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[OnGoing Re:View]Vol.60 パナソニックS1Hレビュー。現場に投入して分かった実力とは?

2019-09-18 掲載

txt:照山明 構成:編集部

GH2に始まりGH5まで、LUMIX GHシリーズをこよなく愛してきた自分にとって、S1のラインナップは気にならない訳ではなかった。

システム全体がコンパクトにまとまるマイクロフォーサーズシステム(以下:MFT)に強い拘りを持っていたため、LUMIXチームが満を辞してフルサイズ機を投入した時は、すぐには飛びつかない自分がいた。しかし、今回ばかりは横目で流すことができなかった。それが「LUMIX DC-S1H」だ。スペックもさることながら、GHヘビーユーザーにとって、いくつかポイントとなる機能アップがあった。

今回は主にGH5ユーザーから見た「動画カメラとしての」S1Hという方向でレポートしたい。現行機種であるS1/S1Rで既に実現している機能を紹介してしまう可能性もあるがご了承いただきたい。逆にGHユーザーにとっては、スペックだけでは語れないS1シリーズの魅力を伝えることができると思う。

今回、レポートするにあたって借りたもの

  • DC-S1H 本体
  • LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.
  • LUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S. | S
  • LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
  • LUMIX S PRO 50mm F1.4

なお、レポート当時は試作機のため、画質の細かい評価は遠慮させていただいた(モアレ、ローリングシャッター等)。また最終製品版では画質や仕様、設定の変更等の可能性はあるので、その点だけご了承いただきたい。

ファーストインプレッション

さすがにフルサイズ機、ずしりと重いボディーに、MFTユーザーから見れば巨大なレンズ群。自分の現場はラン&ガン撮影が多いため、最初はこの大きさと重さに少し怯んだ。ただ慣れとは面白いもので、肌身離さず使っている過程で重さはさほど気にならず、むしろS1Hの高い機能性に惚れ込む結果となった。

自分はこの手のカメラの場合、スタジオ撮影以外は手持ちでの運用が多く、ほとんどの場面でファインダーを使う。感覚的には動画を撮る、というより写真を撮る感覚で場面を切り取っている。S1Hのファインダーはかなり鮮明で見やすく、MF時はフォーカスの山が確実に掴めた。GH5より大きくなったアイカップだったが、自分はメガネをしたままファインダーを見ることも多く、付属のアイアップでは役不足。別売品の大型アイカップDMW-EC6が欲しくなった。

新開発のチルトフリーアングル構造

フルサイズだ、6K24Pだという前に、まず目に止まったのが液晶モニター構造だ。GH4/5ではHDMIケーブルを差し込むとバリアングルが回らなくなるジレンマに悩まされた。その後S1/S1Rの3軸チルト式という構造で、この問題はクリアしたもののバリアングルが省かれた。

S1Hの発表時にまず驚いたのは、互いの不満を見事に解消し、バリアングルと3軸チルト式を合体させてきたことだ。それが今回の新開発の「チルトフリーアングル構造」、個人的にはかなり賞賛したい部分だ。

HDMIに干渉せず、かつバリアングルで回転する

6K24P 10bit、14+ストップのダイナミックレンジ、5軸6段のボディ内手ぶれ補正

今回の目玉である6K24P。サンプリングこそ4:2:0だがしっかり10bitだ。そしてフルサイズになったことでダイナミックレンジもGH5の12ストップから大幅にアップし14+ストップに。これを時間無制限で内部記録できてしまうというのだから驚きだ。

S1シリーズはGH5から引き継ぐ強力なボディ内手ぶれ補正も健在。しかもGH5から1段アップの6段、Dual I.S.2対応レンズなら6.5段とすごいことになっている。そこで、とりあえず最高スペックで6.5段の手ぶれ補正を使って撮影してみようと、カメラ一つ持って街の喧騒に飛び出した。

この気軽さからは想像できないモンスターカメラ

選択したレンズは標準ズームとも言うべきS24-105mm/F4。もちろんDual I.S.2対応レンズだ。まずはこれ1本で手持ちのみで撮ってみた。ピクチャースタイルは迷わずV-Log。ウェーブフォームを表示させてみると波形が上下の途中で張り付かないのが嬉しい(GH4/5の波形表示では上下の途中で完全に張り付いた)。この時点で、14+ストップのダイナミックレンジがあり、V-Log LではなくV-Logがちゃんと使われていると実感した。

