断然据え置かないのがベスト!

巧みな底面スタンド形状でどんな向きにも簡単にカメラを向けられるiVIS mini。据え置き撮影カメラとして売り出しているが、このカメラの潜在能力はそれだけではないのだ。GoProを筆頭に昨今の一大ブームを巻き起こしたアクションカメラの領域にも踏み込んでいる。170度のカメラアングルは主観移動撮影すると人間が知覚している視野角全体を記録できる。

さらにGoProと比較した時に優位な点もある。まず本体に液晶があること。GoProもオプションで可能だが、画面の鮮明度、タッチディスプレイによる操作性など圧倒的に使いやすい。そして三脚穴があるところは、さすがカメラメーカーの余裕と言うところだろうか。さらにオプションの水中キットを使えば防水カメラにもなる。そしてなによりうれしいのがビデオカメラ的な細かい設定が出来ること。iVISというシリーズからのラインナップだけあってそのメニュー項目はキヤノン製のビデオカメラG10やG20などを受け継いでいるのだ。ホワイトバランスをきっちりとれる、マイクの感度を変えられる、などビデオカメラで普通に出来ることがアクションカメラでは出来ないことも多い。iVIS miniはその点ビデオカメラライクなので設定の柔軟度が高いのだ。

少しの工夫で大きく様変わり!

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iVIS miniは、据え置きカメラとして設計されているために、手持ちで使用する場合、どこをどう握ったらいいかとまどう。そこで家電量販店などで売られているデジカメ用のグリップなどをつけてみた。これはにぎるシリーズで形状やカラーバリエーションが豊富なシリーズで短めのグリップが特長だ。iVIS miniにこれをつけてにぎると小指が余る感じで、親指と人差し指にカメラ本体が乗るようなカタチになり安定する。

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カメラの外側に液晶を起こして自分が見るようにすると新しいスタイルのビデオカメラになる。このグリップは慣れてくるとにぎったまま手の中でコロコロと回すようにカメラの向きを変えられる。さらにしっかり握って撮りたい場合はエツミのグリップがオススメだ。これは往年の8mmフィルムカメラのグリップ部分のようなゴツイ形状のグリップで、指のカタチに合わせた凹みもあり標準的な手の大きさの男性が握ると実にしっくりくる。収まるべき所に指がスッと収まるのだ。グリップよりカメラが小さい感じなので奇妙な感じだがステディカムライクな浮遊感のある主観撮影などにも近づけられるだろう。

このカメラにはもうひとつ特徴的な機能がある。それが前回のコラムでも実例を交えて紹介した動画インターバル機能だ。静止画の連続体を動画にするのではなく、5フレームの動画の連続体をインターバル動画にする機能。そこでこのインターバル機能を使う時に便利なのが吸盤付きグリップだ。これは三脚穴につけて吸盤部分を自由に回転させる構造で、バスや電車、タクシー、クルマなどに気軽につけてインターバル撮影をすることが出来る。小さな動画の集合体であるインターバル動画は独特のグルーヴがあり静止画インターバルに比べ情報量も格段に多くなる。クルマのフロントウィンドウに取り付けてスキーに行く道中などを撮っておくとロードムービー風になって楽しいだろう。電車でもボックスシートの窓にとりつけ車窓を撮るのも面白いが、内側に向けて座っている家族4人をインターバル撮影しても面白い。人の表情がどんどん風景と共に変化してユニークな旅の思い出になる。

この機能があればさらに人気が出る事間違いない!

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最後にInterBEEのiVIS miniブースからの気になる1枚の写真を紹介したい。iVIS miniのHDMI端子は記録されたファイルの再生しか出力しない仕様なのだが、ここではカメラで写っている映像がそのままライブでHDMIから出力されていた。ライブ配信時の液晶付き超広角カメラとして使いたいのは、ユーザーの本心。早速現場で「これはどうやってスルーしているんですか?今後ファームなどでこの機能が搭載されることはないのですか?」と質問したが、展示会用の隠しコマンドであり、バッテリー消耗などの問題もあるため外向けには教えられないらしい…。

もったいない!別売りでACアダプターもあるので外部電源が供給されている時はHDMIスルーも是非機能追加してもらいたい所だ!きっとこの記事も中の人が読んでいるに違いないのでみんなで「iVIS miniのHDMIスルー機能つけて欲しい!!」とコメントしよう!ただしコメントが集まったからと言って採用される保証はないので念のため…。


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ヒマナイヌ

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頓知を駆使した創造企業