新製品「V-600UHD」に注目が集まった内覧会

東京・秋葉原のローランド東京オフィスにおいて「ローランド業務用映像機器新製品内覧会2019」が開催された。今回はコンサートやスポーツのほか、講演会などで大画面LEDディスプレイを背景として使用するステージイベントにおいて、放送用4Kカメラから民生用のHDカメラ、パソコンなどのさまざまな映像を使って高精細な映像演出を行える4K対応の業務用マルチフォーマットビデオスイッチャーV-600UHDをメインにした発表会となっていた。

カメラやレコーダー、モニターといった機器は4K対応製品がすでに各社から発売されており価格も手頃になっているが、HDR対応の4Kスイッチャーはまだ少なく、業界が待ち望んでいたものと言えるだろう。

AV機器ジャーナリスト小寺信良と、株式会社シーマの石丸隆氏によるセミナー。各種イベントにおけるLEDディスプレイの導入の現状と問題点およびV-600UHDによる問題解決などを分かりやすく解説

また、今回の発表会では「イベント現場における4K HDR映像活用セミナー」も開催され、LEDディスプレイのような高輝度なモニターが背景にある場合、いかにHDRが有用かを解説した。同セミナーではV-600UHDを使用することでHDRと通常のカメラが混在する場合でも放送用に作られたスイッチャーと異なり簡単に調節できることやカメラやPCなど様々な入力ソースに柔軟に対応できイベント等での設置や調節が迅速にできることなどが解説された。

なお、会場ではV-600UHDを使用したシステムをいくつかの運用シチュエーション別にブースを出しており、V-600UHD以外のバージョンアップ製品は別室に集められたレイアウトでV-600UHD中心の発表会となっていた。

V-600UHDは、4KやHDRに対応したスイッチャーだが、各入力にはコンバーターが搭載されており、HDの映像資産も活用できるようになっている。また、すべての入出には同社独自のULTRA SCALER技術を搭載しており、既存のHD対応のシステムでも、4K、HDR、HDの映像を同時に入出力することが可能。また、4KとHD映像を同時に出力できるので、メイン画面としてステージ上の4K大型LEDディスプレイにHDR映像を出力しつつ、控え室に備え付けてある液晶TVには一般的なHD映像を出力するといったセッティングに対応可能。

さらに、HDRに対応することで、野外やスポットライトを浴びたステージ上の出演者など映像の明るい部分が真っ白になってしまう白飛びや黒つぶれ、赤色や黄色などの表現力も格段に上がり、野菜や果物などの映像も色鮮やかかつリアルに映し出すことができる。

ULTRA SCALER技術を搭載しており、様々な入力に対応できるほか出力も接続する機器に応じたフォーマットに設定することが可能

放送用に作られたスイッチャーなどでは通常入力のフォーマットを統一する必要があるが、V-600UHDに搭載されたULTRA SCALER技術により様々な入出力対応可能だ。このため、現状のHDから段階的に4Kへとグレードアップしてくことができる

BT.2020規格だけでなく、既存のRGB規格やBT.709規格にも対応。BT.2020規格は、特に赤色と黄色の表現力がアップしており、野菜や果物など本来の色やディテールまで表現できるようになっている。さらに、4:4:4/10bit処理に対応しているので、高精細の画像コンテンツも鮮明に表示することが可能で、大画面にパソコンから出力された細かい文字なども高精細な映像処理ができるため、細部まで読み取りができ、くっきりと表示することが可能

4K映像には、テレビ放送で使われる3840×2160のUHDと、映画で使われる4096×2160のDCI 4Kがあるが、V-600UHDはその両方に対応しているほか、フレームレートも60Pまで対応

発表会場に設置されたV-600UHDによるシステム。AJAのKi Pro Ultra Plusからの4つの出力をV-600UHDのソースとして使用。V-600UHDには100BASE-TXによるEthernet端子が装備されており、PCから各種設定などを行うことが可能

V-600UHDにはマルチビュー出力が装備されており、1台のモニターで各入力に接続されたソース入力の映像やPVW、PGMの映像を一覧で確認できる

12G-SDIやHDMI入出力が可能なほか、タリーやリモート用のRS-232C、Ethernetなどのコネクターを搭載。音声はエンベデッド以外にアナログの入力および出力が可能

V-60HD Ver2.5は、LAN経由でパナソニックのPTZカメラの主なパラメータ制御可能。専用カメラコントローラーがなくても制御可能になった

V-800HD MK II Ver1.50はPinPパラメータ(1%から0.1%、1%から1ドット)の超微調整、AUX BUS切り替え用のRS-232コマンド、およびマルチビュー画面でのPGM/PVW位置の変更が可能になったほか、AUX 10はPGMに割り当て可能となり、より多くのテストパターンが利用可能になった

V-1HD Ver2.0は、より多くのPinPパラメータ調整が可能になったほか、メニューナビゲーションが簡便になり、オーディオレベルメーターがマルチビュー画面に追加された。また、iPad、MacおよびWindowsリモートコントロールソフトウェア(V-1HD RCS)のアップデートもある

V-02HD Ver1.10はiPadリモートコントロール・アプリケーションからのコントロールに対応したほか、簡単にビデオ入力を切り替えて、オーディオのミックス、設定を変更し、プリセットメモリーを使って最大8つのカスタム・シーンを作成可能になった

VR-1HD Ver1.10でRCSを使ったリモートコントロールに対応。機能毎に操作ウィンドウが開くようになった。例えば本体のMENUでPinPの位置を変更する場合、操作のTYPEでPinPを選び、PinPの小窓を選ぶマウス1つで操作が可能に。サイズもPinPの小窓の端をマウスでつかむだけで簡単に拡大、縮小が可能

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