から演出までジャンルを問わず活動。
土持幸三
1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。
鈴木佑介
日本大学芸術学部 映画学科"演技"コース卒の映像作家。 専門分野は「人を描く」事 。 広告の仕事と個人ブランドでのウェディングがメイン。 セミナー講師・映像コンサルタントとしても活動中。
松本敦
映像クリエイター。企業VPからスポーツイベント撮影まで幅広く手がける。アクションカムやドローンなどの特殊ガジェット好き。
宏哉
フリーランス2年目の駆け出し映像屋さん。バラエティーから報道や空撮まで幅広い番組撮影をこなすテレビカメラマンであり、ダンスイベントから幼稚園お遊戯会収録まで請け負う街のビデオ屋さん。タイムコード・ラボ代表。Next-Zero.com管理人。
山下大輔
東京オフラインセンタープロダクトサポート所属。個人でもAdobe Premiere ProやAfterEffectsの勉強会を定期的に開催している。2017年よりアドビ公認エバンジェリスト「Adobe Community Evangelist」に認定。
柏原一仁
日本大学芸術学部写真学科卒、銀一株式会社海外商品部勤務。 銀一が世界中から輸入する写真・映像用品ブランドのマーケティング担当。静止画・動画・音声と様々な技術に翻弄される日々。好きな食べ物はからあげ。
曽我浩太郎
未来予報株式会社 代表取締役・プロジェクトデザイナー。新ビジネスに特化したリサーチ・コンセプトデザイン・コンサルティングを専門に行う。SXSW LLC.公式コンサルタント。著書『10年後の働き方「こんな仕事、聞いたことない!」からイノベーションの予兆をつかむ』が好評発売中。
井上晃
映像制作会社「有限会社マキシメデイア」代表、制作プロデューサー&キャメラマン。Facebookグループ「ATEM Tech Labo」、「Grass Valley EDIUS ユーザーグループ」を主催して、ATEMやEDIUSの布教に、日々勤しんでおるでよ。
奥本宏幸
大阪を拠点にしているフリーランスの映像ディレクター。演出・編集・モーショングラフィックをバランス良くこなす。フィンランドサウナが好きです。
安藤幸央
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
手塚一佳
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
高野光太郎
Cosaelu株式会社 代表取締役 / 映像ディレクター ミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
ヒマナイヌ
頓知を駆使した創造企業
駿河由知
中央区築地出身。マルチカメラ収録&配信ユニット「LiveNinja」メンバー。2006年より株式会社スタートライン設立。外務省、国連機関、国際NGOなどの国際会議やシンポジウム、企業イベントなどのライブ配信を担当
山本久之
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
ベン マツナガ
未来シネマ/ディレクター。ハリウッドでの大型映像制作、短編時代劇の自主映画制作を経て、現在は、映像を通じて人と人をつなぐことをテーマに様々な映像制作に取り組んでいる
河尻亨一
1974年大阪生まれ。雑誌「広告批評」を経て現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰、企業コンテンツの企画制作なども行う。デザイナー石岡瑛子の伝記「TIMELESS」(http://eiko-timeless.com/)をウェブ連載中。
茂出木謙太郎
株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員
稲田出
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
黒田伴比古
報道・ドキュメンタリーエディターでありながら、放送機器に造詣が深く、放送局のシステム構築などにも携わるマルチプレーヤー。
ヒラタモトヨシ
ファッションとテクノロジーを繋ぎイノヴェーションを生み出す事をライフワークとし、WEB/ライブメディア/高精細映像表現を追求。
猪蔵
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
須藤高宏
東京・国分寺市に於いて録音スタジオ「マイクロサウンド」を運営し各種録音編集に携わる傍ら最近では各種イベント配信音声を担当。
林永子
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
ViewingLab
未来の映像体験を考える有志の研究会。映画配給会社、映像作家、TV局員と会員は多岐に渡る
石川幸宏
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
山下香欧
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
岡田智博
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
萩原正喜
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
坪井昭久
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
しらいあきひこ
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
秋山謙一
映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
今間俊博
アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
金田浩樹
映画・テレビの映像制作を中心に、USTやニコ生等、ライブメディア各分野を横断して活動中。ジャンルや固定概念にとらわれない構成力と発想に定評あり。
伊藤裕美
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
UserReport
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

トップ > コラム > 土持幸三 > [土持幸三の映像制作101]Vol.26 「なめがた子ども放送局~テレビ番組を作ろう!!~」での短編動画制作