昼~夕方にかけて、三軒茶屋の日常風景を手持ちでサクっと切り取る。S1Hで6K収録の場合、完全にセンサーフルでの読み出しになりアスペクト比は3:2、ファインダーでも一昔前のテレビの比率のように見える。それ以外は撮影中6Kで撮影している実感はまったくない。カメラが悲鳴をあげている雰囲気も皆無だ。

撮影後すぐにDaVinci Resolve 16(Studio版)に取り込んでみた。あらかじめプロジェクト設定でタイムラインに合わせたスケーリングを無しにしたので、4K(3840×2160)のタイムライン上では6Kネイティブの大きさで表示された。そこで4Kまで縮小し横幅を合わせてみたところ、0.65という数字で合致した。つまり65%縮小している形になる。さらにその状態でも上下に移動幅ができている。アスペクト比が3:2のためだ。しっかりと6Kで撮られており解像度のバッファがあることが実感できた。

DaVinci Resolveの4Kタイムラインでのズーム比は0.65

会社のMacは4年前のiMacのため(iMac 5K late2015:一応当時の最高スペックではある)さすがにそのままの再生はもたついた。6K24Pの場合、形式がh.265(HEVC)というのもある。そこで、いったんプロキシを作り編集、その後プロキシを外してカラーグレード、というフローで1本の映像を作成してみた。その名も「-FIX- 三軒茶屋」。まずはこのテストフッテージで、6K24P 10bit、14+ストップのDR、そして5軸6段のセンサーISという驚異のスペックを感じて欲しい。

何度も言うが三脚は一切使用していない。また途中でパン&ティルトしている場面があるが、6Kの解像度を活かし編集時にキーフレームで動かしてみた。

※環境が許せば4Kでご覧ください

フルサイズならではの被写界深度

フルサイズ、と言えば、「ボケ味」だろう。決してボケ味=綺麗な映像という訳ではないと思うが、昨今の大判センサーカメラの台頭もあり、多くの現場で「ボケ味」を求められるのは事実。時に背景の余分なものを誤魔化したい時は浅い被写界深度は有効だったりする。そういう意味ではMFTは弱い。クリエイターの間でも「ボケない」のがMFTを選択しない理由の一つにあったかもしれない。

そこで今回はGH5とS1Hで正直に比較してみた。とりいそぎ素直な比較として、F2.8通しの24-70mm(MFTだと12-35mm)での比較、そして少しいじわるな比較だが、GH5+NOKTON25mm/F1.4と、H1S+24-105mm/F4の標準ズームレンズを50mmに設定して戦わせてみた。

実際の比較動画はこちらから

同じ画角とF値では、フルサイズとMFTとの差は歴然だが、MFTでもNOKTON(F0.95シリーズ)といった明るい単焦点ではかなり綺麗なボケ味が出る。一方でフルサイズだと24-105mm/F4といった暗めの標準ズームであっても、それなりにボケ味が出るのは事実だ。これはセンサーが大きい故のことだろう。フルサイズであれば標準ズームのままでも、ある程度のボケ足を稼ぐことはできる。レンズをそう何本も持っていけない取材等では強みになるのかもしれない。

GHシリーズからブラッシュアップされたメニュー

GH5のメニューに比べ、アイコンの変更や、一部移動などで多少の戸惑いもあったが、基本的なものはGHと共通しており、慣れてくると配置がブラッシュアップされより分かりやすくなったと感じる。

動画記録形式はGH5では複数選択肢があったが(特にMP4は3つ選択肢があった)、S1HではAVCHD/MP4/MOVの3つのみに整理された。各収録形式の選択時、通常メニューでは細かいスペックが表示されるが、Qメニューからのアクセスではビットレート表示は省かれた。GHでビットレートを目安に形式を探っていた人は注意が必要。

今回から6K24Pや5.9K30Pも加わり画質だけでも混乱するほどの種類があったが、各条件でソートできるモードや、自分が使う形式だけのリストを作れるなど秀逸な項目が備わっていた。さらにフォトスタイルもよく使うものだけに制限できる機能もある。自分は普段、CineLikeDかV-Logの2択になっているので、迷わずそれ以外のフォトスタイルをメニューから落とした。

動画画質設定で「DISP」ボタンを押すことで、フレームレートや画素数、圧縮形式、VFR、HLGから目的の画質をソートできる

GH4/5で良く使ったハイライト&シャドー調整の項目は各ピクチャープロファイルの色調補正に移動し、Qメニューからも呼び出すことができた。ファンクション(以下:Fn)にハイライト&シャドーを割り当てることはできなくなったが、コントラストの激しい場面で即座にコントラストを弱めたい場合はiダイナミックレンジをFnに登録し使う手もある。パナソニックの業務機を使ってきた方なら馴染み深いDRSのような機能だと思う(弱/中/強/Autoから選べる)。

