txt:山下大輔 構成:編集部

皆さんこんにちは!今回はCP+2019に参加して動画制作の観点から自分の考えをまとめてみた。これはいわゆるCP+特集のようなものではないのでそこは先に言っておきたい(笑)。

静止画の展示会で感じる明らかに違うユーザー層、それでも感じる動画需要

筆者はInterBEEやAfterNABなどを手伝うことがある。いわゆる放送技術者向けの展示会だ。ここに来るユーザーは殆どがプロの映像関係者だ。そのため、業務用機器のラインナップがほとんど。それに比べCP+は一般のユーザーも気になる機材をメインとしているので参加している層が広いなと感じた。そこら中でコンパニオンの撮影会などが行われており、度肝を抜かれた。

もちろん静止画を撮るための製品やテクノロジーが多くあるのだが、会場をまわってみると動画に関するものも展示されていた。一眼カメラで動画が撮れることが一般化し、静止画のユーザーにも敷居は低くなって行きているなと思う。

会場を巡って気になったブース

■アドビ

まずはアドビから。普段自分が参加する展示会のメインはPremiere Proがベースになる。映像を編集する時には欠かせないのだがアドビブースを見るとPremiere Proのが表には出ていなかった。

その代わりPremiere Rushがあった。おそらく初めての動画編集にもRushを使って欲しいという意図なんだろう。機能が制限されているソフトの方がシンプルで初めて動画編集するのには最適だ。そういう意味でももっとRushにはシンプルに進化していってほしいと思う。ユーザーが考えることは作品を作る事だけ。そのほかの機能は全てソフトに任せるぐらいがいいのではないかと思う。

しかしながら少し話を聞くとPremiere Proの質問も多いとの事。誰でも編集ができる環境になりつつあるのだと思う。本当に使いやすいと思っているのがどのソフトなのかというのはこれからも続くユーザーとメーカーの戦いなのではないかと。

■EIZO

面白いなと思ったのがEIZOのブースにあった参考出展のモニター。Type-C接続一本でつながるほか、60Wの供給がができるのでノートパソコンユーザーには望まれていたガジェットといえる。60W位あればと思っていたが出たらすぐに試してみたい。画像加工でなくても動画編集で使いたいガジェットなのは間違いない。

■ZHIYUN

完全に動画のプロダクトのCRANE 3 LAB。ハンドルグリップが特徴的だがスマホでもコントロールできるようになっている。この辺りは一般のユーザーにも導入しやすくしているのだと感じた。ここでも一眼レフの動画ユーザーを意識した展示になっていた。

■マウスコンピューター

パソコン関連でいうとマウスコンピューターかもしれない。写真に限らずクリエイター向けのDAIVシリーズの展示もあり人気を集めていた。Premiere ProでいうとやはりWindowsの方がコスパも良い。

今、自分が勧めるなら第9世代のCore i9を搭載したシリーズで32GBのメモリ。GPUもGeForce20xxシリーズも近々出ると思われるので、是非そのモデルを選んでほしいと思う。特にPremiere Proは再生直後にメモリとCPUクロックを多く使う。ターボブーストで4Ghz以上でると4K30pベースにも対応できるように思う。

■ATOMOS

外部レコーダーとしても有名なメーカーだが、CP+ではSHINOBIの実機を展示していた。外部レコーダー機能を省き純粋にHDRモニターとしての機材だが、一眼レフの小さい液晶ではチェックしにくいフォーカスなどにも最適なものだと思う。収録で4:2:2を使いたいというターゲットではなく一眼レフで収録は行うがモニターは大きいものを探しているユーザーなどに最適のようだ。動画側からすると編集レスポンスを考えるとイントラ圧縮の動画が欲しいところだがここはターゲット層が違うというところか。

■Lexer

愛用しているユーザーも多いと思うが収録メディアもどんどん進化していた。LexerではXQDの上位互換であるものを展示していた。CFexpress Type Bは今までのXQDで使っていたスロットでそのままメーカーのファームウェア対応で使えるようになるらしい。

今までもあったメディア規格が変わって使えなくなるというユーザーにとって嬉しくない更新もこういった互換を保って更新してもらうとありがたい。大容量化はやはり一眼レフの動画ユーザーを意識しているとの事なので静止画、動画関係なく賑わっているように思った。

■プロ動画向けエリア

最後にプロ動画向けエリアなのだが、コンパクトに別会場に用意されていた。なぜか木金のみで土日は展示はないという不思議な仕様だった。

気になったのはソニーがFS5を展示し一眼ユーザーをターゲットとした展示だ。VRの雄のInsta Pro 2などの実機もあり見所は十分だったが、批判を恐れずに言うと分ける必要があるのか?と言うところはあった。本会場でも、もう動画ユーザーが目的を持って訪れる展示会になっている。わざわざ分けて展示すると言うのはユーザーにとって情報の分散になり体験できるタイミングが減りかねないので考慮していただきたいと思う。

まとめ

静止画と動画の敷居がもうないなと感じた。また会場にカメラを持ち込むユーザーも多かったがそれが静止画だけでなく動画をとるユーザーも多かった。ユーザーは動画、静止画どちらかが撮れればいいということではない時代。そのユーザーの要望をより汲み取れるメーカーが残っていくのだと思う。今までの業態に合わせる時代ではもうない。

WRITER PROFILE

山下大輔

フリーランスの映像講師。Adobe Community Evangelist。アドビ製品でビデオ編集をどのようにやっていくか日々模索中。FacebookではAfter Effects User Groupの管理人として勉強会なども随時行なっている。