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[デジタルシネマの歩き方]Vol.14 間もなくこの手に!HYDROGEN ONE

2018-10-12 掲載

txt:林和哉 構成:編集部

いよいよHYDROGEN ONEがやってくる!

2017年7月7日。毎回驚きのスペックを尖った勢いと良心価格で提案してくれる、泣く子も黙るRED Digital Cinema社から「全く新しいジャンルのデバイス」という触れ込みでHYDROGEN ONEの発表とプリオーダーが開始されました。

早速「オーダーするぜ!」とサイトに行って目にしたのは、本体のデザインが垣間見える写真とスペックが記載されているJPEG画像(!)が張られている簡素なページ。文言の転載が出来ないような予防線なのだろうとは思いますが、普通の人はちょっと引くかもしれません。

筆者は、REDの勢いと「ついてこない奴は、別にムリしてついてこなくて良いぜ」という姿勢が、何だかんだ気に入っておりまして、初日のかなり早いタイミングでポチりました。価格はAluminiumが$1195、Titaniumが$1595。もちろん「迷ったら高い方」を心がけている筆者はTitaniumの一択ですね。

そこから、いつものRED WAYがはじまったのでした。

そもそも、HYDOROGEN ONEが実現する新しい体験とはなんだ?という疑問が全く明かされない。ただ、REDのユーザーサイトで何となくの情報が小出しにされています。デビットフィンチャー監督やブラッド・ピットがHYDOROGEN ONEを見て驚いている写真などがアップされていて、気になることこの上ない感じです。

そんな中に、「LEIA…?」気になるワードがありました。レイアと言えば「スター・ウォーズ」のあのお姫様。そして、R2D2から照射された立体フォログラフィ。そこから手繰るとleia Inc.という会社が見つかりました。当時はほとんどサイトに情報がなかったのですが、やはり浮き上がる立体映像ではないか、と推察して、なんとなくFacebookに投稿したりしていた筆者。

そこから、「どうやらAndroidベースの携帯らしいぞ」「携帯キャリアと連携するらしい」という情報が飛び交い、社長のJIMからは「未だかつて無い困難がどんどんとやってくる」という趣旨のコメントがあったものの、「明らかに時代を変えるデバイスとしての自信は揺るがない」という頼もしい姿勢を崩すことのないJIMがいて、一喜一憂の筆者と世界中のHYDOROGEN Pre-Orderメンバーであったのでした。

その後、出荷の目標であった第1四半期は過ぎたものの、5月に製品ではないがお披露目パーティーがREDのスタジオで開催され、7月には事前にベータユーザーとして「Houdini」というアプリケーションがベータなものの、ほぼリリース機への参加招待があり、満を持して10月9日、出荷を開始する、というメールが筆者の手元に届くのでした。

めでたく出荷にこじつけたJIM社長ですが、この出荷開始アナウンスのちょっと前。9月27日に驚くべき投稿をしています。

This one is killing me. Trust me…

The 1st run of Ti is a disaster. All fail. I told you how difficult Ti was to make but I was assured by our ODM and vendors we would make enough for the pre-orders. We didn’t.

So what does that mean?

Our pre-order Ti customers are the highest order. Not only did they commit to paying the full price of the highest priced model 14 months ago, they had to patiently sit through the Houdini launch and watch from the sideline.

If I were a Ti pre-order customer, I would be pretty pissed off… so I assume that is the common reaction for all of our customers in this position.

I can’t go over there and make them myself, or I would. All I can do is do what I think is fair… as if I was the customer.

We will send all Ti pre-orders an aluminum HYDROGEN 1st when we begin shipping them. Additionally, when we finally do make Ti models correctly, we will send that to you at no charge. You are allowed to keep the aluminum as well.

All RED cameras are made in California at our factory in Orange County. We have control over everything. Unfortunately, we are not in the same position with HYDROGEN. We are left to rely on the schedules and representations of our suppliers. In this case… we were let down pretty severely.

I have put my helmet on and am ready to field any questions about this.

Jim

ざっくり要約すると、

Titaniumの製造に不具合が出た。14ヶ月も待ったのに、私がTitaniumのプリオーダーだったら、商品が届かなかったら怒るだろう。Titaniumをプリーオーダーした人たちには、まずAluminiumを送ります。Titaniumが完成したらTitaniumも送ります。Titaniumを届けた後も、Aluminiumを使い続けて良いです。REDのシネマカメラはすべて自社工場で行っていて、すべてをコントロールできた。今回は、ベンダーとの連携で、かなりの勉強を強いられた。

Titaniumを持っている人は結果的にAluminiumとの2台持ちになるという、驚くべき対応です。こういった、REDの冒険に参加したユーザーを大事にしてくれる姿勢が、REDの魅力でもあります。

彼らがアップデートプログラムでRED ONEからの顧客を現在のEPICやMonstroといった未来へ未来へと惹きつけ続けたことで、プロカメラ業界も良い意味で影響を受け、カメラメーカーのサポートや商品企画が、多少なりともユーザーに寄り添った形になったように思います。

実機は10月末までには届くそうです。次回は実機のレビューです。楽しみにしていてください。

追記:
leia incでは、現在仕組みと見え方が想像できる情報が掲載されています。実際、コンテンツがどうなるか、そもそもどうやって撮影・演出するか、開拓に参加できるのが楽しみです。


WRITER PROFILE

林和哉 映像プロデューサー/ディレクター。入口から出口まで全てのポジションを守備範囲にしている。最新技術が好物で、各種セミナー活動も豊富。


[ Writer : 林和哉 ]
[ DATE : 2018-10-12 ]
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