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[Get on the EDIUS]Vol.01 EDIUS Pro 9で4K HDR GoGo!〜来るべき未来を考える

2018-01-19 掲載

txt:井上晃 構成:編集部

初めに

2017年10月、グラスバレー株式会社はノンリニアビデオ編集ソフトウェアEDIUSの最新バージョン「EDIUS Pro 9」を発表し、同年11月上旬よりパッケージ版の出荷を開始した。

ご存じの事かと思うが、EDIUSは2003年に発表されてから15年近い歴史を持つ、貴重な国産ノンリニアビデオ編集ソフトウェアだ。発表当初から、様々なフォーマットを変換なしで編集可能というリアルタイムテクノロジーによって、高速で快適なビデオ編集を実現しており、また各種ビデオIOハードウェアのサポートによる安定したビデオモニタリング等で、PCによるノンリニア編集を牽引してきた存在だ。

ここ数年、年次毎にバージョンアップして、新規フォーマットへの対応、新機能の追加を行ってきたEDIUSだが、本バージョンの「EDIUS Pro 9」では、4Kビデオの核心に迫る話題のHDR(High Dynamic Range)ビデオ編集に完全対応を果たした。幅広いダイナミックレンジを保つLog素材をサポートしただけでなく、数多くのカラースペースに対応し、自在にカラーグレーディングを行えるプライマリーカラーコレクションビデオフィルターを搭載。プロジェクト単位のカラースペース設定によるSDR/HDRの混在編集が行え、放送局やWeb用のHDRメタデータ付加ファイルのエクスポートも可能となった。これによりHDR納品に最適化されたワークフローを構築できるという。

今回は、HDRに完全対応したEDIUS Pro 9に、HDR対応ビデオI/Oハードウェア、HDR対応ディスプレイを組み合わせて、「EDIUS Pro 9で4K HDR GoGo!」の性能を探ることとしよう。

検証機器の構成

今回、執筆時点での最新版であったEDIUS Pro 9 Version 9.00.2903を使用。試用PCはIntel Core i7 7700Kを搭載した自作PC。OSはWindows 7 64‑bit(Service Pack 1)。検証に使用した4K映像は、Sony最新の4K HDR記録対応カムコーダーHXR-NX80及びFDR-AX700でHLG(Hybrid Log-Gamma)を用いて4K HDR撮影した素材を用意した。

また検証用に用意したディスプレイは、4K HDRに対応し民生用では最高峰の画質を誇る4K有機ELテレビのSony KJ-65A1。このテレビではHDMI接続によるモニタリング検証以外にも、EDIUSでHDRメタデータを付加したファイルを作成し、USBメモリー接続による再生検証にも用いた。そしてEDIUSとKJ-65A1をHDMIで結ぶハードウェアとして、AJA KONA 4を用意した。

EDIUSとビデオI/Oハードウェア

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2018/01/EDIUS9_inoue_Screenshot-EN_20171012.jpg ※画像をクリックすると拡大します

EDIUSは本来、特別なビデオI/Oハードウェア抜きでも成り立つソフトウェア製品である。編集中のビデオモニタリングも、PCのセカンダリーモニター等を利用して実現しており、その機能のほとんどはPC内で完結する。これはノートPCなどIOが限られたPCでもEDIUSは利用できるという優位点ではあるが、PCのセカンダリーモニター等を利用したモニタリングは、PCのグラフィックボードの性能に依存しており、多様なビデオフォーマットのサポートであるとか、より正確なモニタリングを望むと、ビデオI/Oハードウェアは不可欠と言える。

グラスバレー社は、旧カノープス時代から安定したビデオ入出力を実現してくれるビデオI/Oハードウェアには定評があったが、残念ながらここ数年新製品の発表がない。代わってEDIUS Pro 7の頃からサードパーティ製I/Oハードウェアへの対応が進み、今回の執筆に際しても、グラスバレーにEDIUS用のハードウェアの今後について問い合わせたところ、「サードパーティ製I/Oハードウェアの使用を推奨する」との回答を得た。

