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[コロラド紀行]Vol.59 HDTVプログラムを巡る衛星、ケーブル、電話事業各社の競合/最近のTV・映画配信事情

#コロラド紀行

2010-12-26 掲載

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12月に入ってからアメリカのシカゴ地区を始めとする中西部地域では、嵐を伴った大雪にみまわれ空の便の乱れを始め陸上交通が大混乱をしていますが、ロッキー山脈を抱えるデンバー地区では、朝晩は気温が低下して肌寒く感じられるものの日中は温暖で夏を思わせる様な陽気が続いており、この12月13日(月)にはデンバー地区で日中の最高気温が華氏70度(摂氏21度)となり1994年以来の記録となりました、

観測が始まって以来この時期での記録では、1921年に短時間だったのですが華氏72度(摂氏22度)と言う記録が残っております。また、例年デンバー地区では9月に入ると1回か2回はかなりまとまった量の降雪があるのですが、今年はどうしたことか、地面が一面に白くなる程度の雪がこれまでに3回程見られたものの12月中旬となるのに雨も降らない事から異常な程の乾燥状態となっています。

過去の12月の記録としては、1881年には雨や雪が全く降らなかったという記録が有り、また、1905年には12月中で僅かの降雪があっただけと言う記録が残っています。今迄の記録の総平均として、デンバー地区では12月中で約8.7インチ(22cm)の降雪が通常と言う事になっています。

一方、今シーズンのロッキー山脈中には9月中旬からは豊富な降雪量に恵まれ、特に高地に在るLovelandやArapahoe Basinの両方のスキー場は、それぞれ10月24日(日)、25日(月)からオープンして、コロラドの最もポピュラーで人気のあるVailスキー場も既に11月19日(金)に開いて多くのスキー客を集めています。

毎年恒例のワールドカップスキー選手権大会のレースがトップを切って開かれるCopper Mountainスキー場では今シーズンも既に行われて、地元の女子ダウンヒル競技チャンピオンのLinsey Von選手も出場して第6位という初戦としてはまあまあの成績を残しました。

HDTVプログラムを巡る衛星、ケーブル、電話事業各社の競合

現在全米でのTV放送メディアによるサービスを受けている総視聴者数はほぼ1億軒に達しているとされており、ほとんどその市場は飽和状態となって来ており今後の拡大成長は見込めなくなって来ているとされています。

こうした状況下にあって、各メディアが今後も継続して事業として成長して行く為には次の3つの道が残されている事になります。

  • 各メディア間での視聴者占有率を伸ばす。
  • 放送プログラムの質や内容を高めて高い料金でも視聴者が喜んで視聴するプログラムサービスを行う。
  • ビデオTVプログラムのサービスの他にデジタル電話やインターネット接続サービスの顧客拡大を計る。

しかしながら、ケーブルTV及び高速電話サービスの2者はサービスプロバイダーと視聴者間の双方向サービスが可能なメディアですが、衛星TVはサービスプロバイダーからサブスクライバーへ向かっての一方向サービスであり、かって衛星TV業界の大手2社のDirecTV社とDish Networkとが各サブスクライバーより衛星に向かってのアップロードサービスを実施してケーブルTVに対抗しようとしましたが、双方向ブロードバンドサービスが容易なケーブルTVに勝つ事は出来ず成功しませんでした。

その後、衛星TV2社はそのサービスのペイTV受信の為にペイプログラム料金の回収やサブスクライバーのチャンネル選択状況の把握、そして送信システムのグレードアップなどに伴うセットトップボックス内のプログラム変更などの目的の為に各衛星TV放送のセットトップボックスは電話回線に通常接続される事から、電話会社と提携してインターネット信号のダウンロードは衛星からの信号で行い。アップロードを電話回線で行う、というサービスを実施しようとしましたが、アメリカ内での法律が改正されて電話会社のTVプログラム配信事業が可能となり、一方ケーブルTV会社での電話サービスも同時に許される事となって、衛星TVが狙っていたアップロードに電話回線を使用すると言った事はTVプログラム配信事業で競合する電話会社の事業上での協力が必要と言う事となって、うまく行きませんでした。


