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[VidCon2018]Vol.01 VidConに潜入!新世代クリエイターの祭典から見えてきた新しい映像との付き合い方

2018-06-27 掲載

ディズニーランドはすぐ目の前という立地の中、3日間通して開催される
txt:小林譲 構成:編集部

VidConとは何なのか?

今年は6月20日から23日まで開催された

VidConと聞いても耳馴染みのない方も多いのではないか。カリフォルニア州アナハイムで毎年開催されている、YouTuberやネット動画配信者向けのコンベンションである。2010年に始まったVidConはその規模を拡大し続け、今や来場者は3万人規模となっている。

屋外には観覧車やライブステージも設置

VidCon全貌を見てみよう!!

筆者は普段映像エディターとして活動しているので、NAB ShowやInterBEEといった放送業界向けのコンベンションには慣れっこだが、同じ映像系といってもVidConは雰囲気がかなり違う。

到着してまず驚くのは参加者の年齢層の若さだ。大多数がティーン、もしくは保護者付きの子供、そして女子率の高さも目立つ。ネット動画ファン向けイベントというと、日本で言うところのニコニコ超会議を思い浮かべる人もいるかもしれない。もちろん来場者の狙いは生の人気YouTuberに実際に会う事だが、さらに自分たちもチャンネルを持つ発信者として、技術探求やネットワーキングの目的で訪れている参加者が多い。実際に会場のあちこちでカメラを片手にライブ配信する姿が見える。

あちこちでライブ配信しているYouTuberたち

NAB Showと近いところではメインフロアには業界関係各社がこぞってブースを出展していること、そして別館にて随時セミナーやワークショップが開かれている形式だ。ただし来場者の多くがティーンということもあって、どのブースも目を引くアトラクションを用意している。トランポリンに巨大ベッドにダンスフロアと、どのブースも「今すぐシェアしたい」と思わせようと必死だ。

ダンスフロアでは朝から大盛り上がり

さらにチャンネル登録者数はミリオン超えクラスのトップクリエイターたちによるパネルディスカッションやセミナーは並んでも中に入れないほどの熱狂振りだ。ティーンのTV離れは昨今よく言われていることだが、年齢、人種を問わず人気YouTuberはもはや下手な芸能人やセレブよりはるかにティーンに影響力のある存在なのだろう。

中でもその登場から歓喜の声が止まないクリエイターの一人、Shoundras氏に話を聞く事ができた。やんちゃな見た目からは想像できないほど信念のある考えを語ってくれた。

Shoudras:もちろんYouTubeからの収益が大きいのが事実だし、その勢いに乗るのは当然さ。でもIGTVやInstagramなどプラットフォームによってその特徴を意識して作っている。ただ同じ内容をアップしていてはダメさ。動画の長さも違うし、縦長、スクエアなど画角もすべて計算に入れている。ひとつの媒体に絞っていたら生き延びられない。例えるならジャングルのツルからツルへ、いつも勢いを失わずに飛び移っている感じかな。

映像業界目線でのVidCon

Adobe、DJI、Canonなど、我々映像業界人にも馴染みの深いメーカーもそんな次世代のクリエイターたちをターゲットしにブースを開いていた。とはいえ、普段のNAB方式での機材展示ではなかなか来場者の足が止まらないのもVidConならではと言える。クラブ並みの盛り上がりを見せつけるブースがすぐ横にあればそれも当然だろう。

人気YouTuberのShameless Mayaのプレゼンテーション

そんな中、大健闘をしていたのがAdobeブース。新製品Project Rushの発表や、人気クリエイターのゲスト出演も多くスケジュールされ、ひとつ頭の抜けた盛り上がりを見せていた。

Adobe“Project Rush”に期待がかかる

VidCon2018に合わせて発表されたProject Rush。Adobeがソーシャル配信ユーザーを狙って開発した動画編集アプリだ。Premiere Proと同じくデスクトップでも使用できるが、特にタブレットやスマホを使って撮影現場や移動中での編集を想定して設計されている。

すでにPremiere Clipというモバイルアプリが存在しているが、今回は更に改良されたアプリで再スタートというところだろうか。「Clipで学んだ多くのことをRushで活かす事が出来た」とブースにいたスタッフは語ってくれた。

Lumetriやエッセンシャルパネルなど、直感的に使える機能が昨今増えてきているPremiere Proだが、当然これらの機能はほぼ見た目も同じ形でRushでも採用されている。どちらかといえばRushを想定されて作られてきた機能だったのかもしれない。もちろんRushのプロジェクトを途中からPremiereに移行することも可能だ。

筆者もPremiereをタブレットで使ったらどうなるかとは幾度も考えたことはあったが、ちょうどRushはその答えのような物を見せてくれたと感じた。指先のみでの操作でカラコレ、タイトル入れ、トランジションなどかなりの編集機能を扱える。After Effectsなどで作ったテロップやCGも個人のライブラリに用意しておけば、自分のブランディングを加えた形で撮影現場からでも配信可能だ。タイムラインはいつでも縦長やスクエアに変更可能で、アプリから複数のソーシャルへ書き出すこともできる。

ビデオプロダクトマネージャーBronwyn Lewis氏は「ご心配なく、Premiere Proの開発を止めるつもりもないです。RushはPremiereと共存して、さらにはお互いを支えあう製品となることを想定しています」と話してくれた。

開発は2年半前から始まっていたというRush。ベータ版の配信は7月中旬を予定、秋頃を目処に製品版をダウンロード出来るようになるという。これも今から期待できる次世代の編集アプリと呼んでいいだろう。ベータ版はこちらから申し込みが可能。

3日間VidConと共に過ごして

映像が「作る側」と「見る側」分かれていたのはもはや過去の時代だ。今やその境界線は徐々に無くなりつつあり、お互いが発信し合い、双方向に影響し合うのが新時代の映像のあり方だと思せてくれたのがVidConだった。この流れにいかに乗れるかで、プロの映像制作者も今後の未来が変わってくる事は間違いない!


WRITER PROFILE

小林譲 イギリスにて大学卒業後、現地の会社にて映像編集を学ぶ。2006年に帰国。大手ポスプロIMAGICAにてテレビ番組を中心に日本のキャリアをスタート。後にドラマ、音楽系、CM系へと活躍の幅を広げる。2017年に独立。オフラインからアートデザインまで、作品の全体パッケージを監修することも多い。


[ Writer : 小林譲 ]
[ DATE : 2018-06-27 ]
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小林譲 イギリスにて大学卒業後、現地の会社にて映像編集を学ぶ。2006年に帰国。大手ポスプロIMAGICAにてテレビ番組を中心に日本のキャリアをスタート。後にドラマ、音楽系、CM系へと活躍の幅を広げる。2017年に独立。オフラインからアートデザインまで、作品の全体パッケージを監修することも多い。


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