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[コロラド紀行]Vol.72 ゴールドラッシュの再現なるか?

#コロラド紀行

2012-06-04 掲載

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デンバー国際空港と日本の成田空港とを結ぶ直行便の計画をユナイテッド航空が発表

デンバー空港と海外の主要都市を結ぶ直行便の開設は10年ぶりでアイスランド航空のデンバー乗り入れで実現しましたが、依然として、デンバー国際空港開設以来の課題であり悲願となっている東アジアの主要都市の東京/成田や北京への直行便の開設は未達成となっています。

そうした中にあって以前よりデンバー市が注力して交渉を進めて来た日本の全日空(ANA)との直行便開設に関しては今年1月の初旬に全日空の会社役員を務める人がデンバー国際空港当局を訪問して挨拶をして、打ち合わせをもったというニュースがあって、いよいよ直航便開設の準備が始まるかと期待されましたが、その後4月下旬には、全日空社では成田空港とオレゴン州のPortland とを結ぶ直行便の開設を発表しており、それも最初年内はボーイング777を使って運行するが、来年始めからはボーイング787による便の運行を計る予定、との公表がなされて、現在ではやや全日空のデンバー/成田直行便の開設に付いては遠のいたと言う印象でいました。

ところがこの5月22日(火)にデンバーのダウンタウンにあるColorado Convenntion Centerに隣接しているDenver Performing Arts ComplexのGalleriaでのグループ会合の場で、ユナイテッド航空のJeff Smisek社長から突然の発表があって、同社では来年3月31日から成田空港からデンバー空港への直行便の一番機を飛ばす予定で、4月1日にはデンバー空港を出発して成田へ向かう直行便の一番機が飛ぶ計画であるとの報告をしています。

さらに、この実施は日米両国政府の航空協定に基づく承認が必要であるが、このデンバーから成田への直行便は成田空港をハブとしているユナイテッド航空とそのスターアライアンスパートナーの全日空とでアジアの21の主要都市への直行便で接続される様になる、としています。

この会合にはデンバー市長のMichael Hancockも招かれて出席しており、「このユナイテッド航空のデンバー空港と成田空港の間の直航便開設は新たな仕事を産み出し、年間1億3000万ドルの経済波及効果をもたらすとともに、新たなビジネス創出の助けとなる。デンバーのドアーをアジアに向けて開く経済開発計画の勝利と言える。」としています。

この直行便のタイムスケジュールも既に折り込まれているものとみえて、同時に発表されています。

出発空港 到着空港 飛行時間
デンバー
11:55 am発
成田
3:00 pm着(Next Day)
12時間05分
成田
4:40 pm発
デンバー
12:30 pm着(Same Day)
10時間50分

そして、

標準飛行距離 5,788マイル(9,313km)
基本航空券料金 往復 980ドル
使用機体 Boeing 787 Dreamliner
機体座席構成 ビジネスクラス 36席
エコノミークラス 183席 合計 219席

などと公表しています。

オイオイ、話が違うんじゃあないかい?ユナイテッド航空がChapter 11の適用となったり、コンチネンタル航空との合併に手間取ったりしているので、とてもデンバー/成田間の直行便を新たに開設するのは無理と言うことで、そのスターアライアンスパートナーの全日空へデンバー市としてはこれまで働きかけをして来たのではなかったのでは?

さらに、時を同じくしてボーイング社で開発が進んでいた成田/デンバー間の直行便に最適とされているBoeing 787 Dreamliner機の発注一番客が全日空で、それも50機もの一括発注をしたと言う事だったので、ユナイテッド航空への787型機導入は大幅に遅れそうだから全日空へのアプローチにデンバー市としては舵をとったのではなかったのだろうか?と言う様な疑問が残ります。

もともとデンバー空港はユナイテッド航空が一番多く使用している主要ハブ空港であり、国内線だけについて見てみるとデンバー空港全体の41%の乗客をユナイテッド航空が扱っており、デンバーからアメリカの主要各都市へ接続便には事欠かないので、ユナイテッド航空が成田との直行便を飛ばしてくれるのが自然な成り行きですが、成田空港にしてみれば全日空がデンバーへの直行便を開設した方が良いと判断出来なかったのでしょうか?

現在でもユナイテッド航空と全日空とは日米間の多くの便で「協同運行便」と言う名称でユナイテッド航空の運行機体を両社の乗客をシェアして飛ばしているので、今度の直行便も両社の協同運行便となるのではないだろうか? などと勘ぐってしまいます。

ちなみに、昨年末のデンバー市からの全日空訪問団では、全日空に対してこの直行便の開設インセンテイブとして、合計約150万ドルのパッケージとして市場開拓資金とデンバー空港への着陸利用費用の2年間分にあたる約60万ドルを含むオファーをしています。

一方、今回のユナイテッド航空の直行便開設ではその様なインセンテイブをデンバー市としては考えていない様ですが、その代わりと言う訳ではないでしょうが、先に懸案となっているユナイテッド航空が使用しているデンバー空港内の建物にかかる1便当たり4ドル50セントの連邦航空乗客施設税の約1億ドルが未払いとなっていて、それをデンバー空港が肩代わりして連邦政府へ支払うという交渉が行われて来ています。

そうなるとユナイテッド航空は年間で2,200万ドルの空港使用リース代の軽減を受ける事となり、デンバー空港側がそれに同意しようと言う事になりましたが、今度は同空港の2番目のSouthwest 航空と3番目のFrontier航空の2社が、それは空港を使用している特定の1社に有利な条件を与える事になり連邦航空局のルールに違反している、と抗議して、両社もその運用便数に応じた空港リース代の軽減を受ける事となりそう、といった事が平行して起きています。

話がややこしくなりましたが、何れにしてもデンバー地区に住んでいて日本へ行く機会のある私としてはこの直行便の開設の知らせは大変有り難い事で、特に今迄デンバーからシアトルを経由して成田へ向かう便を利用しているので、シアトルでの乗り換えや、それに費やす時間、そして過去2回経験しているデンバーを発ってシアトルへ着いたら成田へ行く航空機がメカニカルプロブレムでキャンセルとなりシアトル空港の近くのホテルで1泊して翌日の便で成田へ向かった、と言う様な事もありトータルのデンバー/成田間の時間が大幅に短くなると言うのは大歓迎です。

また、日本からスキーを担いでコロラドのスキー場で冬の期間のスキーを楽しもうとする人達にとっては途中の乗り継ぎが無く、スキー専用の受け渡しターンテーブルの備えてあるデンバー空港へ来ると言う事で、うまくするとコロラドの各スキー場は日本からの多勢のスキー客を確保する事になるかもしれません。

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萩原正喜 米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。


[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2012-06-04 ]
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