様変わりする写真の展示会とは?

去る3月11日から4日間にわたり、一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)主催によるCP+2010がパシフィコ横浜において開催された。前年までは、カメラ映像機器工業会、日本写真映像用品工業会、写真感光材料工業会、日本カラーラボ協会の4団体が「フォトイメージングエ キスポ」(PIE)として開催していたが、今年からCIPA単独主催となった。

もともとカメラショー、用品ショー、ラボショーといった各団体が単独で開催していたものが、カメラがデジタル化し出した頃から加盟する企業も様変わりし、国際的なイベントとして有名なフォトキナやPMAショーを目指したのだが、結局はうまくいかなかったようだ。

CP+は基本的に一般の人たちを対象にしたショーだが、ニコンやキヤノン、ソニーなどハイビジョン動画を撮影できるカメラを出展することから、シネスタイルでの撮影システムを期待したが、そうした出展はなく基本的にスチールでの撮影を中心に動画も撮影できるというどちらかというとおまけ的なデモがほとんどだったのはちょっと残念であった。

そうはいっても、カシオの高速撮影を謳った機種やニコンやソニーなど実際に動画を撮影できるコーナーを設けており、手軽に動画撮影を楽しんでもらおうというスタンスである。

ソニー

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APS-Cサイズの撮像素子Exmor APS HD CMOSセンサーを搭載し、フルハイビジョン動画撮影も可能なコンセプトモデルが参考出品されたが手にとって見ることはできなかった。

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  発表ブースの周辺にはモックアップがずらりと並んでおり、実際の製品に近いフォルムと質量をもつというが、白い消しゴムのようなモックではあまり実感がわかなかった。 手に取れる実機がない割にはかなりの発表スペースをとっており、演出と見るべきなのか実機が間に合わなかったので急遽白いモックを用意したのか定かではないが、注目を集めるという点では成功したといえるだろう。

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モデルが持っていたモック。左のカメラのレンズマウント奥が虹色に写っており、一応撮像素子が組み込まれているようだ。右のカメラ横にはコネクターが付いているので、モックとはいえ、一応撮影できる試作品のようである。

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AVCHDの動画撮影か可能なαシリーズが参考出展されていた。先のPMAショーで出展されたものと同じ物のようで、写真のメインストリーム機と中級機の2機種のほかにもいくつか発売されるようである。

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500mm F4 Gレンズも参考出展されていた。発売日は未定

ニコン

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歴代のNASA採用カメラ

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昨年発売となったD5000は、動画機能を搭載して話題になったD90の廉価版といった印象だが、性能機能的にはD90とほとんど同じだ

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3月11日発売のCOOLPIX S6000は広角7倍ズームのほか動画撮影機能や笑顔自動シャッター、目つぶり検出機能などを備えている

パナソニック

パナ7161.jpg 昨年発売となったLUMIX DMC-FZ28。コンパクトデジカメだが、18倍の高倍率ズームを搭載しているほか、Motion JPEGまたはAVCHD Liteによる動画撮影が可能 パナ7157.jpg

一見コンパクトデジカメのようなデザインだが、レンズ交換可能なDMC-GF1C。1280×720のハイビジョン動画の撮影も可能

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タフネスモデルDMC-FT2。冷蔵ケースの中に並べられていた

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GPS機能を搭載したDMC-TZ10により撮影された写真をPCに取り込みグーグルアースなどの地図と連動させたデモの様子。AVCHD Liteによる動画記録も可能

オリンパス

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E-30は、コンパクトフラッシュカードのほか、xD-ピクチャーカードが使用可能なデジタル一眼で、白飛びと黒つぶれを抑える、シャドー・アジャストメント・テクノロジーを搭載しており、明るい部分の白飛びを抑えつつ、暗い部分を明るく調整して撮影することができる。またカメラに内蔵の加速度センサーにより、2方向の水準器表示をすることができ、水平な線がない場合や夜景撮影時に画面が暗くて見えない場合などでも水平のとれた写真を撮影することができる。

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世界最速のオートフォーカス機能を搭載したフラッグシップ機 E-3のカットモデル

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昨年発売になり話題になったマイクロフォーサーズ規格の小型一眼カメラE-P1

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3月に発売になったばかりのPEN Lite E-PL1。動画撮影専用ボタンを設けることで、撮影モードにかかわりなくすぐに動画撮影が可能

