日本では北京オリンピックと甲子園の高校野球とでTVに向かう時間が多くなって大変な夏を迎えている事と思いますが、コロラドでは、NBC系列の第9チャンネルKUSAが独占で北京オリンピックのTV放送を行っています。

NBCが今回の北京オリンピックの放映権を獲得するには9億ドルの契約料金を支払ったと言う事で、その総映像撮影時間は放送の3600時間分に及ぶとしています。また、地元新聞ではコロラド出身のオリンピック選手達の活躍をそのスポーツ欄で特集として毎日取り上げています。しかしながら、日本の様に人びとが熱中すると言った感じが全く感じられず、目前に迫ったデンバーで開催される民主党の全国大会の話で持ち切りの最近です。

空からのテロ攻撃の可能性を防ぐ為と思われますが、民主党全国大会の本会場となるペプシセンターを中心とする航空管制領域が開催期間中に限り特別に実施される事となって、地元新聞に大きな紙面を割いて伝えています。この期間中はやたらとその領域に航空機が入って来る事が出来無い事となっており、Buckley Air National Guard基地に配備しているF-15戦闘機が上空の警戒飛行を行う事になっています。

そんな中、デンバー国際空港(DIA)の6月の業績報告が発表され、5月に続いてこの6月度も開港以来の新記録となる480万人の乗客を扱ったとしています。昨年6月度の記録から5.7%の増加となっており、これで18ヶ月連続しての前年同月比のアップを記録した事になります。今年上半期の合計では昨年上半期の乗客数の4.3%増加と約100万人のアップとなり新記録となっています。

6月度のDIAからの航空便の発着数は前年同月比で4.6%増加し、上半期の6ヶ月合計では3.4%の増加となっています。この分で行くとどこ迄拡大するのか気になりますが、いよいよ8月25日から28日の間デンバーで開催される民主党全国大会が迫って来ていますので、空港でもその為に集まる民主党員達の歓迎受け入れの準備におおわらわとなって来ていますが、8月度は間違いなくDIAの扱う乗降客数は新記録を達成しそうですので大変な事になります。大きな事故等起きる事無く無事にこの8月度が終了してくれる事を祈るのみです。

前回のこのレポートに続いて今回もシアトル見物の2日目の報告です。今回と次回では特にシアトルのダウンタウンの様子を紹介します。

シアトル紀行 「DAY TWO」

シアトルの名物の一つに町の中心のSeattle Center地区に聳え建っているスペースニードルと呼んでいるタワーがあります。

スペースニードル
シアトルセンター地区は1962年に開催されたWorld’s Fairの会場として使用された場所で、スペースニードルはその時に催しのシンボルとして建設されました。

タワーの地上からの全体の高さは605フィート(184m)で、520フィート(158m)のところに円形の展望台があって、そこ迄はエレベーターで上がれる様になっています。

この展望台の上側はSkyCityと言うフロアー周辺全体が回転するレストランとなっていて、47分間かけて一周するようになっていますので、シアトルの景観を眺めながら食事を楽しむ事が出来ます。

また、広い会議室も設けられておりビジネスミーテイングに使える様になっています。 展望台からはPuget Soundと呼ばれているシアトルの西側に展開する入り江とシアトル港の埠頭が並んでいるElliott Bay(エリオット湾)が一望に出来ます。

下から見上げたスペースニードル
 スペースニードルは3本の大きなハシゴ型の柱で支えられているユニークな構造のタワーです。 写真はその下から見上げた様子です。 隣接している遊園地の観覧車の一部が左に見えています。

スペースニードルから望むビジネス街
スペースニードルの展望台から南の埠頭が沢山並んでいるWaterFront地区と高層ビルが沢山あるシアトルのビジネス地区を眺めたところです。

シアトルの「港が見える丘」

スペースニードルの在るシアトルセンター地区の北側は「Queen Anne」と言う名称の小高い丘の丘陵地帯となっていて、ちょうどサンフランシスコの街の様に急勾配の南斜面は南北に碁盤の目の様に道路が造られており、各家からはエリオット湾が一望出来ます。 その湾岸の高台にはちょっとした小公園の様な展望地「Kerry Park」が造られていて日本の横浜で言えば「港が見える丘」と言った感じの場所です。

Kerry Parkから南に向かって眺めた風景
右がエリオット湾で、左にスペースニードルが見えます。 また、スペースニードルに並んでその右に写っているビルはシアトルで最も高いビルです。

市内観光案内のマイクロバス
東京であれば「はとバス」と言うところですが、ケリー公園へ市内観光のマイクロバスが来ていました。

「港が見える丘」から望むエリオット湾
ケリー公園から眼下のエリオット湾を眺めています。シアトルの港は大変入り組んだPuget Sound入り江の一番奥にあって、波静かな自然の良港となっていますが、コンテイナー船や石油タンカー船、大型の外洋観光クルーズ船などの大きな船の出入りも盛んで、太平洋へ出るには、このエリオット湾を出てからPuget Soundを右側へ北上し、更に左へコースをとりStrait(海峡)of Juan de Fuca経由で太平洋へと出ます。Puget Soundはその北側にはカナダのバンクーバーの港が在ります。