そのような事情から衛星TV放送はTVプログラムの配信事業について専念せざるを得なくなって、それに特化したケーブルTV事業との競合する強力な視聴者獲得戦略を積極的に展開して今迄に大きな成果を上げて来ました。

以上の様なTVプログラム配信メディア業界の背景から、コロラドでは今年の年初より衛星TV、ケーブルTV、そして光ファイバーラインで高速ビデオサービスが可能となった電話会社の各ペイTVプログラムメディア間でのHDTVプログラムのチャンネル数及びその視聴料金を争点とした視聴者獲得競争が激しく行われて来ました。

コロラドでペイTVプログラムの配信サービスを行っている主要各社は下記の様になっていて、それぞれの今年6月30日現在のビデオプログラムの全米での総視聴者数は次の通りとなっています。

衛星TV放送 DirecTV 1880万軒
衛星TV放送 DishNetwork 1430万軒
ケーブルTV放送 Comcast 2320万軒
電話会社 Qwest 不明
電話会社Qwest社のHighland Ranch Cybercenterの建物
デンバーのダウンタウンに本社ビルを持っている地方電話会社の大手Qwest社のCyberCenterと呼称している建物で、 建物にはQwestの看板すら何処にも見当たらず、内部はかなり広大な建物ですが、どうなっているのか中を外から覗く事は出来ません。DishNetworkの本社の在るLittletonの町より更にかなり南へ下がったHighland Ranchの町に在ります。

このうち電話会社のQwest社は電話事業では規模の大きな会社ですが、先にケーブルTV事業との電話およびTVプログラム配信の相互乗り入れが法律改正で可能となった時にその光ファイバー回線の敷設投資に遅れてTVプログラム配信事業への参入に躊躇していた事から、最近になってからやっと事業参入をした、と言う事で多額な資金を投下したと思える新聞折り込み広告やTVコマーシャルなどでの積極的な視聴者獲得キャンペーンを展開して来ましたが、いまだ成功しているとは言えません。


そうこうしている間にQwest社のCenturyTel社による買収の話が持ち上がって、同社の抱える多額な負債とともに新たな視聴顧客獲得に水を差す形となっています。


こうした現状でのHDTVプログラム配信の顧客獲得競争は事実上衛星TV2社DirecTV, DishNetworkおよびケーブルTVのComcastの3社間で争われて来ました。ここ2年間ほどの間におけるこれら3社の視聴者推移について見てみますと下記の様になっています。


期 間 DishNetwork DirecTV Comcast
2009年第1四半期 -94,000 +460,000 -78,000
2009年第2四半期 +26,000 +224,000 -214,000
2009年第3四半期 +241,000 +136,000 -132,000
2009年第4四半期 +249,000 +119,000 -199,000
2010年第1四半期 +237,000 +100,000 -82,000
2010年第2四半期 -19,000 +100,000 -265,000
上記6四半期の通計 +640,000 +1,139,000 -970,000

と言う事でComcast社の一人負け、DirecTV社の一人勝ちの感がしますが、特に注目する点はDishNetwork社の実績で、これまでその視聴者数は上昇の一途をたどってここ迄来ましたが、2009年の第1四半期ではじめての減少を経験し、その後強力な視聴者獲得戦略を展開して挽回を計りましたが、2010年第2四半期で再度減少となっています。

衛星TV放送のDirecTV社Inverness事業所の入り口看板
デンバーの南の国道25号線とCentennial空港の滑走路とに挟まれた場所にInvernessゴルフ場が在って、それを周回している道路の両側にいろいろなハイテク企業の建家が並んでいます。いわばハイテクパークと言う感じですが、その一角にDirecTvの事業所があってその入り口に看板が立っています。看板の向こう側は広い駐車場で、その向こうには屋根付きの3階建ての駐車場となっています。
DirecTV社Inverness事業所の建物
DirecTV社のコロラドのInverness事業所の建物です。この建物の左側には大型の衛星通信用のパラボラアンテナが多数設置されています。また、この建物の裏側にコロラド州を南北に走っている幹線道路の国道25号線が在ります。このInvernessハイテクパークの中でもこのDirecTvのビルが際立って大きくまた立派な建築となっています。

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WRITER PROFILE

萩原正喜 米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。


[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2010-12-26 ]
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