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[DaVinci Resolveで始めるカラーグレーディング]Vol.18 正確なホワイトバランスを取る

2020-03-10 掲載

txt:小島真也 構成:編集部

白を白く写すホワイトバランスを理解しよう

先日、本コラムを振り返ってみたところ、しっかりと項目を立てて「ホワイトバランス」を取り上げていなかったことに気付き愕然とした…。

必要な時には適時使い方は示して来たが、筋道を立てて解説はしていなかった。そんなわけで、本当に今更ではあるが、“正確な”ホワイトバランスについて解説したい。

ここでの正確なホワイトバランスとは、シャドーからハイライトまでの全域にわたって“色被り”や“色のねじれ”がないニュートラルなカラーの状態を言う。こちらが今回のサンプル。

図01-01
※本記事の理解を深めるため、記事中に使用したデータをこちらからダウンロードしてご活用ください

ノーマライズについて

カラーグレーディングにおいて「ノーマライズ」という言葉を聞いたことがあるだろう。グレーディングの出発点であるノーマライズが適切でないと以降のグレーディングによるカラー演出が破綻したり偏ったりして、コンテンツ全体のカラーの一貫性を保てなくなる。

具体的には以下の3点を調整して「基準となる正しいカラー」を確定することをノーマライズという。そしてノーマライズする時の作業も下記順序が良いだろう。

  1. ホワイトバランスを整える−色温度だけでなく、床面や木陰などの“色被り”も取り除く
  2. 明るさのコントラストを拡張する−黒つぶれや白飛びに注意
  3. 適度な彩度(色の鮮やかさ)に整える

広告の商品パッケージや化粧品などでは正確なカラーを要求されるので、グレーディング時のノーマライズも必須だが、撮影時から正しいカラーに気を配ることも重要だ。

カラーチェッカーによる正確なホワイトバランス

(01)カラーグレーディングをするうえで欠かせないのが、撮影時に写し込んで「カラーチェッカー」だ。

図03-01

(02)このカラーチェッカーには、基準色や肌色の他に大きめの白・黒・グレー3種類のグレースケールターゲットが含まれている。これを活用することでハイライト部からシャドー部まで正確なホワイトバランスを取ることができる。

ホワイトバランスの調整を始める前に2つの準備をする。画面右下のパネルをスコープ パネルに切り替えて、パレードスコープを表示させる(パネルを分離しての拡大表示も可)。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_04.jpg 図03-02
※画像をクリックすると拡大します

(03)そして、ビューアの画像上でポインターを右クリックしてコンテキストメニューから「ピッカーのRGB値を表示」にしておく。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_0v.jpg 図03-03
※画像をクリックすると拡大します

(04)それでは、DaVinci Resolveに実装されている「ホワイトバランス ツール」(以下:ホワイトバランス)を使った通常の方法を見て行こう。

画面左下のカラーホイール パネルにある「ホワイトバランス アイコン」をクリックすると、ポインターがホワイトバランス形のピッカーに変わる。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_06.jpg 図03-04
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(05)このピッカーをビューアの画像中央に写っているカラーチェッカーの「グレーターゲット」上に持って行く。するとピッカー横にRGB値が表示され、R(レッド成分)が最も高く、B(ブルー成分)が低いことがわかる。パレードスコープでも同様にR波形が高く、B波形が低いことがわかる。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_07.jpg 図03-05
※画像をクリックすると拡大します

(06)そのままグレーターゲット上でクリックすると、赤味がかっていたグレーが瞬時に「ニュートラルグレー」になり、中間調(グレー)のホワイトバランスが取れたことがわかる。ピッカー横のRGB値も全て114となり、パレードスコープのRGB波形もほぼ横並びになった。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_08.jpg 図03-06
※画像をクリックすると拡大します

ハイライト部とシャドー部も確認してみる

ここまでの操作で中間調のホワイトバランスは取れているのだが、ハイライト部とシャドー部は同時に調整できているのだろうか?パレードスコープを見ると全体的に波形はそろっているように見えるのだが、実際はどうなのだろう?検証のため、画像全体から一時的にカラーチェッカーだけをクロップ(四角く切り抜く)して、確認してみることにする。

