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[土持幸三の映像制作101]Vol.33 俳優オーディションで思うこと。選ぶ側のポイントあれこれ

2018-06-26 掲載

txt:土持幸三 構成:編集部

オーディションでの選抜基準

先日、今回で四回目となるネットシネマフェスティバルの最終オーディションが開催されたので俳優を選ぶ立場で参加してきた。このオーディションは既に様々な監督たちの演技指導ワークショップを受けた俳優、約90名を使って3名の監督がそれぞれ1チーム15名編成を2チーム、30名を選ぶもの。監督は選んだ俳優を使って8月に15分の短編映画を各チームごとに制作する。短編映画制作が演技指導ワークショップの最後となり10月に渋谷の映画館、ユーロライブでの公開となる。

筆者は監督として3回目の参加だが、毎回、俳優選出は頭が痛い問題だ。普通のオーディションは、脚本にある役があって、その役に合いそうな俳優を呼び、その中から選ぶのだが、このオーディションにまだ脚本は無い。どのような俳優がいるかわからないため、選んだあと俳優に合わせて脚本をアテ書きしなければならないし、演技の優劣はもちろん、選ぶ男女の比率や年齢にも気を付け、ある程度まんべんなく選ばないといけない。

最初のセリフで実力がわかる

一緒に選んだ2名の監督のうち1名の監督は、既に脚本がある程度仕上がっており、その脚本の登場人物に合わせて俳優を選ぶとのこと。さらにその内容に合わせて演技が上手い事より年齢と初々しさが優先事項との事で、審査する監督によっても選ぶ基準が全然違う事に面白さを感じた。ただ、監督・プロデューサー異口同音に言う事は、俳優が一言セリフを発しただけで実力がわかる、ということ。

オーディション前、緊張が高まる

今回のオーディションは、5人が1チームとなり、あらかじめ渡されていた4分程度の5人芝居を演じるのだが、部屋に入ってきた時から明らかに緊張している者もあり、自己紹介すらまともにできない者もいた。緊張が最大の敵である俳優は多い。

最初のセリフである程度の実力はわかる、とすれば残りの時間は無駄ではないか?と思うかもしれないが、俳優の中には途中から緊張が解けて本来の演技ができるようになる者もいれば、最初とは違うキャラクターを演じて見せて演技の幅があることを証明する俳優もいる。残念ながら、ほとんどの俳優は最初と同じトーンのキャラクターを最後まで演じ、小道具に必要以上にこだわったり、意味なく大きな声をあげてアピールしてくるのだが、筆者はあまり魅力的に思わない。

また、自己紹介も流暢にできないような外国語を「話せる」とするのは無謀だし、逆に出身地、関西弁など地方の言葉が話せるのであれば、キャラクターの特徴として加味できるので是非申請して欲しい。オーディションを受ける俳優はこれらの点を注意して演技プランを考えてくれることを望みたい。

オーディション終了後はドラフト会議

ドラフト会議が始まる

約3時間、90名のオーディションが終わったあと、隣の部屋で他の2名の監督とプロデューサーも交えてドラフト会議?となった。筆者は脚本はできていないが複数のアイデアはあったのでオーディションを経てアイデアを2つにしぼり、年齢や男女をまんべんなく選ぶことにした。選出は各監督が自分のチームに欲しい俳優を1名ないし2名ずつ選び、欲しい俳優が重なった場合は話し合いかジャンケンで決めていく方法で行われた。

毎回そうだが、最初の10名ほどまで欲しい俳優が重なるが、後になってくると選ぶのが難しくなる。演技は悪くはなかったが、決め手に欠ける俳優が多くなるからだ。今回、筆者は今までの短編映画で選んだ俳優は極力、選ばないようにしたが、各監督が半分以上の俳優を選んだ時点でも力のある俳優が何人か残っていたので数人は選ぶことにした。

今は選んだ俳優たちをどのように活かして短編映画を創るかを考え、脚本を執筆している。選んだ30人をアイデアに沿って2チームに分けた。7月から彼等と演技ワークショップも含めた制作準備に入るが、配役はさらなるオーディションも兼ねて8月の撮影ギリギリまで決めないつもりだ。俳優たちの奮起を期待している。


WRITER PROFILE

土持幸三 1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


[ Writer : 土持幸三 ]
[ DATE : 2018-06-26 ]
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土持幸三 1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


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