このようなことから、4KやHDRなどの新フォーマットをビデオI/Oハードウェアでモニタリングしたいなら、サードパーティ製のボード製品を使うことが必須と言えよう。EDIUS Pro 7の頃からサードパーティ製I/Oハードウェアを使ってきた筆者の経験からすると、現在のEDIUS+サードパーティ製I/Oハードウェアという組み合わせは十分に安定動作するものとなっており、安価で性能の良い製品も多いことから避けるべき理由が見つからない、という印象を持つまで熟成してきているように思う。様々なサードパーティ製I/Oハードウェアが安心して使えるところまでEDIUSは育ったと言えるだろう。

4K HDRへの引き金

ビデオ映像におけるHDRとは、大まかにいうと撮影・編集などの制作時に広いダイナミックレンジを持つLogカーブガンマで記録し圧縮した映像を、送り込まれた側のディスプレイが制作時のLogカーブの逆対数で復元するというものである。つまり撮影・編集時にHDR対応のモードで収録し、その映像をディスプレイ側で高輝度化しダイナミックレンジを引き延ばして表示するということだ。

ここで大切なのはどのような方式で記録されたかを伝える「メタデータ」だ。HDR対応型のディスプレイは、このメタデータに従って描画のモードを切り替える。つまりディスプレイ側も描画モードの切り替えが正しく行われないと、正しい視聴ができないという事になる。

今回の検証に用いたディスプレイKJ-65A1では、映像調整の中の「映像オプション」内に調整項目として「HDRモード」と「色空間」という描画モードの切り替えがある。ここが「オート」設定の場合、上記のメタデータに従ってHDRモードが自動的に切り替えられるという仕組みだ。

今回の検証ではEDIUSとディスプレイKJ-65A1を結ぶI/Oハードウェアに、AJA KONA 4を使用した。KONA 4は、AJA DesktopSoftware v13.0によりHDR対応となり、ボードの各種設定を行える「AJA ControlPanel」で「HDR」モードの設定が行える。ここで設定を行うとHDMI経由でこのメタデータを4K映像とともに送出可能だ。ディスプレイはこれを検知してHDRモードへ描画を移行することになる。

この「AJA ControlPanel」での設定だが、「HDMI HDR」の設定内に「HDR Mode」があり、EDIUSのプロジェクト設定が「BT.2020/BT.2100 PQ」ならば「ST 2084」、EDIUS側が「BT.2020/BT.2100 HLG」ならば「HLG」にセットする必要がある。ちなみに「ST 2084」はSMPTE ST 2084(PQ: Perceptual Quantizer方式)の規格番号であるが、ディスプレイKJ-65A1では「HDR 10」、EDIUSでは「BT.2020/BT.2100 PQ」を意味する。これらの表記がバラバラであることは、利用者にとって判りにくいことこの上ない。早期に統一されることを願いたいものだ。

これらメタデータの設定を検証した現状では、ディスプレイKJ-65A1のモードでいうHDR10(PQ)モードは、正常と思われる描画に移行するが、HLGモードは自動移行しなかった。現状HDRのフォーマットとしては大まかに2通りあり、このうち規格化が先行し、Ultra HD Blu-ray(UHD BD/4Kブルーレイ)で採用されているコンテンツ制作向けで輝度を絶対値で扱うHDR10(PQ)モードの方が確実に動作するようだ。

ただこれは、KONA 4もKJ-65A1も規格化初期のネゴシエーションが足りていないだけにみえる。どの機器も初期の規格段階に戸惑っているような感じで、これはファームウェアやドライバーの更新によって徐々に接続性は解決するように思える。今回の検証ではより確実に視聴を行うために、各機器のモードをマニュアルで合わせることを前提に視聴検証を行った。

EDIUS Pro 9の4K HDRカラースペース対応

まず最初に断っておきたいことが4Kの潜在能力である。4Kは単に解像度をFHDの4倍にしただけの存在ではない。HD比4倍もの明暗差を表現可能な10bit色深度に広いダイナミックレンジを保てるHDRと、より鮮やかで広帯域の色域のカラースペースBT.2020が相まって、リアリティ溢れる豊かな映像となるのが4Kの核心である。これをEDIUS Pro 9でサポートするのが「カラースペース」設定だ。このカラースペースの設定はEDIUS Pro 9のあちこちに姿を現すが、まずは「プロジェクト設定」から見ていこう。

