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[オタク社長の機材買ってみた]Vol.06 Blackmagic Cinema Cameraの周辺機器あれこれ

2012-10-26 掲載

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RIGはCageを使って2本ネジで固定を!

otaku_vol6_02.jpgZacuto Stingerセットを中心にして、それだけではトップハンドルを掴んだときにネジが抜けるため、View Factor Cageでねじ穴を増やして2本ネジで固定している

BMCCを実際に購入して、まず戸惑うのが「一体どこを掴めば良いの?」という点だろう。

実際のところ、BMCCは全く取っ手やハンドル、グリップの類が付いて居らず、非常に持ちにくい。あくまでもBMCC本体は収録のためのメインユニットであって、これ単体での撮影利便性はあまり考慮していないとしか思えないのだ。そのため、RIG、特にトップハンドルと呼ばれるカメラ上部のハンドルRIGは必須となる。

また、機構上の問題点として、一眼レフ機を真似た1/4インチネジ+ローテートピンというカメラ止めねじを用いているのだが、これがBMCCの重量に負けてしまって緩みやすく、ショルダースタイルの撮影においては撮影中に簡単にがたつくという事態に容易に陥る。特に、定番のZacuto Stingerはトップハンドルをカメラ上部に付ける構造のため、トップハンドルをつかんだときにカメラ下のRIG全重量が1/4ネジ1本にかかるという状態になってしまう。これは大変不安だ。そこで、私は下記のようなセットで運用をしている。View Factor Cageを付けた上からZacuto Stingerを付けることで、ネジの本数を増やしているのだ。

  • Zacuto Stinger
  • View Factor Cage
otaku_vol6_03.jpgBMCCの底面ネジは1本しかない。もう一つの穴はローテートピンだ。そのため、ケージなどの手段で固定ネジを増やす手法を考えた方がいい

また、Zacuto Strikerも軽量で大変便利なRIGだが、これはローテートピンも付いていない1/4ネジ1本のみでのカメラ固定のため、BMCCをそのまま付けるのは正直言って危険だ。レンズ重量の為にネジ位置が重量センターになっていないBMCCは、ちょっとカメラを振っただけで、テコの原理で簡単に回転してしまう。しかしこれも、Cageを用いて2本ネジで留めることで非常に便利に使う事が出来た。

また、View Factor Cageは単独でもRIGとして機能する。Cageの両側はサイドハンドルの代わりにも使えるため、とりあえず一つRIGが欲しいと言う場合には、これを付けておけば最低限事は足りる(RIG全体をぶら下げるのはしんどいので、その場合には別途トップハンドルを買った方がいいだろう)。

otaku_vol6_04.jpg 使っている三脚は今回Manfrottoだが、クイックシューはAP-5のゲタでLibecに変換してある。そのため、現場で容易にRIGを抜いたり付け替えたりが出来る

更に弊社ではLibecのクイックシューを共用で使っているため、全てのRIGや三脚にAP-5アダプタープレートとクイックシューが2本ネジで装着されている。これによって、素早い運用が可能となっている。

  • Libec AP-5
  • Manfrotto 504HD
  • VARAVON Slidecam lite
otaku_vol6_05.jpg Slidecam liteは、BMCC本体だけに搭載物を絞り込めば、三脚と一脚の組み合わせによる運用も出来る。軽くて丈夫なスライダだ。三脚と共に持ち歩きたい

VARAVON Slidecam liteも今回買いそろえた中では便利な機材であった。値段の割にはスムーズな移動が出来、何よりもちゃんとボールベアリング装備のため、BMCCのような重いカメラであっても全く問題なくスライドすることが出来た。実は安いレールだとBMCCの重さに負けて滑らなくなってしまうものが多いのだったが、このSlidecam liteは難なくBMCCを運用できた。

