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[ライブ配信手帖]Vol.28 SDI対応ビデオスイッチャーがより手軽に入手できる時代がやってきた!

#ライブ配信手帖

2020-07-13 掲載

txt:ノダタケオ 構成:編集部

「多彩な入出力」と「価格」が魅力のVS0601

2020年7月15日に、エーディテクノが国内での独占販売契約を締結している、香港と中国に拠点を構えた映像システム機器設計・開発・製造メーカーMATRIX ELECTRONIC TECHNOLOGY社(AVMATRIX)のAVMATRIXポータブルマルチビデオスイッチャー「VS0601」「PVS0613」2機種が発売となります。

今回発売される2機種のうちVS0601はInterBEE 2019のエーディテクノブースで参考出品されており、関心を寄せた人が私のまわりに多かったように感じますし、私自身もその一人でした。

PRONEWSでも既に報じられていますが、VS0601とPVS0613は4つのSDI端子と2つのHDMI端子の映像入力を備えており、SDIとHDMIどちらでも入力することができます。

一方、映像出力はプログラム出力としてSDI端子2つとHDMI端子1つ、また、プログラムかプレビューを選択できるSDI端子のAUX出力を備えています。AUX出力にプログラムを割り当てれば、最大4つのプログラムを3つのSDI端子と1つのHDMI端子のそれぞれから出力することが可能です。

さらに、マルチビュー出力はSDI端子とHDMI端子でひとつずつ。SDIのプロ向けディスプレイでも、普段パソコンへつなげて利用するHDMIディスプレイのどちらでも、マルチビューディスプレイとして活用できます。

音声入力はRCA端子とステレオミニジャックを備えています。そして、これら2つの音声入力、SDI4つとHDMI2つの(エンベデッドされた)音声のうちから、2チャンネルまでの音声を合成するミキサー機能を搭載。

一方、音声出力もRCA端子とステレオミニジャックをそれぞれ備えていて、音声が適切に入力されているかどうかをヘッドフォンで確認したり、別途スピーカーへ音声を出力するとか、オーディオレコーダーへ音声のみを録音したいなどの用途にも活用ができそうです。

SDIへ移行するための「セカンドスイッチャー」としての選択肢も

VS0601の市場想定価格は税別99,900円(希望小売価格はオープン)。これまでHDMIだけでなく、SDIの映像入出力が可能となるビデオスイッチャーは10万円を超える価格帯のものがほとんどでした。企業だけでなく、個人でも頑張れば手が届くVS0601は映像の入出力が多彩であるとともに、税別とはいえ10万円を下回るこの価格帯は大きな魅力のひとつともいえます。

カメラやゲーム機器などの複数の映像をパソコンへ入力して一台でライブ配信をしていた個人が、負荷によるマシントラブルの心配を避けるためにもこうしたビデオスイッチャーを導入することで負荷を分散し、より安定・安心できるライブ配信環境を整えるために「初めて持つビデオスイッチャー」として選ぶのも良いでしょう。

ただ個人的には、これまで(4入力ほどの)HDMIのビデオスイッチャーを武器に数多くのライブ配信の現場をこなしてきた企業や個人(フリーランス)の人たちが、「SDIをベースとした機材構成へ少しずつシフトしていくためのビデオスイッチャー」として選ぶほうがVS0601との親和性が最も高いのではないか、と感じています。

いまSDIからHDMIへ、HDMIからSDIへの変換ができ、信頼性のあるコンバーターが揃っていることから、正直なところ、HDMIがベースとなるビデオスイッチャーであっても特段不自由はないのかもしれません。

ただ、その(SDIからHDMIへ、HDMIからSDIへの変換する)ために持たなければならないアイテムの数は結果的に増えてしまいますし、ビデオスイッチャーとカメラなどの映像機器の間にこうしたコンバーターが入ることによって生じかねないトラブルも決してゼロではありません。

できることならSDIはSDIで、HDMIはHDMIで、コンバーターを通さずダイレクトで扱える環境を整えたいと考える人も少なくないと思うのです。

こうした、HDMIベースからSDIベースとした機材構成へシフトしていくための第一歩として、「SDIもHDMIも入力することができる(できれば安価な)セカンドビデオスイッチャー」を探していた人たちにもVS0601がひとつの選択肢となると感じています。

「初めてのビデオスイッチャー」の選択肢がさらに増えることへ期待

VS0601(とPVS0613)は「マルチ入力対応スケーラー」や「PinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能とFTB(フェード・トゥ・ブラック)機能」を搭載し、「多彩なエフェクト(ワイプ/フェード/ミックス)とトランジション(オート/カット/Tバー)」を備えています。

その一方で、エントリーモデルのビデオスイッチャーであることから、ダウンストリームキー(DSK)を利用することができなかったり、PinPの大きさは「small」「medium」「large」の3種類(位置は自由に動かせる)に限られるなど、ビデオスイッチャーとしての表現力にある程度の制約が若干あります。

ただ、こうした制約はあるものの、HDMIだけではなくSDIも扱うことができる税別で10万円以下のビデオスイッチャーは日本ではまだ多くありません。

いま、HDMIがベースとなったビデオスイッチャーは10万円を下回る製品が増えてきていますが、これまで「高価」なイメージでしかなかったSDIを備えるビデオスイッチャーも、10万円を下回る製品が生まれ、個人でも触れることができるチャンスが増えていくことはとても大きな意義があると思うのです。

さらに言えば、こうした低価格帯の製品が登場してくることによって、日本ですでに展開をしているメーカーからも、低価格帯の製品たちに負けない、新しい付加価値が備わったビデオスイッチャーが生まれていくことにも期待したいのです。


WRITER PROFILE

ノダタケオ ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。


[ Writer : ノダタケオ ]
[ DATE : 2020-07-13 ]
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