SanDisk Professionalはプロの現場に対してどんなソリューションを提供できるのか?今回、TBSで長い歴史を誇る人気番組「世界遺産」のチーフディレクターであるTBSスパークルの江夏治樹氏に取材を行った。

世界遺産のディレクターとしてのキャリアは11年となる江夏さん。コロナ禍以前は世界中を文字通り飛び回り撮影を行っていたが、現在は自ら出かけるロケは国内に限られ、海外ロケに関しては自宅でリサーチした内容を元に、リモートワークで現地のコーディネーターやカメラマンに指示を出して撮影を行なっている。そしてSSDなどで届いた編集素材で自宅でオフライン編集を行い、本編集やカラー、テロップ入れは別スタジオで行い、番組を仕上げているそうだ(取材時2021年10月末時点)。

今回江夏さんに試してもらったアイテムはSanDisk Professionalの「G-DRIVE ArmorLock SSD」。G-DRIVE ArmorLock SSDはUSB 3.2Gen2接続のポータブルSSDで、読み書き最大1000MB/秒の転送速度を持つ。そして最大3mからの落下保護、1000ポンド(約450kg)の衝撃耐性、IP67の防塵・防水性を備えている。さらにスマートフォンを使ってパスワード無しでの施錠・解錠が遠隔でき、そのアクセス権も管理できる画期的なSSDだ。

TBSスパークル 江夏治樹氏

世界中のあちこちでのロケ経験を持つ江夏さんにこのG-DRIVE ArmorLock SSDはどう映ったのだろうか?今後海外ロケが再開することをイメージしながら、その可能性について伺ってみた。

G-DRIVE ArmorLock SSDはスマホでロック

世界遺産のロケは通常Canon C300やC200などの4Kシネマカメラを中心に、時折Canon R5での8K RAW撮影。そこに加えてドローンでの空中・水中撮影を行っている。その美しく撮られた長めのカットを編集でカットとオーバーラップでつなぎ、物語を紡いでいくスタイルが世界遺産という番組のレガシーとなっている。

番組で使用されるワンカットの尺は長い時で50秒、短い時でも最低15秒ということでじっくりと丁寧に撮影される。そして番組1本のロケがおよそ10日間前後。単純計算でも撮影素材はかなりの容量になる。バックアップは宿に戻ってSanDiskのSSDなど信頼性の高いメディアに複数に分けて取っておき、それを日本に持ち帰る流れとなる。

秘境のような場所でロケを行うことが多い世界遺産では撮影期間中は登山さながら、ベースキャンプを作り、その中に組み立てたテントで寝泊まり、撮影データのバックアップを行ったりしているそうで、ホテルのような良い環境で寝泊まりすることは逆に稀だそうだ。昔はハードディスクへのコピーだったことに比べるとSSDのおかげでバックアップが高速化し、少しでも休む時間がとれるようになったという。ただ、問題となるのはそのバックアップされたデータの保全である。

アンデス山脈にある標高5260mのサンガイ山
山頂アタックのベースキャンプまでラバで荷上げする様子
機材の運搬だけでも過酷さがわかる
山頂アタックのベースキャンプ(標高3600m)。普段の海外ロケではこういう場所でデータのバックアップを行っている

写真を見ればわかる通り、過酷な環境で撮影されたデータだからこそ、撮影データの保全は完璧でないといけない。防塵・防水はマスト。しかも、治安が悪い国ではデータが入ったメディアが他の荷物と一緒に盗難にあう恐れもあるという。ダブルバックアップを取っていたとしても、撮影データは財産。それが他に流出するのを防ぐのにも、このG-DRIVE ArmorLock SSDであればもし紛失や盗難にあった際もスマートフォンでロックを解除しない限り、誰もそのデータにアクセス出来ないので、そういう事態になっても安心できると江夏さんは語る。

    
ロック解除できるメンバーも設定できる
※画像をクリックして拡大

世界遺産での編集作業のワークフローとして現場で撮ってきた素材(4K)をデジタイズ(中間コーデックに変換)。Avid DNxHRに変換し、4TB程度の大容量のハードディスクを複数挿せるUSB3.0のクレードルに入れてHDDをテープ素材のようにしてオフライン編集→本編集を行っている。内容にもよるが、デジタイズした素材は4TBのHDDで2~3本(12TB程度)となるらしい。

今回G-DRIVE ArmorLock SSDを自宅でのオフライン編集で江夏さんに実際に使用してもらい、編集ストレージとしての体感を語ってもらった。その第一声は「圧倒的に速い」であった。通常のHDDで作業するとカクつくが、そういったストレスが皆無。レンダリングが必要になる部分も不要で、同じPCの性能でも使用するストレージが違うだけでかくも作業ストレスが軽減するものなのか、と少し興奮冷めやらぬ感じで江夏さんは語った。

昔は2K(HD)で済んだものが今は4Kが当たり前となり、最近では8K撮影も行うことが増えてきたということで「4Kで編集しているから仕方がない」と諦めていたが、このG-DRIVE ArmorLock SSDを使うことで編集時間の短縮化ができ、次の企画など他のクリエイティブ作業に時間を費やせるだろう、と江夏さんは語る。「時は金なり」である。

実際ストレージの速度を計測してみたところ、普段使用されているHDD(シングル運用)が読み書き100MB/秒に対しG-DRIVE ArmorLock SSDはスペック通り1000MB/秒を超え、数値としても10倍の速度が出ていた。

ついで、と言ってはなんだが江夏さんに撮影素材をデジタイズしない「ネイティブ」な状態で編集作業テストを行ってもらった。扱うものがCinema DNGになるとさすがに重くはなるがそのほかのコーデックの編集作業は体感として快適そのものだった、と驚いた様子で語っていた。

これであれば撮影素材のバックアップや正副のデータコピーの高速化に加え、デジタイズの作業時間が減り、かつ中間コーデックを使用しないことで編集データ・撮影アーカイブの容量のコンパクト化が計れる。「早速上司にG-DRIVE ArmorLock SSDの経費購入を申請しましたよ」と笑顔の江夏さん。現在G-DRIVE ArmorLock SSDのラインナップが最大容量が4TBだが、 大容量の8TBや12TBのSSDの登場もこれから期待したい、と語ってくれた。

「現場のデータのバックアップはG-DRIVE ArmorLock SSD」というニューノーマルがこれからやってくるかもしれない。

WRITER PROFILE

鈴木佑介

日本大学芸術学部 映画学科"演技"コース卒のおしゃべり得意な映像作家。専門分野は「人を描く」事。広告の仕事がメイン。セミナー講師・映像コンサルタントとしても活動中。