なによりも、レール自体が軽いため、簡易な三脚と一脚の組み合わせなどでも運用が出来、設置が楽なのが魅力だ。しかも、格安で買える。

BMCCのようなシネマカメラでは、画角が大きく変わるパンやズームは破綻を起しやすい。そのため、こうしたレールは必需品と言える。もちろん本格的なレールがあるに越したことはないのだが、そう贅沢を言っていられる現場ばかりでもないだろう。Slidecam liteは、とりあえず一本持って置いて、三脚と一緒に持ち歩いておけば安心な機材だと言えるのではないか。

特筆すべきはCineroid EVF4 RVW with Retina

otaku_vol6_06.jpg Cineroid EVF4 RVW with Retina。一見普通のEVFだが、なんとRetina。しかもHD-SDIとHDMIの2系統入力対応だ

今回、最大の掘り出し物周辺機器は、これもまたSYSTEM5で買ったCineroid EVF4 RVW with Retinaだろう。実はBMCCは屋外でモニタが見にくく、ピント合わせに苦労していた。また、現状のファームウェアではまだウェーブレットモニタが付いて居らず、MacBook Proを組み込んでThunderbolt経由でのUltraScope利用を行うしか波形モニタを見る方法がなかった。かといって現状のThunderboltの短いケーブル範囲内で撮影システムにMacBook Proを組み込むのはかなりの無理がある。しかし、RAWやLogガンマ収録においては、現場の色合わせもさることながら、何よりも、なるべく多くの色数を幅広く収録することが肝要となる。それを考えると、適切な波形モニタがないというのは収録時には致命的であったのだ。

しかし、このCineroid EVF4 RVWは、Retina解像度(960×640ピクセル、1677万色)のEVFで非常にピント合わせが楽なのだ。オマケにボタン一つで波形モードに突入でき、しかもその波形表示中も左上に撮影画面が出てくるため、そこでのピント合わせも出来る。Retinaの膨大な解像度なので、左上部分だけの面積でも、今までのEVFと同じくらいの感覚でピント合わせが可能なのだ。

左サイドのファンクションボタンは大変に便利で、それぞれ、ピーキング、ピクセル等倍、波形モニタ、そして色飛び警告をトグルで表示することが出来る。BMCCのフォーカスアシストはエッジ強調でしかなく、ピーキングは正直貧弱だ。そのため、ピクセル等倍モードでのピント合わせや、ピーキングアシストが別途あるのは、正直大変に助かる。

otaku_vol6_07.jpg Retina解像度のため、波形モニタを出しながらでも充分にピントが合わせられる。波形範囲内に絵を納める必要のあるRAWやLogガンマ撮影では必須と言える

HDR収録機独特の問題として、Videoカラーと収録カラーの色の違いがあるが、このEVFを使えば、本体モニタでVideoカラーを表示して大体の色を予測しつつ、EVFでは収録デジタルフィルムデータ本来のフラットな収録色を見るということも出来る。これによってより安全確実に、多くの色データをデジタルフィルムの調整範囲内に納めることが出来るだろう。

また、BMCCの周辺機器を想定した本稿では余談となってしまうが、実はこのCineroid EVF4 RVWは、HD-SDIだけでなくHDMI入力も可能となっているのも魅力だ。つまり、GH2などのDSLR機にも使えるのである。DSLR機では本体モニタが写真用で動画用途としては貧弱である事が多いのだが、このEVFを使えば実際の収録状況そのままに見ることが出来るので、よりスムーズな撮影が出来るのは間違いない。

このEVFの駆動は各社バッテリー駆動だが、なんと、ほぼ全てのカメラバッテリー対応の変換プレートが初めからセットに入っているのも魅力だ。つまり、どんなカメラを使っていても、その場にある余ったバッテリーを突っ込めば動くのだ。もちろん、12Vのタップ分岐ケーブルも入っていて、Vマウントや大型バッテリーからの給電も出来る。正直今まではEVFなどは現場でカメラを振り回す必要のあるENGカメラマンだけが使うものと思っていたが、これは手放せない一台になりそうだ。

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WRITER PROFILE

手塚一佳 CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。


[ Writer : 手塚一佳 ]
[ DATE : 2012-10-26 ]
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