ウェーブフォームとベクトルスコープは、GH5ではFnを割り当てた際、ボタンを押すたびに非表示含む3段階で切り替わる仕様で若干ストレスだったが、S1Hではウェーブ、ベクトルを別々のFnに割り振ることができるようになった。特にV-Log収録時、ウェーブフォームは頻繁に見ることが多い。Fnに割り当てておくことで、すぐに表示・非表示できるのは便利だった。

GH4/5は録画中にしかAF連続動作が効かなかったが、S1Hでは録画前でもAF連続動作を可能にする項目が加わった。これにより録画前に常時AFの具合をシュミレーションできる(GH4/5の時は、一度録画してみて、という場面は多々あった)。

ピーキングの色や感度が細かく設定できるようになっていた。色は10色から、感度は5段階から選べる。ただしファインダーと液晶モニターではピーキングの出方が変わるので、現場で両方使う場合は感度を都度調整しなければならなかった。

GHで慣れ親しんだ「EXテレコン」は「動画撮影範囲」という項目に変わった。センサークロップという本来の機能に合わせ変更された形だ。「動画撮影範囲」はFULL/S35/PIXEL BY PIXELから選べる。こちらもFn登録しておくと、同レンズでもう一歩寄りたい場面などでかなり役に立つ。一方で4Kアナモフィックや4K60Pなど、一部の設定ではFULL(フルフレーム)は選択できず、必然的にS35からの読み出しとなる。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2019/09/ong60_S1H-08_Frame_compare01-1.jpg 動画撮影範囲はテレコン用途でも役に立つ
※画像をクリックすると拡大します

個人的に嬉しかったのはフォーカスリングの動きを制御できる項目があった事。リニア(絶対角度)とノンリニア(可変角度)から選べ、さらにリニアの場合は回転角も選べる。端無しのLUMIXレンズは基本的に動かすスピードで回転角が変化してしまう(ノンリニア)ので、動画撮影時の確実なフォーカス送りに難があった。この機能はぜひGH5もファームウェアで対応してほしい。

確実なMFを行う際、この機能は助かる

最後に、GH5と逆位置になったレンズのリリースボタン、グリップを握っている人差し指で押してレンズ交換したい、という要望に応えた形だろうが個人的にはダメだった。Fnボタンと間違えて思わず押してしまうことが多々あった。このあたりは慣れだろうか?

GH5に比べ配置が変更されたボタン&ダイヤル

各ボタンやダイヤルの位置も微妙に変更されているが、Qメニューやスティック等、キーとなるボタンの位置はそのままのため、それほど使いにくさは感じなかった。

ボディ上面右側に大きな液晶表示がついたことでモード変更ダイヤルの位置が左に変わった。ただ普段からグリップを持った片手で操作することはまず無いのと、誤操作防止のためにも理にかなっていると思った。モード変更ダイヤルの回転方法も変わっている。GH5は回してから真ん中のボタンを押してロックがかかる仕様だったが、S1Hは真ん中のボタンを押しながら回し、ボタンを離すとロックがかかる仕様になった。個人的には前者のほうが操作しやすかったが、好みが分かれる部分かもしれない。

パっと見Fnボタンが少なくなっている印象があったが、その分専用ボタンが増えており、それぞれファンクションとして別の機能を割り当てることができるので、トータルとしてFnボタンは増えた印象だった。

冷却FANの実装

静かな部屋でしばらく使っているとFANノイズが若干気になった。そこで試しにFAN内蔵機種であるBMPCC 4Kと簡単な比較をしてみた。30分程度RECをかけた状態で放置し互いのカメラが熱くなってきたのを確認してから、カメラのホットシューにZOOMのH5を取り付けて収録。結果としてS1Hのほうが若干大きめに感じた。排気口が下にあるBMPCC4Kに対して、S1Hは横(液晶モニター背面)にあるので、多少、その影響もあるのかもしれない。

XYステレオマイク付きZOOM H5を各カメラのシューに取り付け収録
実際のノイズ比較はこちらから

ただそれほど神経質になるレベルではなく、ガンマイク等指向性の高いものであれば問題ないレベルかと思う。指向性の広いマイクの場合はすこし本体から離すなど工夫は必要かもしれない。またS1HのメニューにはFANを制御する項目もあり、AUTOモード2種(温度に応じてFANの動作が変化するモード・FANがOFFの状態を可能な限りキープするモード)、標準、低速の計4種類から選べるので、状況に応じて選択すると良いかもしれない。