スターバックスコーヒー店の1号店

日本へもスターバックスの店が沢山できて「Starbucks every where!」といった状況ですが、スターバックスは1971年にシアトルのダウンタウンに在るPike Place Marketの通りへその1号店を出したのがスタートで、今年の2月現在でアメリカ国内だけで直営店が7087店を運営しています。その他に委託運営している店舗数は4081店となっています。

一種のコーヒー文化を築いた同社と言えますが、今年の7月初めに同社の4月~6月の四半期の業績発表がありましたが、670万ドルの損失を計上したとしています。前年同期が1億5830万ドルの黒字だった事から大きな変化が来ていると言えそうです。

それに伴って、全米に展開している同店の中から業績不振の合計600店の閉鎖を行うと発表しました。コロラド内では9店がその閉鎖の対象となる事になっています。閉鎖理由として、急激に新店舗開設をしすぎたとしています。

各店舗が近接しすぎて顧客が集まり難くなっており、全米で600店もの閉鎖を行ってもその店の顧客だった人達は近くの別のスターバックス店へ行く事になるので総売上としてはそれほど変わらないと同店では見ています。

スターバックス店の繁栄状況を見ながら新たな市場での変化として競合する他社のコーヒービジネスの展開がアメリカ内の各所で始まっている事も注目点となっています。

  • ハンバーガーのMcDonald店チェーンでは今迄のコーヒーより少し価格は高いものの美味いコーヒーの販売を始めており、顧客のスターバックス店離れが生じ始めている。
  • 42年前にカリフォルニア州のBerkeleyの町で創業したPeet’s Coffee &Tea 店は2年前迄はスターバックス店に比べて遥かに離れた業界2位の売り上げを示していましたが、主として地方のスーパーマーケットや大学のキャンパス内での委託契約をしてのキオスクタイプの店でその数を増やして来ており、現在ではこうしたコーヒーショップ市場全体の15%を占める迄になってスターバックスを抜いて1位になっています。

今回私の長女の案内でRedmondの町にあるPeet’s Coffee & Tea店でコーヒーを飲む機会がありましたが、スターバックスと同様な構成の店内の様子で、注文すると見ている前で好みのコーヒーを作ってくれる様になっています。 コーヒー自体がスターバックスに比べて美味いかどうかは良く分かりませんでしたが、スターバックスでのコーヒーに飽きた人達がこの店を利用する様になって来ていると言う事の様です。

スターバックス1号店前の様子

スターバックスの1号店の入り口の様子です。携帯型CDプレーヤーでバックミュージックを流しながらバイオリンを演奏する「流し」が店前に陣取ってお客の関心を集めていました。1971年に開店したと言う事ですから37年間ここでコーヒーを販売している事になります。

スターバックス1号店内の様子
スターバックスの1号店の内部の様子です。カウンター越しに注文して、その場で好みのコーヒーを煎れてくれるスタイルは何処のスターバックス店でもお馴染みとなっている光景です。写真の左側で上を見上げている太めな女性は私の家内です。袋に詰めたコーヒー豆のお土産も販売しています。中央の金色の飾り円柱はスターバックスの一号店の紋章です。


スターバックスはこの店から始まったというアピールの紋章です。「First Starbucks Store Established 1971」と書かれています。

あとがき

今回家内とシアトルへ出かけて1週間ほど家を留守にする、と言う事で、その間我が家の犬達2匹は前々回のこのレポートで紹介しました近くの犬猫病院に付属しているAnimal Lodgeへ預けて出かけました。

このAnimal Lodgeでは預かっている犬達の様子を常時監視しているビデオカメラが設置されており、その撮影しているビデオ情報をオンラインで外部からチェック出来る様になっています。

犬の名前と萩原と言うファミリーネーム、そして予め登録しているパスワードをそのホームページの部分に入力すると我が家の犬達が動き回っているのが見られると言うサービスです。 今回の旅行には私はパソコンを持参しなかったのですが、シアトルの娘のパソコンで毎日他の多くの犬達と大きな部屋で運動する時間を狙って我が家の犬達の状況を確認する事が出来ました。

思いもかけず時代の進歩でこうしたサービスが受けられる、と言うのも驚きですが、対象が犬達ですのでプライバシーの侵害等と言った面倒な事も生ずる事無く利用出来る、と言う事で時代の流れを感じました。 映像の解像度もなかなかのものでハッキリと我が家の犬と分かりましたので、なかなかのものだ、と感心させられました。

犬達にすれば私たちがシアトル迄行っていたとは全然知らない訳ですが、無事帰宅してこのAnimal Lodgeへ迎えにいったときの喜び様は大変なものでしたので、 飼い主としては「良く忘れず憶えていてくれた。」と感激させられる思いでした。

WRITER PROFILE

萩原正喜

萩原正喜

米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。