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[オタク社長の世界映像紀行]Vol.55 豊作となったNAB2019。シネマ系、番組制作系の主力製品をピックアップ

2019-04-11 掲載

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Cooke、Angenieux、Schneiderなど、オーバーフルフレームシネマレンズ祭り

さて、これ以外にも多数のシネマレンズが展示されていたのが今回のNAB2019の最大の特徴であった。あまりに数が多いので、全てを紹介することは不可能だ。ここからは、目立つところをざっくりと流して行きたい。

CineGearでもないのにCookeのシネマレンズに触れられるというのは面白い

まずは、定番中の定番「Cooke」のシネマレンズ。ついにCookeも「FF+」と銘打ってオーバーフルフレームレンズを打ち出してきた。多数の「FF+」のアナモルフィックレンズが展示されていたが、手工業的な同社の生産力を超える使用依頼が既に押し寄せている、とのことだ。同社レンズは基本的にレンタルで使うレンズだ。

FF+シリーズは、そのメタデータを「ALEXA LFや「VENICE」に送ることが出来る

Angenieuxも、ついにOPTIMOシリーズの広域フルフレーム対応版を出してきた。「Angenieux 24-290mm Optimo Ultra 12X」と銘打ったこのレンズは、後玉の交換でS35+U35+FF/VVの変換が出来るようになっている。

Angenieuxのブースもフルフレーム対応を売りにしていた 「Angenieux 24-290mm Optimo Ultra 12X」は後玉交換でフルフレームにも対応する高倍率の巨大レンズだ

このシステムは同社のリーズナブルなシネマズームレンズ「Angenieux EZ-1/2」と同じであり、同社ユーザーには馴染みの仕組みだと言える。

後玉交換レンズといえばおなじみの「Angenieux EZ-1/2」も大きく展示されていた

またハイエンドレンズだけでなく「Angenieux EZ-1/2」もようやく初期注文に全部生産が追いついたとのことでいよいよ次の展開も期待してしまう。Angenieux EZ-1/2の独特なとろけるような映像に惚れ込んでいる身としては、同社が無事にフルフレーム対応を続けていることに安心感がある。

また、Schneiderもフルフレーム対応版シネマレンズをリリースしていた。Schneiderはシネマレンズの老舗中の老舗だが、フルフレーム対応版を謳っていた。同社はLeicaの銘玉「スーパーアンギュロン21mm」を提供していたことでも名高いので、知らない人は少ないだろう。同社の「Schneider Xenon FF」シリーズはその名の通りフルフレーム対応版の4Kシネマレンズであり他社に先駆けて数年前からコツコツとリリースを積み重ねてきた実績がある。今のオーバーフルフレームの流れからは少し小さめのライトサークルではあるが、それでも大半のフルフレームシネマカメラで充分に足りるライトサークルを持っており、その比較的リーズナブルな価格帯(3000ドル代中盤〜)と相まって、愛用者が意外にいるレンズである。

フルフレーム対応が早かったSchneiderもフルフレームを前面に押し出していた 定番の「Schneider Xenon FF」シリーズ。フルフレーム対応シネマレンズが少ない中での救世主的存在だっただけに愛用者も多いのでは無いだろうか?

この他に多数のメーカーが無数のシネマレンズを出していた。とくにセントラルホールにそうしたメーカーが集中しており、とても放送機器展とは思えないあたかもシネマ系イベントであるかのような面白い光景であった。今回は紹介していないが、格安な中華メーカーもシネマレンズを出展しており、これはまだまだクオリティ的には微妙ではあったためあえてここで紹介はしないが、将来は大変に期待できる。

ARRI「ALEXA mini LF」とSony「VENICE」とのフルフレーム一騎打ちがこうした状況を生んでいるわけで一つのカメラが時代を変えると言うことがあるのだな、と強く実感するNAB2019であった。

また、周辺機器の充実も今回のNAB2019の特徴の一つであった。特に、シネマレンズが急速に大型化したため、そのRIGやマットボックスの拡充は急務であり、これも多くのメーカーが挑んでいた。身なが頭を悩ませていたフィルタ口径114mmでの広角対応のカメラサポート機材も続々と登場しており、筆者はAngenieux EZ-1/2のEZ-2でのマットボックスのケられに悩んでいたが、それも過去のものとなりそうだ。

Vitecブースでは、統一ブースを出し、その中にブランドとして各社サポート機器を展示するスタイルになっていた VitecのWooden Cameraでは、114mm対応で浅めのマットボックスを出しており、これならばオーバーフルフレーム対応の広角シネマレンズでもケられることなく使う事が出来るだろう

シネマ系イベントのようNAB2019の最大の特徴

さて、このように、あたかもシネマ系イベントであるかのような回り方も出来たのが今回のNAB2019の最大の特徴であった。これは、決して今までのような翌月末のCine Gearの予習的な展開ではない。既に、ネット配信によって放送コンテンツとシネマコンテンツの融和がシームレスに発生しており、相互に強い影響が出始めていることが今回のNAB2019からは見て取れる。

例えば各社の8K展開も、その多くが放送方法も想定せずに展開されているが(日本以外では8K放送は未知数であるため)、これはユーザーの最終スクリーンはネットである事を想定している、ものと考えられる。いずれにしても、時代は急速に動いている。大型センサーによる4K、8Kの高精細映像は、既に主流であり、そのコンテンツ展開は想像を超えるものがある。乗り遅れること無く、かといって無駄に投資すること無く、読者諸賢と共に時代を乗り切って行く一助となれば幸いだ。

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WRITER PROFILE

手塚一佳 CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。


[ Writer : 手塚一佳 ]
[ DATE : 2019-04-11 ]
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