実戦投入して見えたこと

試作機を実際の仕事場に投入するのはリスクもあったが、現場で使ってみないと真の意味でカメラの素性を理解できない。そこで思い切ってとある現場に投入してみた(バックアップとしてGH5持っていった)。結果から言えば、現場はとかくスムーズに運び、S1Hの素晴らしさにすっかりやられてしまった。

現場はとある美容器具のPV撮影で、女性モデルを中心に撮影していった。選択した録画形式は4K(UHD:3840×2160)30P 8bit 4:2:0 LongGOP、フォトスタイルはCineLikeD2。10bitでV-Logを使いたかったが、制作チームの都合もあり最初から色付きでの収録となった。今回はさきほどのテストとは違って、しっかりと三脚にそえての撮影。SDカードスロットはデュアルで収録。モニタリングはATOMOS SHOGUNで行い、そこからさらに10mのHDMIを接続して、CLプレビュー用の大型4Kモニターに映した。

最初にチョイスしたレンズはLUMIX S PRO 50mm F1.4。大型4Kモニターに映し出された映像を見た制作スタッフの間から、「すごい綺麗!」という声が漏れてきて、一人ほくそ笑んだ。実際、CineLikeD(2)の撮って出しはGH5のそれと比べても綺麗だった。モデルの肌の中間からハイライトにかけての滑らかで芳醇な感じ、と言えばよいだろうか?フルサイズってこんなに綺麗だったか!?というのが最初の印象だ。

撮影を進めているうちに、「もっと寄って欲しい」という要望が多くなった。美容機器と肌との接点のクローズアップが必要だったためだ。フルサイズは画角が広い分、ある意味望遠側に弱いとも言える。特に今回のようなクローズアップが多い場面では「寄れない」と思ったことが多々あった。このあたりはすっかりMFTに慣れてしまっていたのもある。フルサイズだけに、寄ろうとすると必然的にレンズも大きく長くなってくる。しかしながら「動画撮影範囲」をFnに割り当てていたので、寄れない場面では「S35」か「PIXEL BY PIXEL」を即座に適用した。いわゆる「EXテレコン」効果である。S1Hは6Kまで撮影できる解像度があるので、4Kであれば、センサークロップでそこそこ寄れる。

寄ったところで、今度はフルサイズセンサーゆえの被写界深度の浅さが仇になった。フォーカスがシビアすぎてフォローしきれないのだ。そんな中、あらかじめFnに登録しておいた「DUAL ISO」を呼び出した。VARICAM、EVA1、そしてGH5Sでもお馴染みのデュアルネイティブISOがS1Hにも搭載されている。勘の良い方は自分が何をしようと思ったか分かったはずだ。そう、ベース感度を上げて、できるかぎり絞ってみた。

最終的には、ISO4000、F18で撮影。大型4Kモニターで見てもISO4000とは思えない綺麗さだった。同時に深度が深くなり十分にフォーカスをフォローでき難を逃れた。なお、「DUAL ISO」は、AUTO(自動で2つのベース感度を切り替え)/LOW/HIGHから選べる。個人的には、確実なベース感度を分かっておきたかったのでAUTOは使わずLOW/HIGHを切り替えて撮影した。

Dual ISOをHIGHにすればISO4000でもS/Nに余裕がある

なお、今回の現場ではフォーカスは全てマニュアルで撮影したが、AFの精度が気になっている方もいるだろう。実は実戦投入前に、自分の娘が公園で遊んでいる姿をAFのみで撮影してみた。結果として、GH5より追随性能は高くなった印象があった。ワブリ(焦点が行って帰ってくる)現象も少なく、時にデュアルピクセルMOSのような、滑らかにフォーカスが移行するのを確認できたので、場面によっては十分活かせる印象だ。

ただ、GH5の時のように、場面によってはなかなか焦点が合わないショットも散見された。このあたりはコントラストAFの限界なのかもしれない。実戦投入時も、モードや設定を変えてAFを試みたが、結局はMFで送るのが確実だった(※ただこれはあくまで試作機での個人的な印象であり、実際の製品では動作が違う可能性がある)。

CL現場立会いでの撮影途中のプレイバックは重要な作業だ。感動したのが再生時の操作性。GH4/5ではHDMI接続した状態で再生モードにすると、サムネイル一覧はなかなか表示されず、スクロールも重い。結果、再生までにCLを待たせることになりストレスだった。