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PEN Lite E-PL1にオプションの電子ビューファインダーを装着。デザイン的にPENシリーズを踏襲しているが、ボディ本体だけでなくレンズの滑り止めなどもPEN Fの交換レンズそっくりだ

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ハイビジョンムービー撮影コーナーでは、μTOUGHやPEN Lite E-PL1による動画撮影が体験できるようになっていた

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μTOUGHシリーズは、衝撃や耐水性に優れたモデルで、実際に落下させたり写真のように氷結させたデモを行っていた

カシオ計算機

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EX-FH100やEX-FH25によるハイスピード撮影のデモ。写真は縄跳びだったが、フェンシングの実演デモのあり、来場者が自由に撮影してその効果を実際に体験できるのが印象的だったブース。

EX-FH25は、最大秒40枚の超高速連写や、最大1,000fpsのハイスピードムービー撮影が可能。被写体を選ぶだけで、連写やハイスピードムービーの設定が最適になる高速連写とハイスピードムービー撮影が可能
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HIGH SPEED EXILIMハイスピード エクシリムの新モデルEX-FH100。4月9日より発売予定で、高速連写を実現している

カシオ7505.jpg   ハイブリッドGPSを搭載しており、GPSの電波が入らない場所でも、モーションセンサーにより移動場所を推測しての測距が行えるモデルで、CESに引き続き参考出展となっていた。地図と景観値の画像データも内蔵している カシオ7500.jpg

腕時計で定評のあるG-SHOCKの技術を継承したEX-G1

キヤノン

2月に発売になったEOS Kiss X4のほか、EOS 7DやビデオカメラiVISシリーズなど思い思いのカメラを手に撮影

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2月に発売になったEOS Kiss X4

キヤノン7197.jpg iVIS HF-S21

シグマ

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APS-Cサイズ相当のFoveon X3を搭載したSD15。価格オープン、発売日は未定

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CMOSセンサーFOVEON X3を搭載したDP2の後継モデルDP2s。AF処理速度が向上している。価格オープン、発売日は未定

ペンタックス

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44×33mmCCDを搭載した中判デジタルカメラPENTAX 645D。発売は5月とのことだが、実機を手にとって見られるということで注目を集めていた。撮像素子は4000万画素のCCDで、画像の先鋭度を損なわないローパスフィルターレス設計のほか、 14bit A/Dコンバーターを搭載している。マウントは645AF2マウントで、smc PENTAX 645レンズが使用可能。

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Optio I-10

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デジタル顕微鏡機能を搭載したOptio W90はアウトドアでの使用も考慮した防水、対衝撃性能を備えている

ポラロイド

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見事復活を遂げたポラロイド。歴代のポラロイドカメラを展示し注目を浴びていた。

ポラ7372.jpg プリンターを内蔵したコンパクトデジカメPolaroid Two(左)のほか、3月20日に発売となるt1235、i1237、a930の3機種を展示。 t1235は、1,200万画素センサーに3型のタッチスクリーンを搭載したモデルで、店頭価格は1万5000円前後

GE

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15倍ズームを搭載し、実売2万円という低価格を実現したGE-X5。有効画素数1,400万画素で、HDR機能により白トビや黒ツブレを防ぐことができるほか、光学式手ぶれ補正機能やパノラマ自動合成機能も搭載している。発売は6月が予定されている

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タッチパネル機能により操作性を向上したE1486TWは、有効画素数1,410万のCCDを採用しているほか、広角28mmからの8倍ズームを搭載している。それでも価格は2万円前後

富士フイルム

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3DカメラFinePix REAL 3D W1。4月にファームウェアアップデートが行われる予定で、これにより16:9での静止画撮影が可能になる。また、動画もMotion JPEG で3D記録することができる。実売6万円前後

フジ7152.jpg 30倍ズームレンズを採用したほか、ハイスピードムービー、マニュアルズーム、フルHD動画記録などの機能を備えたFinePix HS10。パノラマ撮影機能なども搭載されている

リコー

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GXRは、レンズと一体になった撮像ユニットを交換することが可能。夏に発売予定のRICOH LENS P10 28~300mm F3.5-5.6 VCや冬に発売が予定されているGR LENS A12 28mm F2.5を出展

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GR DIGITALIII xSTUSSYは、ファッションブランドSTUSSY(ステューシー)のコラボレーションモデルで2月から限定500台を発売

WRITER PROFILE

稲田出

稲田出

映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。