txt:土持幸三 構成:編集部

鹿屋市立鹿屋女子高校での映像ハウツー授業

映像制作を希望した6人の生徒が参加

筆者の出身地である鹿児島県には薩摩半島と大隅半島があり、今回大隅半島の中心といえる鹿屋市にある鹿屋市立鹿屋女子高校へ映像授業の講師として伺った。

昨年から地元をアピールする動画を作成しているとのことで、映像制作クラスを選んだ6人の生徒が2グループに別れ、それぞれ3分未満の作品を12月までに仕上げるとのこと。もう既に数回の授業を受け、絵コンテを作成しているという状態とのことだったが、いつものように映像の基本、引き画と寄り画の情報の質の違い、印象の違いを説明し、ロングショットなどの引きからクロースアップなど寄りの画角を見てもらい大勢から一人の人物を撮影する際の参考にしてもらった。

その後、2グループにそれぞれの絵コンテを説明してもらった。物語を入れて鹿屋市や大隅をアピールするものと、きれいな風景などをテレビ番組風に紹介するものなど、ある程度、彼女達の中でのイメージはできている事は理解できたのだが、残念ながら、鹿屋市ならではのもの、大隅のスペシャルなものが無く、このままだと「鹿屋」「大隅」の部分を他の土地に置き換えても同じではないか?と彼女達に問いかけた。

「これが日本一なんです」というのは無くても普段の生活から、「あっ、この風景いいな」「この人、凄い人だな」と感じたことを物語なり紹介番組なりに入れていく事はできないか?それを高校生の目から見た、感じたものから発見できないかと話した。本当はこの辺りをもっと議論して新たに絵コンテを作成して欲しかったが、時間の関係で機材の使用方法を説明することにした。

筆者が住む東京都から離れていることと、学校の機材では彼女達のやりたいことが充分にできない可能性があったのでビデオカメラと三脚、編集用のノートPCを貸し出すことにした。これらを使用する説明は受講者が高校生だからといって変わることなく、まずは三脚を使ってできることを確認してもらい、使用した場合、映像が安定して見やすい事を体感してもらった。ジンバルやドローンなど、動きのある映像は目につきやすく身近になってきているが、まずは三脚を使って画角の基本を学んで欲しいと思う。

いざ三脚を使って撮影

次に、編集ソフトを使ってもらうために簡単な素材を撮影してもらった。リハーサルと本番の声のかけ方以外は説明せず、一人の生徒が簡単な自己紹介をするものを引き画と寄り画で撮影してもらった。撮影が始まると出演者を歩かせ、定位置に立って自己紹介を始める設定にしただけでも、歩き出しと立ち止まった位置で画角が変わり顔が写らなかったりと問題が発生したが、これらはトラアルアンドエラーで覚えてもらった方がよいと思う。

マイクはちゃんと口に向けるように

編集ソフトはEDIUS Neo 3を使用したが、ほとんど説明せずとも問題なく生徒達は編集ソフトになじめていた。ただ、以前、大学生の編集作業を見て驚いたのは、オリジナルの撮影素材そのものを編集していた事で、もしコンピューターやソフトの不具合等でファイルが壊れた場合、オリジナルが無くなってしまう危険があるのでキチンとオリジナルをコピーしたもので編集してもらった。やはり編集作業は楽しいようで何度も歓声が上がった。編集作業を経験したことがある方ならわかると思うが、引き画と寄り画がうまく切り替わった時は感動するのだ。今回、撮影と編集を経験した彼女達がそれをふまえて新しい視点で新たな絵コンテを作成することを望みたい。

筆者が10年間、映像制作授業を行っている川崎市の小学校の授業も今月から本格的に始まる。大都市圏でなくても映像制作を通じて想像力を養う、地域・地元に目を向けるなど、様々な形で映像制作のすそ野が広がっていると感じる。今回の鹿屋女子高校の取り組みが素晴らしいものになるよう期待したい。

WRITER PROFILE

土持幸三

鹿児島県出身。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。