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[コロラド紀行]Vol.73 アメリカ特許商標局の分室がデンバーに新設

#コロラド紀行

2012-11-07 掲載

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アメリカ特許商標局の分室がデンバーに新設

アメリカに於ける特許及び商標の審査、登録そして管理を行っているUSPTO (United States Patent and Trademark Office) はアメリカ商務省に所属している組織で、ワシントンDCの本部の実質的な業務はワシントンDCの外環状ハイウェーの南端のバージニア州Alexandoriaに在るオフィスで行われアメリカ特許、商標の一元管理が行われて来ました。

アメリカに於ける技術開発の拡大や新しい事業の展開等にとってこうした特許や商標といった権利を確保し保護すると言う事は近年従来以上に重要な政治的な課題となって来ています。

一方、ここのところ同オフィスの中心を占める審査、登録の処理を行う機能の能力を新たに申請される件数が上回って未処理件数が上回るといった状況が継続しており、その対応策が検討されて来ました。

現在Alexandriaオフィスには申請された特許のうちPendingとなっている総件数は120万件に及び、そのうちの64万1142件の申請案件はPreliminary Evaluationの通知さえもいまだ受けていない状況にあり、申請を出してから、そのPreliminary Evaluation 通知を受ける迄に要する平均期間は22.6ヶ月となっています。更に審査を終了して特許としてファイルされるまでの平均期間は85.3ヶ月となっているとしています。

こうした状況の中で未処理件数の増大を防ぐ為、新たに申請される特許、商標の審査能力の増大を計る事、そして今迄のAlexandoriaオフィスでの一元管理の現在の仕組みをアメリカの地域別に分散して新規申請者が申請を行い易くする便宜を計り、更に有効、強力な新特許の成立拡大を速やかに計る、といった事を目標に検討結果として、アメリカ内の4カ所にUSPTOのサテライト分室を2014年迄に新設して対応すると言う計画が検討されて来ました。

新設される4カ所のサテライト分室は高速ネットワークを介して本部のバージニア州Alexandriaオフィスのデータベースと接続されており、常時共通なデータベースに基づき審査、登録作業が行われるようになり、あたかも1カ所のオフィスで業務が行われている様に運用される事となっています。

それらの新設サテライトは下記の4カ所に計画されています。

  • Michigan州、Detroit:自動車産業の本拠地
  • Colorado州、Denver:航空宇宙産業、バイオテクノロジー、Renewableエネルギー研究の中心地
  • Texas州、Dallas FortWorth
  • California州、シリコンバレー地区

これらのうちデトロイトのサテライト分室は既に今年の7月に開設オープンして業務が開始されています。そして、デンバーのサテライト分室はこれ迄その設置場所に関してデンバー市とオローラ市との間でその誘致を巡って政治レベルでの激しい競争が行われて来ました。

そして、9月17日(月)にはデンバーの中心に在るデンバー市民図書館に於いてUSPTOの主催による「America Invents Act」と言う主題でこのサテライト分室の設置計画についての発表、討論会が公開フォーラムと言う形で開催されています。

デンバーのダウンタウンに在るByron G. Rogers連邦オフィスビルの正面入り口
今回特許商標局のサテライトオフィスとして使用される事になった建物です。建物の南側に設けられている格調高い正面入り口の様子です。建物は3階構成となっていて、2階フロアーと半地下フロアーで構成されています。道路からは石段を上って入り口の扉を通ると1階のフロアーになります。

最終的にデンバーのダウンタウンに在るByron G. Rogers 連邦オフィスビルの建物の内部を改装してこの特許商標局のデンバーサテライトオフィスとして今年の11月中に建物の所有権手続き、改装計画をまとめて着工する事となり、来年6月中迄に改装工事を終了し、2013年10月ないしは11月中にこの新サテライトオフィスをオープン、そして業務開始するという計画が公表されています。


デンバーに新設される米特許商標サテライトオフィスの建物
建物はLower Downtownの19th Streetと20th Street,そしてStout StreetとCalifornia Streetとにそれぞれ挟まれた1ブロック区画全体を占めています。こんな土地として高価な場所に平屋に近い格調の高い建物をアメリカ連邦局が所有しているとは驚きです。写真は建物の南西の角から撮影しています。そして、上空から見ると建物自体は中庭形式のロの字型となっています。

このデンバーサテライト分室には特許および商標に関する審査作業員約100名と判定員として20名のジャッジ、その他を含めて合計125名の人員がデンバー分室に新たに雇用されてスタートする予定で、コロラド大学のLeeds School of Business による試算では、審査員の平均給与は9万ドル、そして判定員の給与は13万4000ドルから16万5000ドルの年俸となる見込みであるとしています。

そしてこのオフィスでの従業員数は、その後時を追って増加する計画で5年後には総員595名となり、その時期迄のコロラド州が受ける経済効果は4億3900万ドルに達するものと予測されるとしています。


連邦オフィスビルの南東の角からの外景
建物を南東の角から見たところです。建物の南側の19th Streetには路面電車が通っていて、この建物の前が停車駅になっています。
新たに米特許商標サテライトオフィスとなる事に決まった建物の東側
建物の東側のCalifornia Streetの歩道に面した部分です。

現在の連邦オフィスを示すビル壁面の表示
建物の壁に現在使用している連邦政府のオフィス名を示す「Federal Building US Custom House」の表示が見られます。
正面入り口の脇に建てられているビルの改装広告ボード
「建物が古くなったので改装して新しい連邦政府のオフィスの建物になります。」という公示標識が正面入り口近くに建てられています。この表示は特許商標局のサテライトオフィスが来ると言うニュースよりも前から建っていました。今回この建物が商務省でデンバーにサテライトオフィスを新設する決め手となった、と言われています。

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WRITER PROFILE

萩原正喜 米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。


[ Writer : 萩原正喜 ]
[ DATE : 2012-11-07 ]
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