「プロジェクト設定」のカラースペースでは、プロジェクト全体のカラースペースを規定する。ここで設定出来るのは、SDビデオ用のBT.601、HDビデオ用のBT.709そして4K用のBT.2020、BT.2020/BT.2100 HLG、BT.2020/BT.2100 PQ。このBTから始まるのは国際電気通信連合が策定した国際規格の規格番号だ。ちなみにBT.2020/BT.2100 HLG、BT.2020/BT.2100 PQの二つは/で区切られているが、前のBT.2020が色域についての規格、後ろのBT.2100 HLG BT.2100 PQが輝度のHDRガンマカーブの規格となっている。

ちなみにEDIUS Pro 9以前のEDIUSのカラースペースは、HD用のBT.709が基本になっていたそうだ。EDIUS Pro 9でタイムライン全体がBT.2020/BT.2100に対応したことで名実ともに4Kへ完全対応を果たしたと言えよう。

ただ、一つ指摘すると「プロジェクト設定」の「プロジェクトプリセット」には4K HDR用のプロジェクトプリセットが存在しない。初期状態の4K用プリセットはいずれもカラースペースがBT.709であり、このプリセットだと4K HDRに規程されたBT.2020の広色域の真価が発揮できない。将来バージョンアップしたEDIUSでは、この辺りもう少し親切なプリセットが増えることに期待したい。現状では「プロジェクトプリセット」の設定を開きカラースペースをBT.2020/BT.2100 HLG もしくはBT.2020/BT.2100 PQに設定しよう。

この2つの使い分けだが、制作するHDR映像の最終出力が、ディスプレイの「HLG」モード用ならBT.2020/BT.2100 HLGを使い、HDR10(PQ)モード用ならBT.2020/BT.2100 PQを使う。HDRではない4K SDRならBT.2020もしくはBT.709だ。また「ビデオ量子化ビット数」は4K HDRなら10bitが基本となる。こちらも合わせて設定しておこう。

EDIUS Pro 9に潜むカラースペース対応は、プロジェクト設定だけではない。次に覚えておくと便利なカラースペース対応をご紹介しよう。

まずは「クリップのプロパティ」だ。クリップが読み込まれるとメタデータを読み取り、プロパティで「カラースペース」の表示が出来るようになった。クリップごとにどのようなカラースペースで記録されたのかが一目瞭然なので、判別が容易になった。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2018/01/EDIUS9_inoue_E9_bin2.jpg ※画像をクリックすると拡大します

次に「ビン」ウィンドウの対応だ。「ビン」ウィンドウでは「カラースペース」の項目が増えソートが出来るようになった。設定は「ユーザー設定」→「ユーザーインターフェース」→「ビン」の「表示項目」の設定で行える。カラースペースの種別ごとに整理したいときなどに、ワンタッチで切り替えられる。また、メタデータを持たないファイルを扱う時などには、一括でカラースペースの設定変更が行える。例えば古いATOMOSのファイルなどを一括変換する事も出来るので活用したいところだ。

カラースペース対応の核心「プライマリーカラーコレクション」

EDIUS Pro 9でのカラースペース対応の核心となるのが「プライマリーカラーコレクション」だ。プライマリーカラーコレクションはEDIUS Pro 8.2アップデートで実装され、LogやRAW記録されたクリップへの対応など、EDIUSにおけるカラーグレーディングの中核的存在だ(BT.2020/BT.2100 PQカラースペースはEDIUS Pro 8.5で対応)。

実はこのプライマリーカラーコレクションは、EDIUS Pro 8.2アップデートから「色空間」という項目内でカラースペースへの対応は果たされており、クリップごとに「ソース」で入力カラースペースの選択、そして「出力/LUT」で選択された出力カラースペースへの変換が可能となっている。

HDRを実現するには撮影時に十分なダイナミックレンジを確保する必要があるが、現状では最新のHLG(Hybrid Log-Gamma)方式で収録するか、もしくは従来のS-LogやV-LogといったLog方式での収録が必須。

HLGで収録された映像は、ディスプレイの描写もHLGモードによるHDR描画で行うとあらかじめ決められているため、ディスプレイ側をHLGモードにするだけでよく、これで分かりやすく、かつインスタントなHDRが実現できる。

EDIUS Pro 9でもこのようなHLGクリップをHLGで出力の場合では特にプライマリーカラーコレクションの必要もなく、プロジェクト設定が正確ならそのままの出力でHLGによるHDR対応が可能だ。このような使い方では、報道やライブなどの即時性が求められる用途での活用が期待できる。


