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[オタク社長の世界映像紀行]Vol.56 Cine Gear 2019でスモールシネマカメラ、フルフレームレンズの盛り上がりを確認!

2019-06-10 掲載

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ATOMOSブース

ATOMOS社はRAW収録機付き新型HDRモニター「NEON」を4サイズ一斉に発表して話題をさらっていた

新製品があまり出ないのが特徴のCine Gearだが、今年はなぜか新製品ラッシュだった。注目の一社が、このATOMOS社だ。

同社は、HDR機能を搭載した収録機付きモニタ「NEON」を開発発表し、大いに話題をさらっていた。「NEON」は、17インチ、24インチ、31インチ、55インチの4機種同時発表。その全てがDCI 4Kでの1000nitのHDRに対応。DCI-P3 100%カバー。

収録はProResRAWを含めたProRes系と、AVID DNxなどのAVID系、Cinema DNGと、多彩な収録形式が用意されている。入出力は、それぞれHDMIを1系統と、SDI BNC端子を2系統づつ持っている。それだけでなく、オプションでのRAWファイルの書き出しも可能で、単なる収録機ではなく「NEON」からの機材展開も期待できる。

「NEON」シリーズを説明する社長のジェロミー・ヤング氏。社長自身がブース陣頭に立ち、ハリウッドの人々に直接機材を説明する姿には好感が持てる

NEONは背面に「今のところはNINJA Vのようなものが付いている(同社スタッフ談)」そうで、そこに、同社オリジナルSSDケースを差し込めるスタイルとなっている。SSDはATOMOS社のモニターレコーダー規格AtomX用にカスタムメイドされた2.5インチのAtomX SSDminiとMasterCaddy IIに対応している。

背面のNINJA Vはバッテリーポートもそのまま残っていたが、ここにバッテリーを差しても今のところモニタ側は駆動はしない、とのことであった(収録機側のみバッテリー駆動していた)。実際、容量的に、NINJA Vの小さなバッテリーで55インチの巨大モニターを使うのは不可能だろうから、このあたりは発売までに何らかのアナウンスがあると思われる。

同社の前作モニター「SUMO 19」は1つのVマウントでモニタも収録機もバッテリー駆動出来るのが何より便利であったため、そのあたりの機能は是非とも踏襲してほしいものだ。

様々なサイズを同時リリース。すごい! 「NEON」シリーズの後にはめてある「NINJA Vのようなもの」。よく見ると「ATOMOS X」と書いてある。今のところ刺さってるバッテリーはあくまでも収録装置側だけのものらしい

同社製品はオフラインを中心にした簡易収録できる簡易モニターというところからスタートしたが、色域フルカバーのHDRモニタで、RAWで収録できるのであれば、これはワークフローを一気に変える可能性がある製品だ。大いに期待して発売を待ちたい。

Leitzブース

極寒の異常気象でも、Leitzブースは夏の装い! 会場で一番目立っていたのは、間違いなくLeitzの人たちでした。寒そう!

Cine Gear、といえば、欠かせないのが赤いハーフパンツのLeitz軍団だろう。異常気象による極寒の中でもLeitzブースは夏。赤いハーフパンツが大変目立っていた。

Leitsでは、NABに引き続き、ズームレンズ「Leitz Zoom 25-75mm T2.8」の実機を出し、多くの参加者を呼び込んでいた。更に、プライムレンズ「Leitz Prime 18mm T1.8」の新しいベータレンズが登場しており、多くの参加者が、同社ブースに置かれた「Leica SL」にこのレンズを装着して、その素晴らしい性能を堪能していた。

NAB当時に比べて、この18mmプライムレンズはかなり機構のスムーズさが増しており、また、コーティングが向上したのか、他の焦点距離の同シリーズレンズと色味の合った、本当に美しい光を映し出すようになっていた。予算が無限にあるなら、このレンズシリーズだけで撮影したい。そういう野望を持たせるレンズ群だ。

「Leitz Prime 18mm T1.8」は、いよいよ製品版に近い出来に。本当に、裸眼目視よりも優れた絵を映し出すレンズというのは、ため息しか出ない

また、読者諸賢お気づきの通り、Leitzブースではシネマカメラ装着でのレンズ展示を辞めた、というのが今年のCine Gearでの特筆に値するだろう。同社関連企業であるLeica社のスチルカメラ「Leica SL」や「Leica M(Typ240)」にシネマレンズを付けさせて参加者に体験させるスタイルは、スチルサイズシネマカメラが注目される2019年の流れを先取りしていると言える。

実際に手に持って覗き込めるため、シネマカメラに装着してちょっとだけ触れるよりも、より、レンズの善し悪しを体験できる、優れている展示方法だ。

無論、単に展示方法として優れているだけでなく、今までであれば、映画なのだから当然とばかりにARRIのALEXA miniあたりがずらっと置いてあったものだが、フルフレームセンサー時代となってからは独占が崩れ、必ずしも映画=ARRIでなくなりつつある状況もここからはなんとなく透けて見える。こうした、小さなスチルカメラ筐体に高価で巨大なシネマレンズを付ける、というスタイルも、何ら違和感のあるものでも無くなりつつあるのだ。

とはいえ、まだまだ市場で最も多いシネマカメラといえば当然にARRIだ。Leitzのレンズ群も、従来のPLマウントでの提供だけでなく、ARRIのLFシリーズの新しいマウントであるLPLマウントでの出荷も出来るとのことなので、その点は読者諸賢に置かれてもご安心願いたい。

いずれにしても、いよいよ新生Leitzのシネマレンズ群の映像が、市場のスクリーンに現れる日も近いようだ。期待して待ちたい。

Duclos Lenses・武蔵オプティカルシステムブース

コスパのいいスチルレンズベースのモディファイシネマレンズで知られるDuclos Lensesブースは、その価格帯もあって、多くの人を集めていた

シネマレンズメーカーであり、スチルレンズを改造したシネマレンズでも知られるDuclos Lensesのブースでは、自社製レンズのメンテナンス・モディファイコーナーを用意して、大いに人を集めていた。

Duclos Lensesブースらしいのは、なんといってもメンテナンス・モディファイコーナー。レンタルでの売り上げがメインの他レンズメーカー各社ではあり得ない事だが、同社のシネマレンズは個人所有している人が多いのでこういうブースが成立するのだ

メンテナンスコーナーを設ける、というのは、高性能シネマレンズメーカーながらリーズナブルで個人所有も出来る価格帯の同社製レンズならではの展開で、非常に興味深い。

また、同社ブースには日本の武蔵オプティカルシステムも自社製シネマズームレンズ「4K Zoom Takumi 23.9-195mm T2.9」を展示しており、多くの人々の興味を集めていた。武蔵オプティカルシステムのシネマズームレンズはS35センサー対応ながら、その広大な焦点距離と、4K対応の光学性能が大変に素晴らしい。

武蔵オプティカルシステムのシネマズームレンズは、大変な高性能だった。DUCLOSブースに展示ということで、価格も期待してしまう

Duclos Lensesブースに展示されているところから価格もそうは高くない(とは言ってもそこがシネマレンズなので、数千万円クラスではなく数百万円クラスという意味である)ことが期待され、多くの人が触りに来ていたのが印象的だった。

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WRITER PROFILE

手塚一佳 CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。


[ Writer : 手塚一佳 ]
[ DATE : 2019-06-10 ]
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