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[ライブ配信手帖]Vol.26 全演者がリモート出演!?Zoomで実現するコロナ時代のライブ配信

#ライブ配信手帖

2020-04-13 掲載

txt:ノダタケオ 構成:編集部

テレビやラジオの現場で広がる「ソーシャルディスタンス」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防および拡散防止のひとつに、人と人の距離をとることで感染拡大を防ぐ「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」という言葉が広く知られるようになりました。

少し前から多くの企業がテレワークという働き方のスタイルを取り入れ、同じ場所(オフィス)へ人が集まることを避ける取り組みが続いています。そして、テレビやラジオの世界においても、この1~2週間ほどの間で一気にソーシャルディスタンスを意識した取り組みがはじまっています。

テレビを見たりラジオを聴いていると、スタジオで演者の人たちが並んで立つ(座る)間隔を大きくとったり、必要最低限の演者以外はビデオ会議システムを活用したリモート出演の形をとる番組を多くみかけるようになりました。

テレビやラジオだけでなくライブ配信の現場でも

それは、毎週月曜日の夜にツイキャスをはじめ、複数のプラットフォームからライブ配信をしている私たちの番組(ライブメディア情報番組「UstToday」)でも、テレビやラジオとの世界と同じようにソーシャルディスタンスを意識せざるを得ない状況になりました。

いつもは、ある場所の一室をスタジオ的に利用し、そこへメンバー(演者)がリアルに集まり、今週あったライブ配信やITガジェットなどのトークを展開したり。しかし、この直近では私たちはリアルに集まるのではなく、演者すべてがネット越しに集まるリモート出演の形へ変わってきました。

もともと、普段からコミュニケーションツール「LINE」のビデオ通話機能を使い、ゲスト(1人)をリモートでお招きして、スタジオにいる演者の数人がインタビューする…ということも、これまで私たちの10年(約520回)ほどの配信の歴史には何回も実績があります。

だから、テレビやラジオの番組で最近よく目(耳)にするようになった「演者の一人とリモートでつなぎ、番組を進行する」ようなことや「ゲストとリモートでつなぎインタビューする」ことは、私たちにとっては特別ではありません。

でも、「演者やゲストと(高価で専門の機器やサービスではなく、一般の人でも身近に使えるサービスを用いて)リモートでつなぐ」ということは、“そう簡単なものではない”ことはわかります。

特に、テレビやラジオの世界では、番組進行中のネット越しにつないだ相手とのコネクションの維持や、映像音声の品質をできるだけ保つにはどうしたら良いか?を一生懸命模索しているところ、と感じています。

さらに言えば、演者もゲストもすべての人がひとつのスタジオへ集まっていた時と比べ、演者やゲストがリモートとなったときの機材セッティングや番組そのものの進行の工夫も必要となり、それは本当に大変なものです。

Zoomミーティングから直接ライブ配信できる

いま、ライブ配信の現場でも(テレビやラジオの現場と同じように)リアルに演者とスタッフがひとつの場所に集まることができない状況が起きています。そして、それはいったいいつまで続くのか?もまったく先行き不透明な状態。

そんななか、さまざまなコミュニケーションツールやビデオ会議システムの活用に注目が集まっていますが、個人的には、やはりZoomミーティング(以下:Zoom)を特に注目をしています。

なぜかというと、いま、テレビやラジオの現場で試みられている(リモートでつながりあう)ようなカタチを、一般の人たちも「やってみたい!」「取り入れたい」と考えている人たちが多いように感じます。と、同時に「でもそれはどうしたら良いか?(特に機材面)」と困っている人もいるかもしれません。

従来、演者やゲストがリモートで登場する場合には、SkypeやLINEなどでつなぎ、その映像出力をビデオスイッチャーへ取り込むための機材準備。そして、スタジオ側の映像と音声をその相手に返す、などの準備(手間)が大きな負担です。プロの人たちもなにかと一苦労なのに、それを一般の人たちも実現するのはなかなか難しいところ。