これに対してS-LogやV-LogといったLog方式で収録したクリップでHDR出力するには、カラーグレーディングとともにBT.2020/BT.2100 HLGやBT.2020/BT.2100 PQへカラースペースへの変換が必要となるが、ここで活躍するのがプライマリーカラーコレクションだ。当然のことながらHDR映像の視聴はHDR対応ディスプレイ側での輝度伸長が前提となるため、カラーグレーディングをしながらの出力だと、対応したHDRディスプレイで輝度の伸長をしながらのモニターが必須となる。これもまたEDIUS Pro 9なら先に書いた設定を確実に行うことで、カラーグレーディングやカラースペース変換をしながらのリアルタイム視聴が可能であり、HDRの仕上がりをその場で見ながらの調整は快適そのものだ。

プライマリーカラーコレクションはそれなりに負荷の高い処理なのだが、Core i7 7700程度のCPUを持つPCならば、4Kのプロジェクトであってもリアルタイムかつレンダリング抜きで動作する。プライマリーカラーコレクションは露出の調整、色温度の調整から色のカブリ、そして諧調の調整が、一括してチョイチョイと調整出来るところが素晴らしい。

このプライマリーカラーコレクションと、全体を「ブラック」「グレー」「ホワイト」と3分割して色調整できる「3-Wayカラーコレクション」を組み合わせると、カラーグレーディングの大半は完結することになるので、ぜひ活用したいところだ。

ただ、実際にこのようにHDR編集を行っていて一つ注意が必要だなと感じたことだが、通常なら一致しているEDIUSのメインモニターでの描画と、HDRディスプレイでの描画は一致しなくなる。当然だが、HDRではHDRディスプレイ側で輝度の伸長を行うのが前提なので、EDIUSのメインモニター内の描画は、Log方式のクリップそのままの表示となるためだ。ここもこだわるならメインモニターの出力をHDR対応ディスプレイに出力し、HDR対応するなども考えられる(EDIUSはメインモニターの出力先も選べる)。

編集後のHDRクリップ出力

さて、HDRディスプレイでリアルタイムの視聴しながらクリップの編集を行えば、次はHDRクリップの出力だ。現状では、4K HDRとしてクリップを出力する場合、出力先の選択肢はそれほど多くはないが、無いわけではない。

今回はHDRのクリップとして出力してからUSBメモリーへ保存し、HDR対応ディスプレイに直接接続して視聴するパターンと、同様のクリップを4K HDR対応のYouTubeなどの動画サービスにアップロードして視聴する、2パターンを検証してみた。

まずはクリップの出力だ。今回は検証したディスプレイKJ-65A1が対応するフォーマットとしてXAVC Sへの出力と、YouTube用にH.264/AVC MP4への出力と、2パターン試してみた。この2種類のフォーマットは、EDIUS Pro 9での出力だとHDRメタデータが付加されることが確認されている。

XAVC Sへの出力は、EDIUS Pro 9の「ファイル」メニューから「エクスポート」→「ファイルへ出力」から行える(標準のショートカットキーは[F11]だ)。ここからプリセットの「XAVC」から「XAVC S」を選ぶだけだ。XAVC Sへの出力は高速で、テストしたPCでも出力シーケンスの実時間以下の速度で行えた。

XAVC S Exporterでの出力はHDD内のフォルダーへも行えるし、USBメモリーなどへ直接出力することも可能だ。このUSBメモリーに出力したクリップをKJ-65A1に挿してみる。

ちなみにKJ-65A1はいわゆる「Androidテレビ」というもので、全体の動作はAndroid OSの支配下にあり、USBメモリー内のクリップの再生などは、Androidのアプリケーションである「ビデオ」などが担っている。

EDIUS Pro 9の「XAVC S Exporter」で出力したクリップは、USBメモリー内で標準的な「XAVC S」形式のフォルダー構造を持ち、KJ-65A1の「ビデオ」アプリでも問題なく認識され、再生が可能だった。また心配したHDRでの視聴だが、KJ-65A1でも見事に認識され「HDR」モードへオートで移行しHDR映像が再生された。

このHDRクリップだが、EDIUS Pro 9のプロジェクトカラースペースをBT.2020/BT.2100 HLGとBT.2020/BT.2100 PQの2種類で作成して試してみたが、どちらかというとBT.2020/BT.2100 PQの動作の方が確実のようだ。これは先にビデオI/Oハードウェアの項でも説明したが、KJ-65A1のHDRメタデータの解釈の仕方の違いで、ディスプレイ側でいうところのコンテンツ向けHDRモードのHDR10モードの規格が定まっているためではないかと思う。