(01)画面中央下のパネルを「サイズ調整パネル」に切り替え、さらにパネル右上のプルダウンメニューから「編集サイズ調整」を選ぶと「クロップツール」(以下、クロップ)が表示される。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_09.jpg 図04-01
※画像をクリックすると拡大します

(02)そして、左・右・上・下の各クロップを右にスライドして、カラーチェッカーの白黒グレーターゲットを囲むように切り抜く。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_10.jpg 図04-02
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(03)この時、パレードスコープはどう変わっただろうか?

グレーターゲットの中間調は、きれいに横一直線に並んでいるが、白ターゲットのハイライト部はR:レッドが下がっており、黒ターゲットのシャドー部はほんの少しB:ブルーが下がっている。色味的にはハイライト部はややシアンに、シャドウ部は若干イエローに寄っている。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_11.jpg 図04-03
※画像をクリックすると拡大します

(04)プライマリーバーを使って補正する

ハイライト部とシャドー部のホワイトバランスが若干だが崩れていることがわかったので補正する。今回はいつものプライマリーホイールではなく、「プライマリーバー」を使ってカラー調整する。

そもそもパレードスコープはRGBの各成分を個別に表示する波形スコープの一種だ。RGB成分の境界が曖昧なプライマリーホイールよりも、パレードスコープのようにRGBが独立しているプライマリーバーには、RGBの各成分を個別に調整できるという利点がある。

画面左下のカラーホイールパネルをプライマリーバーに切り替える。最初にリフトのBをほんの少し上げて、シャドウ部のRGBが横一直線になるようにそろえる。次にゲインのRを上げて、ハイライト部のRGBの高さをそろえる。するとリフトのRも引っ張られて上がってしまうので、わずかに下げて、シャドウ部のRGBをそろえ直す。リフトとゲインのRとBを調整したことで、相対的にガンマのGもわずかに下に動いてしまったので、ガンマのGをほんの少し上げる。

これでパレードスコープ上のハイライト部、中間調、シャドー部のRGBはきれいにそろった。プライマリーバーのリフト、ガンマ、ゲインの各RGB値も、ほんのわずかしか動いていないことがわかるだろう。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_12.jpg 図04-05
※画像をクリックすると拡大します

(05)最後に画像全体のホワイトバランスを確認するため、編集サイズ調整のクロップをリセット(各数値を0.000の初期値に)する。ノードの番号をクリックする、またはCommand(Ctrl)+Dキーで、ホワイトバランスの処理前/処理後を比べられる。ホワイトバランスは調整できたので、後はコントラストの拡張、必要ならば彩度の微調整をする。これでノーマライズは完了した。

https://www.pronews.jp/pronewscore/wp-content/uploads/2020/03/dr-18_13.jpg 図04-06
※画像をクリックすると拡大します

WRITER PROFILE

小島真也 Blackmagic Design認定トレーナー、写真家、撮影監督。赤坂スタジオを経て、篠山紀信氏に師事。1990年に独立後は雑誌、広告界にて人物、ドキュメンタリーを中心に写真家活動。動画へのきっかけはFinal Cut Studio 5.1を導入し映像編集を始めたこと。商業映画や自主映画では撮影監督として撮影・照明・カラーグレーディングを担当し、TVドラマでは撮影部として参加。


[ Writer : 小島真也 ]
[ DATE : 2020-03-10 ]
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WRITER PROFILE

小島真也 Blackmagic Design認定トレーナー、写真家、撮影監督。赤坂スタジオを経て、篠山紀信氏に師事。1990年に独立後は雑誌、広告界にて人物、ドキュメンタリーを中心に写真家活動。動画へのきっかけはFinal Cut Studio 5.1を導入し映像編集を始めたこと。商業映画や自主映画では撮影監督として撮影・照明・カラーグレーディングを担当し、TVドラマでは撮影部として参加。


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