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[OnGoing Re:View]Vol.47 ビッグセンサーを搭載したハッセルブラッドH6D-100cの4K動画を試す

2018-10-16 掲載

txt:渡邊聡(Multicamlaboratory) 構成:編集部

ARRI ALEXA 65と同等のセンサーサイズで4K動画撮影を実現

1億画素CMOSセンサーを搭載したハッセルブラッドH6D-100c

ハッセルブラッドH6D-100cは、ワンショット一億画素の撮影が可能なCMOSセンサーを搭載する中判デジタルカメラだ。センサーサイズは53.4×40.0mmで、中判の6×4.5cmの有効画面サイズ(41.5×56mm)とほぼ同等であり、35mm判フルサイズ相当のデジタル一眼レフカメラの2倍以上の面積でもある。

一体型デジタルカメラだが、デジタルカメラバックのブロックを外すことは可能。手元で53.4×40.0mmのCMOSイメージセンサーを見ることができる

このセンサーサイズを生かして妥協のない画質の写真撮影が可能なのは有名な話だが、H6Dから動画撮影機能が加わったのをご存知だろうか?H6D-100cの動画撮影機能は、53.4×40.0mmのCMOSイメージセンサーから垂直方向はクロップなしで、水平方向のみクロップして16:9の画角で撮影ができる。しかも、ハッセルブラッド独自のRAWビデオ形式でHD(2K)とUHD(4K)動画の両方の撮影を外部レコーダーに依存せずに内部記録が可能だ(CMOS 5000万画素モデルのH6D-50cはHDのみ)。

映像業界の大型のセンサーサイズのカメラといえばARRIの6K 65mmシネマカメラ「ARRI ALEXA 65」が有名だが、H6D-100cはそのALEXA 65と同等のセンサーサイズで動画撮影が可能だ。35mmフルサイズより大きいセンサーによるボケ感など、35mmのラージフォーマットイメージセンサー搭載のシネマカメラのさらに先を行く可能性を秘めたハイブリッドカメラといっていいだろう。

H6D-100cとALEXA 65のセンサーサイズの比較。H6D-100cのセンサーサイズは4:3で縦の幅は広い。動画撮影の場合は、垂直方向はクロップなしで、水平方向のみクロップする16:9画角となる横の幅はALEXA 65とほぼ同等だ。

宮大工の棟梁をH6D-100cの4K動画で撮影

■ズームレンズ1本に絞れば移動しながらの収録が可能

ということで4K動画を収録してみた。

まずは、岩手県にある重要文化財に指定されている正法寺へ宮大工の棟梁を訪ねて撮影に向かった。シンプルな装備で、本体にズームレンズを装着。三脚に取り付けて、案内をしてくれる棟梁を追いかけた。

シンプルすぎてまるで記念写真を撮影しているように見えるが、このような感じでRAWビデオ形式でUHD 4K動画の記録を進めていった。何はともあれ、お一人様収録でも機動力があり便利である。

PC周りの環境も紹介しよう。宮大工の撮影ではRAWビデオ形式でUHD 4K動画を安定して記録をするため、秋葉原のアミュレットからWiseのCFast2.0メモリーカードとコンボカードリーダーをお借りしたので、お陰様で安心して記録ができた。

翌日の作業場の撮影に備え、収録したRAWビデオデータは、SanDiskのSSDへバックアップ。この程度の手軽に持ち運べるマシン環境でも、時間はそれなりにかかるとはいえ取り扱えるので助かる。

1台で各種CFastカードとSDカードを読み書き可能なWise CSD2コンボカードリーダーと、4KデジタルシネマデータやRAW画像データの記録・保存に最適なWise CFast 2.0メモリーカード MacBook Pro上で記録データを読み込み、バックアップが可能
■小型軽量を活かした電動スライダーの撮影も可能

棟梁の兄弟をまずは天然光を生かして撮影。標準レンズとなる80mm開放で二人がどのように浮かび上がるかISO感度を64まで落とし、ビッグセンサーならではの雰囲気のある映像となるか試してみた。

棟梁の仕事の一部をお披露目して頂けるようになったので収録することにした。一発勝負で時間との戦いになるため、ビデオカメラのようにスピーディに画角を変化させて作業を追いかけて収録できるズームレンズをセレクトした。

ビッグセンサーを搭載したH6D-100cであるが、小型軽量なのを特徴としている。そこで、棟梁の作業する動きを電動スライダーを用いて追従させて収録することもトライしてみた。

この岩手で収録した動画をまとめてみた。

この動画は、株式会社モイおよび、カラリストの棚橋一樹氏のご協力のもとカラーグレーディングが施されて完成した。

西伊豆の情景をH6D-100cの4K動画で撮影

前回の岩手での撮影で大体のことは掴むことができた。そこで、HC 3,5/50 Ⅱ(35mm判換算で35mm)とHC 2,2/100(35mm判換算で73.3mm)の2本だけをセレクトして4Kならではの精細な描写とボケ感をどのように記録できるか?を探りにもう一度夏の西伊豆の情景を撮影することにした。

それは今年の異常な夏の暑さと戦いながらの撮影となった。ビッグセンサーゆえ、また、動画記録という無理をしているのでカメラを労わりつつ、自分も労わりつついろいろな被写体を追いかけてみた。

かき氷を頬張る少年の美味しい表情を100mmで狙い炎天下でのボケ具合を試してみた。お祭りの模擬店では、リングライトを使い美少女の微笑みを印象に残るよう100mmで狙ってみた。西伊豆の綺麗な海に沈みゆく夕日を狙ってみたが、残念ながら日数の関係で満足のいく夕日には出会えなかった。

ここで陽が落ちて行く模様を日没の予定時刻を睨みつつ収録した4K動画が以下のもの。

連続記録にチャレンジしたが、最長は4分59秒となる。しかし1億画素で本体内部記録がこれだけできるのはありがたい。そしてカメラと共に暑さに耐えながら収録した4K動画が以下のもの。

この動画は、MacBook Proでハッセルブラッド独自のRAWビデオ形式をハッセルブラッド画像編集ソフトウェア「Phocus」を用いてProResへ変換。Adobe Premiere Proで粗繋ぎしただけの全くグレーディング処理を施していないもの。Vimeoに4Kでアップロードしてあり、ISO800で花火など収録したものなどを含んでおり、ビッグセンサーならではのノイズの少なさをご参考までにご覧頂けます。

結果たくさんの制約はあるもののこのモンスターカメラは、スチルだけで使うのはもったえない。せっかくのハイブリッド仕様なのだから、プロフォトグラファーの皆さんにもぜひとも嫌がらずにVモード(動画)に切り替えてレリーズボタンを押して観て頂きたい。


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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2018-10-16 ]
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