ところがS1Hではエンジンに余裕があるのか、(GH4/5に比べ)即座にサムネイルが表示されスクロールも比較的スムーズですぐに再生することができた。前述したHDMI干渉無しのチルトフリーアングル構造とあいまって、もうこの2つの事実だけでS1Hが欲しくなった。

S1Hの操作性の良さで現場はスムーズに進行した

GHにくらべて消費電力は大きいと思ったが、純正バッテリーはG5のそれに比べ1/3ほど大きくなっており、1本あたりのスタミナはGH5とそれほど変わらない印象。1日のロケでも4本あればOK、5本あれば安心かもしれない。今回はスタジオ撮影でトータル10時間程度だったが、3本のバッテリーで回して十分であった(1本使用中に、空になった1本を充電)。

撮影中、頻繁に操作したジョイスティック、GH5ではソフトタイプだったが、S1Hはハードタイプになっており、好みが分かれるところ。操作するにつれ親指の腹が痛くなった。また押し方に多少コツが要り、誤操作しやすい印象。個人的にはGHのソフトタイプの方が指あたりがよく操作しやすかった。

総括

センサーがせっかくフルサイズでも動画の場合4K以上はクロップモード、というカメラは多い。S1Hも4K60や一部のアナモフィック、HFR等はスーパー35縛りはあるののも、6K24P、5.9K30P、4K30など、多くの解像度でフルフレーム収録できる。これぞ真のフルサイズ動画カメラである。

さらにフルサイズの一眼カメラで4K以上の10bit Logが内部収録できてしまうのは今の所唯一無二ではないだろうか?S1Hであればデュアルスロットで2枚のSDカードにバックアップ記録することも可能だ。

ただ6Kや5.9Kなどは、録画中のHDMI出力はできず、外部モニターに繋いでいる場合はブラックアウトしてしまう。今後、CL立会いのもとで6Kを撮影する場面が出てくるかもしれず、若干悩ましい部分だ。もっとも再生中はHDMI出力が可能なことを確認できたので、撮影後のプレイバックができる状況であればなんとかなる気もする。

個人的なことを言えば、6Kや5.9Kという高スペックより、フルサイズで三脚いらずの強力なボディ内手ブレ補正、バリアングル時にHDMI干渉せず、CLプレビューも快適、という事実のほうが、かなり響いている。

時にフルサイズでボケ味を十分に生かした撮影をしたいこともあれば、フォーカスがシビアでできる限り露出を絞りたい場面でDual ISOが武器になったりする。もちろん本来の使い方であれば、暗所撮影などの高感度が必要な場面でも威力を発揮するだろう。

ここ数年はコンパクトで便利なマイクロフォーサーズ一択、という狭いサークルの中にいた自分は「フルサイズ機で、6Kが撮れるカメラなんてすごいね」という印象だけで、実戦投入するまで、それ以上の魅力が見えていなかった部分はある。フルサイズ機は全体通して大型のシステムになるとは思うが、決してセンサーの大きさだけでは測れないS1Hの魅力があった。結局は現場で使ってみて、というのを痛感した。S1Hは隅々まで見ても、まったく出し惜しみを感じない。メーカーが渾身の力を込めて限界点まで引き上げ作り上げた、言わばスチルカメラの顔を装った最高のフルサイズシネマカメラである。

S1Hはスチルカメラの顔を装った立派なシネマカメラだ!

WRITER PROFILE

照山明 株式会社ガイプロモーション代表。企業VP制作や撮影業務に力を入れつつ、自社Facebookページでは不定期にコアな映像ネタを発信中。


[ Writer : 照山明 ]
[ DATE : 2019-09-18 ]
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東京・国分寺市に於いて録音スタジオ「マイクロサウンド」を運営し各種録音編集に携わる傍ら最近では各種イベント配信音声を担当。
林永子
映像制作会社勤務を経て、2002年よりMVライターとして独立。映像サロン『スナック永子』主催。日本初監督別MVストリーミングサイト『TOKYO VIDEO MAGAZINE VIS』の編集長。2016年初エッセイ集『女の解体』を上梓。
ViewingLab
未来の映像体験を考える有志の研究会。映画配給会社、映像作家、TV局員と会員は多岐に渡る
石川幸宏
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
山下香欧
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
岡田智博
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
萩原正喜
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
坪井昭久
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
しらいあきひこ
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
秋山謙一
映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
今間俊博
アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
金田浩樹
映画・テレビの映像制作を中心に、USTやニコ生等、ライブメディア各分野を横断して活動中。ジャンルや固定概念にとらわれない構成力と発想に定評あり。
伊藤裕美
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
UserReport
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

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