光の祭典「TOKYO LIGHTS(トウキョウライツ)」開催

12月9日~12日、東京・明治神宮外苑 聖徳記念絵画館および総合球技場軟式球場で、国際都市・東京に新たな光を灯し、エンターテインメントやアートを通して世界中に希望を届ける"光の祭典" 「TOKYO LIGHTS(トウキョウライツ)」が開催された。

そのメインコンテンツとして、第9回プロジェクションマッピングの国際大会「1minute Projection Mapping in TOKYO」が開催された。

TOKYO LIGHTSは、東京都主催による光の祭典として、光に関わるエンターテインメントを集めた一大イベントとして、今年から企画された。東京オリンピックの後の、またコロナ禍で失われたインバウンド需要を再び喚起することを目的に企画されたものだ。

当初は無観客開催の話もあったようだが、新型コロナの感染状況も収まってきたことを受けて、無料ではあるが事前のチケット予約による入場制限付きで開催された。

8日のプレス公開日はあいにくの荒天で風雨が激しい悪天候だったが、9日以降の本開催中4日間は晴天に恵まれ、この時期としては冷え込みも厳しくない良コンディションの中で行われた。初日のメディア報道や、SNSでの拡散もあって最終来場者は4日間で約4万人程度がプロジェクションマッピングを目にしたようだ。

2012年から神奈川県逗子市から始まり、その後毎年、日本各地で開催されてきたプロジェクションマッピングの国際大会「1minute Projection Mapping Competition」は、アジア最大級のプロジェクションマッピング国際大会として今や世界に知られる存在となっている。

一般財団法人プロジェクションマッピング協会(代表理事:石多未知行)が運営母体となり一貫して企画・制作・運営を進めてきた。昨年はコロナ禍で開催できなかったが、今年は初の東京開催となり、TOKYO LIGHTSでのメインコンテンツとして、上映する被写体を明治神宮外苑 聖徳記念絵画館に決定。世界54の国と地域から246作品の応募があり、過去最高のエントリー数となった。

この世界中から応募された1分台(1分~1分59秒)の作品から厳正な一次審査で選ばれたファイナリスト上位19組が選出。TOKYO LIGHTS開催期間中の4日間、聖徳記念絵画館で投影して一般公開され、最終日に厳正な審査により、グランプリ等を決定・表彰した。

さらに今回はオープニング特別映像も用意され、参加者全員にアナグリフ3Dメガネが配布、第2回の本大会優勝者で、今や世界で活躍するオーディオビジュアルユニット、FLIGHTGRAF(フライトグラフ)が制作した立体感のある作品も上映された。

さらに世界の一流アーティストによる招待作品2作も上映され、質の高いプロジェクションマッピング作品、計22作品を一挙に鑑賞できる機会となった。また今回はオンライン上でも作品が公開され「オーディエンス賞」の投票も実施された。

今年グランプリに選ばれたのは、19作品の最後に上映されたTHE FOX, THE FOLKSの「THROUGH THE NIGHT」(インドネシア)。本作は同時にオーディエンス賞も獲得しダブル受賞となった。大会総合プロデューサーでもあるPMAJ石多氏は「グランプリとオーディエンス賞に同じ作品が選ばれることは極めて稀で、今回は審査員の印象と一般観客が受けた感想が一致した、珍しい大会」と評した。

各受賞作品

グランプリ/オーディエンス賞
「THROUGH THE NIGHT」THE FOX, THE FOLKS(インドネシア)

準グランプリ(TOKYO LIGHTS賞)
「ALEGRIA」Romera Diseño e infografia SL(スペイン)

審査員特別賞
「Arco Iris」Felix Frank(ドイツ)

Tokyo Tokyo賞「ジダイノテ Hands of New Age」01iMAGE / Noguchi Kazunobu(日本)

今年の審査員は次の通り。海外の審査員は全てオンラインでの参加となった。

  • 石多 未知行(プロジェクションマッピング協会代表/総合プロデューサー)
  • 南條 史生(キュレーター/森美術館特別顧問)
  • 真鍋 大度( Rhizomatiks/ アーティスト/ プログラマ / DJ)
  • 本広 克行(映画監督/演出家)
  • 冨吉 剣人・生水 真人/FLIGHTGRAF(オーディオビジュアルユニット/アーティスト)
  • Bart Kresa(アメリカ/BARTKRESA studio、マスタープロジェクションデザイナー)
  • Hendrik Wendler(ドイツ/GENIUS LOCI WEIMAR マネージングディレクター)
  • Joanie Lemercier(フランス/ヴィジュアルアーティスト)
  • Julia Shamsheieva(ウクライナ/3D・モーションデザイナー)

BARCO社製大型プロジェクター計14台配置!日本最大規模のマッピングショー

今回の東京大会には、過去最大級となる機材も設置された。BARCO社製の37,500センタールーメンの4Kプロジェクター、UDX-4K40をはじめとする大型プロジェクターを後方センターに上下4台、前方左右から4台ずつ、そして左右の横から1台ずつの計14台で構成された。

デュアル投写で上映することで輝度を稼ぎ、かつクリアな映像を映し出す。さらに各々のプロジェクターからの画像を接合するためのメディアサーバーとアプリケーションを、disguise社のクリエイティブプラットフォームを使ってコントロールされた。

今回はさらに「OmniCal」というプロジェクターキャリブレーションシステムを使用して、8台のカメラで聖徳記念絵画館を実撮影して、その撮影データとマッピング作品のデータを同社のDesignerソフトウェアを使って、キャリブレーションのワークフローに沿って行われた。さらに今回はこのワークフローの後、さらに微調整して追い込んだ、という世界標準のプロジェクションマッピング技術が投入されている。

公共施設等におけるここまで大規模なマッピングショーは、2012年の東京駅のマッピングショーが有名だが、こうした大掛かりなマッピングショーは東京などの大都市圏ではやりにくい。その中で、都会の中でも喧騒を避けられる神宮外苑という立地と、東京駅の時とはプロジェクター性能もマッピングソフトウエアの技術仕様も大きく進化・拡張していることから、まさに最先端のプロジェクションマッピングショーが堪能できた。

東京の新たな冬の風物詩となるか?光のエンターテインメント、TOKYO LIGHTS

今回は、上記プロジェクションマッピングショーに加えて、今夏の東京パラリンピックの閉会式でクリティティブディレクターとして演出チームに参加した、潤間大仁(ウルマヒロヨシ)氏が手掛けた、様々な光のエンターテインメントも行われた。

外苑前のイチョウ並木にある総合入口から、約100mの没入型レーザートンネル<MIRAI SANDO>は、人体に害のないファイバービームとレーザー光線の3D体験に、サウンド効果を組み合わせた光のトンネルに始まり、その奥では、リアルパフォーマンス×最先端レーザー技術を融合させた未来型エンターテインメント<REFLECTIONーいのりのひかり>、そして、来場者参加型のインスタレーションで、本イベントのシンボルとなる光のモニュメント<TOKYO LIGHTS>なども大いに来場者を沸かせていた。

また、この第一回目となるTOKYO LIGHTSのオフィシャルアンバサダーとして、アイドルグループ乃木坂46の元メンバー・白石麻衣さんが抜擢。審査会当日は、白石さんとともにMC(進行)として古坂大魔王さんも登場し、審査発表のプレゼンターとして会場を沸かせた。

WRITER PROFILE

石川幸宏

映画制作、映像技術系ジャーナリストとして活動、DV Japan、HOTSHOT編集長を歴任。2021年より日本映画撮影監督協会 賛助会員。