GDC基調講演:任天堂 岩田社長、DS「ゼルダ」公開、Wii出荷が5000万ユニット達成

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任天堂株式会社岩田聡氏

Game Developers Conference 2009の3日目となる3月25日、任天堂株式会社の岩田聡氏が、「Discovering New Development Opportunities(新しい開発の機会を発見する)」と題した基調講演を行なった。 岩田社長は今回で3度目の登演だが、過去にもステージ上で初めて公にするニュースを発表してきている。

Wiiは出荷5000万ユニット

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数字で見るユーザー

今回のトピックとなったのは、WiiとニンテンドーDSの新サービスや新作タイトルについてだった。それらトピックについては1時間の講演の後半まで話されず、序章としてマーケットトレンドや米国における任天堂ゲームの位置づけについて語られた。

ステージの大きなディスプレイに表れたグラフによると、DS所持者数の男女シェア比にもある傾向がみられる。 リリース初年度にくらべ昨年度は圧倒的に女性ユーザーが増えている。 これはタイトルに女性や”誰でも遊べる感覚のもの”が増えてきたことが予測される。ゲームタイトルの販売数(米国)をゲーム機別で比べたものも紹介され、トップにWii、そしてDS、360、PS3、PSPの順に並んでいた。 岩田社長によると、出荷ベースでWiiは5000万ユニット、DSとなると1億にも上るという。 「プレイヤーが想像もつかないものを生みだす開発側のパワーがそこにはある」と語った。

Wiiの新バージョン4.0

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Wiiの新バージョン4.0

Wiiの新バージョン4.0が発表された。北米では25日から提供されるという。 この最新バージョンについては、Nintendo of AmericaのBill Trinen氏から簡単にSDカードに専用のメニューのデモが披露された。Wiiメニューにある新しいSDカードのマークを選ぶと、SDカードメニューに移行する。 表示もスムーズにおこなわれていた。 単体のSDカードで240タイトルも保存できるという。アップデートにより、従来は使用できなかったSDHCカードにも対応。また、今までは2GBまでしか使用できなかったSDカードから、最大32GBの大容量ストレージが使えるようになる。 Wiiウェアでも新しい情報が発表された。そしてカテゴリに新しくアーケードゲーム「バーチャルコンソールアーケード」が加わることになった。会場で発表されたタイトルは、「ギャプラス」、「マッピー」、「ドルアーガの塔」、「イシターの復活」、「エメラルディア」、「ソルバルウ」、「スターフォース」、「スペースハリアー」の8本。 またスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズの展開についても発表された。 まずWiiウェアバージョンの「FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES: My Life as a Darklord」が登場する。 そして携帯電話で展開されている「ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還-」の移植も発表された。

Nintendo DSi については、米国販売開始日は4月5日を予定している。 キャンペーンとして10月ごろまで、Nintendo ショップから自動的に1000 Nintendoポイントが取得できるそうだ。 WiiWare のバランスWiiボードの対応「Rock N’ Roll Climber」、Nintendo DSiカメラを使う「Moving Memo」と「WarioWare: Snapped!」の実演もあった。

DS用「ゼルダ」新作が年内リリース

最後まで残された発表とは、「ゼルダの伝説」の新作、DS用「Legend of Zelda: Spirit Tracks」だ。 発売時期は2009年内を予定している。  会場では開発中のゲームのPVが流された。 ゲームは前作「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」と同じく、3Dグラフィックスで描かれたデフォルメスタイルのリンクが主人公。

今回も豊富なニュースばかり。 会場はそのたびに大きな歓声と拍手で盛り上げ、早朝でも活気あふれた講演会となった。

WRITER PROFILE

山下香欧

山下香欧

米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。