なのですが、Zoomは「有料プラン(Proプランなど)にすることによって、Zoomミーティングをライブ配信をすることが可能」です。

つまり、演者やゲスト(さらにはスタッフ?)すべてがZoomの会議ルームへ集まり、パソコンやスマートフォンからリモートで参加して会話をすることさえできるなら、あとはZoomが「YouTube」「Facebook」のほか、Periscopeなどのプラットフォームへライブ配信をしてくれます。

もちろん、Zoomからプラットフォームへライブ配信をするための設定手順に慣れる必要がありますが、機材をセッティングして、ケーブルをつないで、さらにスタジオからの映像音声をZoomへ返す、などなどテクニカルなことを必要としません。

この、Zoomの有料プランを活用し「Zoomミーティングをライブ配信をする」形は、いま「Zoomを使ってライブ配信をしたい!」と考える(これまでライブ配信に慣れていない)人でも、比較的容易に実現が可能です。きっと、この仕組みを活用する人がますます増えてくると感じています。

複数プラットフォームで同時配信したいならRestreamを併用

ただ、私たち「UstToday」のように、ひとつのプラットフォームだけでなく、複数のプラットフォームで同時にライブ配信を行っているところは少なくありません。最近ではYouTube Liveでライブ配信しながらFacebook Liveでも… Periscopeでも… という現場も多く、多くの人に視聴してもらうために2つ以上のプラットフォームで配信したいというニーズは当たり前のものとなりつつあります。

しかし、残念ながら、Zoomの有料プランでライブ配信できるのはひとつのプラットフォーム。そこで登場するのが、複数のプラットフォームへ同時にライブ配信をすることが可能なクラウドのサービス「Restream.io」の併用です。

Restreamは対応しているライブ配信プラットフォーム(YouTubeやPeriscope、Twitchなど)であれば無料アカウントでも複数のプラットフォームへ同時にライブ配信をすることができます。

まず、Zoomでは「カスタムライブストリーム配信サービス」でのライブ配信を選択。そこに、RestreamのRTMPサーバーとストリームキーを設定します。そして、Restreamでそれぞれ配信したいプラットフォームを選びます。

もし(私たちのように)ツイキャスやFacebook Liveへライブ配信をしたいのであれば、Professionalプラン(49USD/月)を契約することで3つまで拡張をすることが可能です。

結果的に、私たちUstTodayは現在、ZoomのProプラン(2,000円/月)とRestreamのProfessionalプラン(49USD・約5,600円/月)を組み合わせることによって、YouTube Live・Periscope・Twitch・ツイキャス・Facebook Live、5つの同時ライブ配信を実現することができています。

ZoomとRestreamの有料プラン両方を使うと「合計は約7,600円/月」と決して安いものではありませんが、リモートで演者やゲストをつなげるために機材コストや毎回のセッティング手間(×月4回)を考えれば、手間とコストを軽減するその分の価値はあると(今のところは)感じています。特に、機材のセッティングと撤収を毎週考えなくても良いという精神的な負担の軽減が大きかったのです。

リモートで完結できることより、無機材でライブ配信をできることに大感動

正直なところ、Zoomの「ミーティングのライブストリーム配信を許可」機能を使ったライブ配信は、Wirecastなどの外部配信ツールでのライブ配信と比べると、画質音質は決して良いものではありません。

でも、「Zoomの会議ルームへ参加して会話をすること」さえできれば、こうしたビデオ会議システムとライブ配信の機材との組み合わせを考えたり、セッティングしたり、機材撤収をする手間がまったくありません。こうした精神的な負担を軽減することができることにとても意義があり、これからZoomを使ったライブ配信をしてみたい人が、最初にできるファーストステップとして活用できると思うのです。

そして、これからライブ配信はNDIをはじめとした機材たちが全てネットワークでつながる時代へ流れようとしています。さらに、5Gによって遠隔で映像と音声が伝送され、結果的に、スタジオなどのひとつの場所に演者やスタッフが一堂に集まらなくてもよくなるような未来がやってくるはず。

ライブ配信の意義が改めて見直されているいま、これらすべてのことがクラウドやネットワークで実現される一歩手前の、これまでのライブ配信とは一味違う、新しいひとつのカタチ、でもあると思うのです。


WRITER PROFILE

ノダタケオ ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。


[ Writer : ノダタケオ ]
[ DATE : 2020-04-13 ]
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