ちなみにEDIUS Pro 9ではBT.2020/BT.2100 HLGとBT.2020/BT.2100 PQどちらのプロジェクトで作っても、クリップを先のプライマリーカラーコレクションで適切に変換を行うと、HDRディスプレイ側では同じようなHDR映像として視聴できた。

次にYouTube用にH.264/AVC MP4への出力を行ってみる。H.264/AVC MP4への出力は同じく「ファイルへ出力」から「H.264/AVC」→「H.264/AVC MP4 3840×2610」のプリセットを用いた。このプリセットでは色深度を8bitと10bitから選べる。このうち10bitはYouTube等で対応可能だという。このプリセットで出力したMP4ファイルはそのままYouTubeへアップロードが可能であった。

エンコーダーの設定は「High 10」プロファイルの最大125Mbps平均100MbpsのVBRというものだ。EDIUSの美点としてIntel Quick Sync Videoが使用可能なPCならば「ハードウェアエンコードを使用する」に自動チェックがつき高速なMP4出力が可能だ。ただしIntel QSVを使用しても4K HDR MP4へのエンコード時間は実時間内という訳にはいかず、XAVC Sへの出力と比べてやや長めとなった。

ちなみに色深度8bitを用いると、先のXAVC Sの検証と同じように、USBメモリーなどから直接KJ-65A1の「ビデオ」アプリで再生が可能だ。こちらも同じようにHDRクリップとして認識されるので、使い分けてもよいだろう。

さて、YouTubeアップロード後、同じくKJ-65A1のYouTubeアプリで視聴してみた。アップロードされた10bit MP4ファイルはエラーとなることもなく、YouTubeでもHDRメタデータは有効であり、HDRモードへオートで移行しHDR映像が再生された。YouTube側で再処理が行われるため画質については評価しにくいが、比較的手軽にHDR映像を視聴者に届ける方法としては、アリだと思う。筆者が作成したサンプル映像も下記より視聴できるので、ぜひご自身の目で確かめていただきたい。

4K HDR HLG 10bit
4K HDR PQ 10bit

検証を終えて~4K HDRを考える

「4K HDR」というものは、仕組みを理解するのはなかなか大変だが、EDIUS Pro 9で実際にクリップを取り込んで編集してUSBメモリーなりMP4へ出力して、対応テレビで視聴することやYouTubeなどで視聴する流れは、今までのビデオ編集の流れと、ほとんど変わらず非常に簡単だ。

対応するビデオI/Oハードウェアと、対応するディスプレイを用意することも、今では安価な機器が多くなってきたのでそれほどの障害にはならないかと思う。何よりこの検証を終えてまず感じるのは、4K HDRの豊かな色彩と、パワフルなダイナミックレンジだ。これを体験してしまうと、従来のBT.709の映像がなんとも貧相に見えてしまう。

この豊かな映像は、Hybrid Log-Gammaによって収録時には一つの基準が出来た。また編集や出力時にも同様なHybrid Log-GammaやHDR10(PQ)によって基準が出来たことで、従来のワークフローから少しの変更で対応が可能となった。

4Kでないと恩恵がないかというとそうでもなく、HD版でのHDRの論議も盛んになって来たという。4KであってもHDであっても、この4K HDRの豊かな色彩と、パワフルなダイナミックレンジを使わない手はない。筆者も引き続き、この4K HDRを従来のビデオ製作に取り込む方法を考え続けており、その考察結果は、筆者が主催するFacebookグループ「Grass Valley EDIUSユーザーグループ」などで発表を続けていくつもりだ。

さあ、これを読んでくれたあなたも。EDIUS Pro 9で4K HDR GoGo!

機材協力:ソニービジネスソリューション株式会社、ソニーマーケティング株式会社

WRITER PROFILE

井上晃 映像制作会社「有限会社マキシメデイア」代表、制作プロデューサー&キャメラマン。Facebookグループ「ATEM Tech Labo」、「Grass Valley EDIUS ユーザーグループ」を主催して、ATEMやEDIUSの布教に、日々勤しんでおるでよ。


[ Writer : 井上晃 ]
[ DATE : 2018-01-19 ]
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