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[Photokina2010]Vol.01 デジタル一眼動画と立体視で沸く世界最大のカメラの祭典

2010-09-27 掲載

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Photokina会場ブースをのぞいてみると…

Photokina(フォトキナ) は、2年に一度、EU、ドイツ第4の都市ケルンで開催される世界最大のカメラの展示会。隔年開催のため「カメラのオリンピック」とも称される。カメラメーカー各社は、このPhotokinaに向けて製品開発を行い、カメラの飛び抜けた進化が世界で真っ先に見られる場所としても知られている。今年のPhotokina2010は、9月21日~26日まで、ケルンコンベンションセンターで行われた。2008年に比べると会場こそ小さくなったが、この2年間で急激に発展したデジタル一眼動画(DSLR)と、立体視写真/映像(S3D)の盛り上がりを受け、会場は大いに盛り上がっていた。

そもそも、いま一大勢力になりつつあるDSLR動画の始まりは、2008年のPhotokina直前の Canon EOS 5D MarkII の発表からであった。当初は、デジタルスチルカメラのおまけ機能としての発表であったのだが、会期直前の発表時点からプロフェッショナルユーザーの間で話題が盛り上がり、Photokinaの会期終了時には、DSLR動画という未来があることが世界中に知れ渡っていた。つまり、このPhotokinaは、DSLR動画の生まれ故郷とも言えるイベントである。

今年のPhotokina2010は、そうした理由から、各社とDSLR動画、あるいは交換可能レンズ付きの大判画素センサー内蔵のビデオカメラを数多く出展し、来場客からも注目されることとなった。このPhotokinaレポートを2回に分けてお送りする予定だ。1回目は、ブースレポート、2回目は機会を改めて総括していきたいと思っている。早速各社ブースを見て行こう。

SONY :NEXシリーズで一気呵成の巻き返しを図る

Photokina02.jpg NEXシリーズと、その交換レンズ。交換レンズはモックアップだった。展示機にさりげなく付いているフラッシュも試作品

SONYブースは主力機種展示となるα55もさることながら、ハイアマチュア~プロフェッショナルサブカメラとなる、NEXシリーズに強く力を入れていた。NEXシリーズは試作品やモックアップまでもの大量に展示を行い、2011年内に4本(カールツァイス広角単焦点、望遠ズーム、マクロレンズ、ポートレートレンズ)、2012年に3本(高性能標準ズームG、広角ズーム、中望遠)発売予定の、合計7本の交換レンズの展示も行われていた。

NEXシリーズの特徴は、APC-Cの一眼レフサイズの大判イメージセンサーと、一眼レフ同様の交換レンズ、そしてミラーレスもしくはビデオカメラ形状によるデジタルファインダーにある。コンパクトミラーレス一眼のNEX-5とレンズ交換式ビデオカメラのVG10は、形状が全く異なるものの共通技術を多く使っており、NEXの共通型番通り、味付けの異なる姉妹機種と言うこともできる。NEXはデジタル化時代の新しいカメラ機材の在り方というものを強烈に打ち出してきている。

なお、展示中の新しいファームウェアによって、ついに、NEXシリーズにAマウントレンズを搭載した場合でもオートフォーカス(AF)が可能になった。撮影中のAFはミラーレスであるNEXシリーズの大きな特徴だけに、この実現がもたらす制作性の高さは、極めて大きいだろう。

Photokina03.jpg
新型α中級機の試作機。その左側は参考出品のフラッシュ

主力一眼レフ機、αシリーズの展示では、中級機の試作実機、対応新型フラッシュ、試作新型超望遠レンズの3つを展示。この中級機は、トランスルーセントミラーを搭載、ミラー駆動無くAFとイメージセンサーに常時光を当て続けることが出来る。小型ボディでも高速軽量かつ静音で、撮影中のAF駆動も実現している。デジタル一眼動画、最大の欠点は、そのミラーの仕組みのために撮影中はAFが効かなくなってしまう機種が多いことであるが、SONYでは、ミラーレスのNEXシリーズはもちろん、このαシリーズにおいても、今後そうした問題が一切起きないということになる。未来を鋭く見据えたこうした点は、実にSONYらしいと言える。

