ライブ配信関係者の新しい情報交換の場”LED”が盛況のうちに閉幕!

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LED3分トークの開幕を告げる乾杯!

Facebookで活動するライブ配信系の5グループが共同で開催した”LED”が秋葉原パンダスタジオで7月30日に開催された。このイベントはロゴのイメージの通りプレゼンテーションイベント”TED”をモチーフにしておりライブ配信に関わる人のちょっとしたTIPSや、自主開発の機材などをプレゼンテーションする場の”LED3分トーク”をメインイベントとして企画された。事前に参加表明をしたり、パワーポイントやキーノートの準備をしたりしていなくても飛び入りで参加できるように、プロジェクターにはLightningコネクタと30ピンコネクタが用意され、「iPhoneやiPadに入っている写真を数枚プレゼン用に選び別アルバムにすることで簡易なスライドショーでトークしましょう!」とアナウンスされた。

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光HDMIケーブルを紹介するJUNS山中さん

事前に受付などをしてないにも関わらず「次のプレゼンターは誰だ?」という司会者の掛け声に挙手が相次ぎ、最終的には2時間で17組がプレゼンテーションを行った。プロジェクターへの切替えもスムーズで登壇者が自分のiPhoneをLightningコネクタに挿すとすぐに投影され「これが本当のライトニングトークだ!」と盛り上がっていた。

Facebookイベントページを使って即投票&集計!

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プログラマブルテンキーを使ったATEM制御事例を紹介する井上さん

“LED3分トーク”では評判のよかった上位5組にメーカーノベルティの粗品が提供された。プレゼンテーションした参加者の上位を選ぶ投票にも今どきらしい仕組みが導入された。Facebookイベントページにプレゼンテーションする人の写真とタイトルがすぐさま会場からアップされすべてのプレゼンテーションが終わったあとに来場者がひとり3票の「いいね!」を投票し集計するというもの。イベントページは通常イベント参加者にしかスレッド告知が行かないので効率のいい投票となった。

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3Dプリンターによる自作ステディカムを披露する尾上さん

その中でも圧倒的に票が多く話題となったのが1位の尾上泰夫さんによる「3Dプリンターでカメラスタビライザーを作ってみた」だった。これはiPhone用のステディカムをホームセンターで買える金具と自前の3Dプリンターで出力したプラスチックパーツだけで制作したもので、とかくフィギュアなどに目が行きがちな3Dプリンターの実用的事例として会場を沸かせていた。実物が目の前にあることの強さもあり、トーク中もiPhoneをグリップしたステディカムが来場者の席を回っていた。

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デシベルって何?の講義をするネット配信自作部主宰の永山さん

その他にもHDMI光ケーブルやATEMをプログラマブルテンキーで使うライブハックからデシベルって何?という数学教室のようなプレゼンテーションまで、参加者の個性が際立つユニークなトークイベントとなった。自由なトークのため配信や記録は一切行われなかったが来場者の記憶には強いインパクトと共に録画されたに違いない。

消費者とメーカーが対等な立場で出展の面白さ!

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ライブ配信に特化したミキシングシステムMAPSを展示するネット音響部主宰の須藤さん

“LED”にはライブ配信に関わる一般ユーザーだけではなくローランド、フォステクス、JVCケンウッド、ブラックマジックデザイン、Dストーム、Teradek、JUNSなどのライブ配信関連機材を開発するメーカーも参加し最新機材の展示で会場を盛り上げていた。来場者のほとんどは出展メーカーの機材をライブ配信で使っているとあって、中の人とつながる絶好の機会になった。

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加賀さんの130ドル電動雲台とArduinoで作る無線リモート雲台

その中でも異彩を放っていたのが加賀誠人さんによる「130ドル電動雲台とArduinoで作る無線リモート雲台(試作)」である。ライブ配信の現場ではマルチカメラをスイッチングして配信するのがスタンダードになりつつあるものの、カメラの台数分オペレーターがつけない場合も多い。業務用の電動雲台や無線コントロールのカメラは高額なので安価な市販品と自作の簡単なハードとアプリを組合せようというのがこのプロジェクトの発端。基板むき出しの無骨さが開発途中らしい雰囲気を強調していたが、ラジコン風のコントローラーを使って実際に操作してみると実にスムーズに離れたところにあるカメラの電動雲台が動く。上下左右だけではなくLANC端子を使ってズームやフォーカスの制御まで無線で動くのだ。

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パンダスタジオとJVCケンウッド共同開発の電動雲台カメラ

さらに今回の会場提供をしているパンダスタジオがJVCケンウッドと共同開発中の電動雲台HDカメラも話題になっていた。これは市販モデルとしてコンポジアウトのみだった電動雲台カメラをパンダスタジオの要請によりHDMIアウトを出るように新たに金型を作り、HDMI出力基盤を追加、さらに顔認識ソフトと組合せて自動で最適なアングルに調整しつづけるAI的カメラとなっていた。

ライブ配信に関わる人の出会いの場としてLEDは続く!

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左からATEM Tech Labo、ネット照明部、ネット音響部、ネット配信部の主催者

“LED”は機材展示会としての”EXPO”からプレゼンテーションイベントの”LED3分トーク”、そして懇親会とパンダスタジオの全フロアを借りきり13時から22時まで9時間に渡り開催され盛況のうちに幕を閉じた。Facebookグループの参加者がのべ1500人を超えたことを記念したオフ会の企画からはじまったものの”LED”という何かワクワクするようなネーミングやテクノロジーの進化をポジティブに楽しむ参加者、メーカー、主催者のおかげで多くの出会いと発見があるイベントとなった。その盛り上がりは写真の雰囲気から感じていただけるだろう。早くも次はいつ?との声もあり、Inter BEEあとくらいにやれたらと思っている。この記事を読んで”LED”や”ライブ配信”に興味を持った人は下記のグループを参照いただきたい。

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ヒマナイヌ

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頓知を駆使した創造企業