(01)ミッドディテール・ツールを逆のマイナス側に振ることで美肌効果を狙う

前回に引続き時短ツールとして紹介する「ミッドディテール・ツール」(以下:ミッドディテール)だが、その美肌効果はカラーグレーディングとして立派なセカンダリーツールである。ミッドディテールの値を前回とは逆のマイナス側に振ることで、中間調(ミッドトーン)のコントラストを選択的に下げることができ、美肌効果が期待できる。さっそく今回の課題画像(図01-01)をご覧いただこう。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_02.jpg 図01-01
※画像をクリックすると拡大します

カラーグレーディングの最初のプライマリー処理として、画像全体のコントラストを高めに調整された男性のアップショットである。調整前には気にならなかった顔の肌荒れやシミが、コントラストを上げたことで目立ってきてしまった。これを軽減したいというのが今回のクライアントの要望だ。

(02)ミッドディテールを適用したい範囲を作成

最初にシリアルノード02を追加する(ノード01にはプライマリー処理としてコントラストやピボットの調整済み)。このノードにミッドディテールを施すのだが、美肌処理したいのは眼と唇を除いた顔から首の肌部分だけだ。

なので、ウィンドウ・ツール(以下:ウィンドウ)を使って、まずはミッドディテールを適用したい範囲だけを囲ってしまうことにする。Adobe Photoshopでいうと選択範囲を作成するということだ。ウィンドウ・パネルを開くと、上から「四角形」「円形」「多角形」「カーブ」「グラデーション」の各ツールアイコンが縦に並んでいる。そして、その上段には各ツールの追加ボタンも並んでいる(図02-01)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_03.jpg 図02-01
※画像をクリックすると拡大します

(03)円形ツールで選択範囲を設定

円形アイコンをクリックすると、一つ目の円形ツールがビューアに表示される。その円周上の丸いポイントをドラッグして縦幅や横幅、傾き、境界線のソフトネスを調整し、できるだけ顔部分にフィットさせる。ウィンドウパネル右側のパラメーター(数値)をドラッグしたり、直接入力することで円形のサイズや変形も可能だ。

なお、通常は表示される輪郭線だけでは、その選択範囲が直感的には分かり難い。そんな時は一時的にカラーホイールのオフセットをブルー側に大きく振ってみると良い。画像上の選択範囲がブルーに着色されて確認しやすくなる(図03-01)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_04.jpg 図03-01
※画像をクリックすると拡大します

(04)円形ツールで首部分を選択

次は首部分を選択する。追加円形ボタンをクリックして2つ目の円形ツールを表示させ、同様の操作で変形させて選択範囲を作成する(図04-01)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_05b.jpg 図04-01
※画像をクリックすると拡大します

(05)円形ツールで選択範囲を除外

これで美肌効果を掛けたい肌の範囲を作成できた。ただ、この範囲内には眼や唇といった美肌効果を掛けたくない部分も含まれている。

そこで、3つ目の円形ツールを追加して、本人の右目(向かって左側の眼)を選択範囲から除外することにする。右目の大きさにフィットするように縦横の幅・角度・ソフトネスの調整が完了したら、「選択範囲を除外アイコン」をクリックする。こうすることで、その円形部分にはミッドディテールは掛からなくなる(図05-01)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_06.jpg 図05-01
※画像をクリックすると拡大します

(06)円形ツールを追加して左目と唇も除外

同様に左目と唇にも4つ目、5つ目の円形ツールを追加して、ミッドディテールを除外する。ブルーに着色した画像を見ても確認できるだろう(図06-01)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_07.jpg 図06-01
※画像をクリックすると拡大します

(07)ミッドディテールを適用して完成

選択範囲が確認できたら、オフセットのカラーホイールをリセットして確認用ブルーをキャンセルする。最後にミッドディテールをビューアで確認しつつ、マイナス側へ徐々にドラッグする。過度な美肌効果はマネキン人形のような肌質になってしまうので、掛け過ぎには注意が必要だ。今回はWeb上でも分かりやすくするために値を「-70.00」にして完成とした(図07-01)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_08.jpg 図07-01
※画像をクリックすると拡大します
https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/07/dr-11_09.jpg 図07-02
※画像をクリックすると拡大します
(モデル:里中 賢)

WRITER PROFILE

小島真也

Blackmagic Design認定トレーナー、写真家、撮影監督。商業/自主映画では撮影監督として撮影・照明・カラーグレーディングも担当。