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[土持幸三の映像制作101]Vol.34 「映像のまち・かわさき」推進フォーラムで振り返る映像制作授業

2018-08-21 掲載

txt:土持幸三 構成:編集部

10周年を迎えた「映像のまち・かわさき」推進フォーラム

「映像のまち・かわさき」推進フォーラムは10周年を迎えた

筆者が川崎市の小中学生に映像制作の授業を受け持っている理由は、ロケの多さ、映画館のスクリーン数の多さなど、映像との関わりが深い川崎の魅力の発信と人材育成、地域活性化を目的として設立された「映像のまち・かわさき」推進フォーラムが行う事業の一つであるのだが、その「映像のまち・かわさき」推進フォーラムの設立10周年記念イベントが7月に行われた。

毎年、一回は映像に関する勉強会と懇親会が行われ、会長である川崎商工会議所の会頭、川崎市長などの重鎮も参加されて、アットホームな形ではあるが、川崎の映像に対する熱い思いが伝わってくるイベントである。今回は10周年という事で、川崎のシンボリックな映画館、チネチッタで行われ、設立当初の苦労話を含め、筆者も登壇させていただき当時の様子と現在の映像制作授業について少しお話しさせてもらった。

市長はじめ多くの方が参加された

映像授業が始まった当時は先生方も講師も手探り状態の中、学校は多くの時間を割いてくれ試行錯誤が出来たと思う。記録媒体のUSBメモリーとSDカードの違いが解らない先生方とデータ管理やバックアップの話を懇々と説明していたのが懐かしいが、今では先生がタブレットで動画を撮影し、それを授業で使用したり、卒業式等で使用する映像を先生方と子供達とで制作したり、地域の方も参加する学習発表会で子供達が下級生や父兄に映像制作を実技体験してもらったりと10年間で環境はかなり変化したと感じている。

このフォーラムは映像業界で活躍する人材育成も目的の一つではあるが、当時は学校教育に取り込む際、シネリテラシー(シネマリテラシー)という事を川崎市の職員、フォーラム、学校の先生とよく話しをした。物語をつくり撮影し仕上げることで、物語を読み取る力、撮影時のコミュニケーション能力や達成感、問題が起きた時の対応能力など、映像制作には子供達が持つ多くの能力を向上させる可能性を秘めているという事だった。実際に、活発的で出演を希望する子がいるなかで、普段はおとなしい子がカメラや録音を通じて積極的にプロジェクトに参加し、放課後や休み時間、または朝早く登校して授業前にグループで集まり撮影を行ったりと、国語や算数とは違う興味を子供達に提供できていた。

10周年を迎えて、映像授業に思うこと

これまでを振り返る、左から3人目が筆者

10周年を迎えた今年度も、紆余曲折はあったがいくつかの学校で映像授業は継続され、ある意味、伝統になっている。「5年生になったら映像が創れる」と待ち望んでいる子供も多いし、川崎楽大師というイベントで子供達が創った作品を川崎大師の山門前で上映するという、まさに地域を巻き込んでの映像文化が花咲いている。

課題としてはやはり授業数の多さだろう。新しく小学校で英語の授業を増やさなくてはならない事もあり、授業数の確保は先生方を悩ませていると思う。効率的なことばかり考えるのも本末転倒な気がするが、導入授業で映像作りの大まかな基本とわかりやすい映像とは何かを説明し、学校によっては脚本から撮影への持っていき方、または企画、絵コンテ制作、グループによるプレゼンテーションを経ての撮影、各自の役割の確認と責任、編集でさらに作品をわかりやすく、面白いものにしていくための工夫、上映会など、できるだけ内容をコンパクトにしても時間はかかってしまうし、子供達に理解してもらいながら進んでいかないと、ただカメラと戯れて撮影したあまり意味を持たない映像になってしまうので注意しながら進めている。

このような課題はありながらも校長先生をはじめとする先生方やその地域のボランティアの方々、川崎市や「映像のまち・かわさき」推進フォーラムが協力して映像授業は今年も行われる。映像制作の楽しさはもちろん、映像を創るうえで学べる様々な事を子供達が吸収してもらえるよう、気を引き締めて講師を務めさせていただこうと思う。


WRITER PROFILE

土持幸三 1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


[ Writer : 土持幸三 ]
[ DATE : 2018-08-21 ]
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WRITER PROFILE

土持幸三 1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。


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