もちろんNEX-VG10の実機映像の展示も広く行われており、Photokinaにおいては他社製品との見比べが容易なため、これは重要なポイントだ。しかし、VG10では残念ながら圧縮ムラかCMOSノイズかは判らないが、暗所や黒でのノイズが目立った。VG10は、学生制作などハイアマチュア向きの映像制作を意識して開発されたというが、ライトコントロールの出来ない学生/アマチュア作品用であればなお暗所や黒のノイズには気を使って欲しかったというのが正直なところだ。ただし、この辺は映像の味付けの部分なので、今後のファームアップでもある程度の改善を期待できるだろう。

なお、SONY定番の民生機を業務化した機材の発売にも率直に聞いてみたが、NEX-VG10転用の業務機の発売は、その可能性も含めて、未定とのこと。もしVG10転用業務機において、フルHD30P以上での撮影が可能なコーディックを搭載されることになれば、業界に激震が走ることになるだろう。

Photokina05.jpg
日本未発売のBloggie Touchシリーズ。固定メモリカメラながらフルハイビジョン30Pを実現している

日本未発売の欧州機材が見られるのもPhotokinaの面白いところだ。SONYブースでは、USB接続/充電式の小型カメラBloggieの新シリーズは、その代表選手だろう。このカメラは、名前の通りBlog用の簡易撮影を意識したカメラだが、昨今のYoutubeなどのフルHD化を意識して、フルハイビジョン30P対応という、胸ポケットに入るその形状からは想像も付かない本格的な撮影が可能な機材となって居る。今回の展示では、その新機種、Bloggie Touchとして、タッチパネルコントロール搭載で高機能化を図ったシリーズが実機展示されていた。要するにカメラ付きのUSBメモリなので、8GBの固定メモリのみの搭載だが、Blog用途を考えればこれで充分とも言える。

Photokina06.jpg
こっそりと展示運用されていた立体視モニタ付きのVAIO試作機

会場にさりげなく置かれ、気がついた人だけが気がついた機材にVAIOの試作機があった。なんと、この試作VAIOノート、立体視モニタ付きのもので、モバイル環境での立体映像制作を意識しているという。この立体視機能付きVAIOがもし実際に発売されれば、業界のスタンダードを一気に奪い去ることになるのではないだろうか?

Canon:DSLRの雄は、余裕のユーザー重視展示

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キヤノンのブースは、キヤノンユーザーが自然に集まる、どこかノンビリとした雰囲気だ

Canonでは、目玉となる60Dも会期前に既発表と言うことで、ブースは自分のカメラを持ち込んで相談をしているCanonユーザーも多く、どこかノンビリとしたムードに包まれていた。

Photokina08.jpgEOS 60Dはブースのあちらこちらに置かれていた

新製品の一眼レフカメラEOS 60Dは、プロ向け上位機種である7Dとハイアマチュア向け機種であるkiss X4との中間的な位置づけだ。SDカードへの記録というところから見ても、プロ向けラインからは外れるが、機能的には最新鋭と言える。中でも、バリアングル液晶の搭載は、Canonお得意のEOSムービーでの活躍を期待させる。

Photokina09.jpg
XEEDプロジェクター2台を組み合わせた立体視投影システムの試作機。その立体表現力の高さには驚かされた

Canonブースにおける試作機で特に目立っていたのがXEED WUX10を2台用いた立体視投影システムだ。これは、ヨーロッパで人気のXEEDシリーズの2台同時運用による立体視装置で、担当の方の話に寄れば「従来機材を2台お持ちのお客様には、アップデート機材の購入だけでリーズナブルに3D化をして頂けるのが一番の特徴」とのことで、かなり前向きに製品化を考えている様子であった。欧米諸国では家庭用プロジェクターでの映画視聴を趣味とする人も多いため、家庭でも気楽に大型立体視投影が見られるのは、大きな魅力となるだろう。また、会議などでの応用も期待される。

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WRITER PROFILE

手塚一佳 CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。


[ Writer : 手塚一佳 ]
[ DATE : 2010-09-27 ]
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