久しぶりの登場だわよ。さて、あっという間に師走!年末!そして、今日はクリスマスイブ!イルミネーションが甚だ不快な永子ママだよ、おっはよー!

森山開次展 ―ハコ・ヒト・ハコ― 踊り|空間|映像 にママ降り立つ

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今回はイベントレポートです。さる11月27日、東陽町のGALLERY A4 にて開催中の『森山開次展 ―ハコ・ヒト・ハコ― 踊り|空間|映像』(2011年1月7日まで)へ行って参りました。

森山開次さんは国内外ともに高い評価を得ているコンテンポラリー・ダンサーです。舞いの舞台を劇場と限定することなく、海へ、山へ、国外へ、美術館へと、体ひとつで飛び出して行く自由闊達な活動スタイルは、舞踏の様式や表現ジャンルといった定義をも超え、場の持つエナジーと自らの研ぎすまされた心身を真摯に交配させることにより、今、ここに生きている彼でなければなし得ない、唯一無二の、独創的かつ切実な身体表現を生み出しています。

Kaiji Moriyama: The Velvet Suite

NHKのこども番組「からだであそぼ」をご覧になった方も多いかと思います。

NHK教育「からだであそぼ」

NHK「からだであそぼ」内臓シリーズ~脳

本展覧会のテーマは「ハコ・ヒト・ハコ」。場、人、自らの実在・非実在意識、観念などなど、「ハコ」の内外を森山さん扮する精霊が飛び回り、跳ね、眠り、壊し、新たに開かれた空間を創る。そのスリリングな試みに映像監督として参加したのが、大好きな映像作家、島田大介さんです。

島田大介「Qotori Film」

サカナクション「目が明く藍色」MV

島田さんは今回の展覧会映像を作るため、桜の木の下や海辺など、フレキシブルにあらゆる場へと出向く森山さんに同行。約2年間、その瞬間でしか見られない彼の表現を映像という「ハコ」に収録して来ました。

27日には、森山さんのダンスパフォーマンス(素晴らしかった!)後に、森山さん、島田さん、ヘアメイクアーティスト・松本順さんによるアーティストトークショーが大行列&ぎゅうぎゅうの中で開催され、本展覧会についての思いをそれぞれより伺うことが出来ました。

私が一番心惹かれた言葉は、森山さんのおっしゃった「実在と非実在の境界線」。ちょうど、ただの酔っぱらいながら意外と真面目にお勉強するのが大好きなママは、脳内に映し出されたデータを心が客観視する肉体と心の二元論、いわゆる「デカルト劇場」から組み解かれる現代の表現について、絶賛思案中だったので、大変参考になりました。脳も「ハコ」なら、体も「ハコ」。意識は「ハコ」の内外を自由に往来できるのか否か。森山さんとお会いする機会があったら、そんなお話をしてみたいと切に思いました。

展示も見応えがありました。会場は4つのゾーンに区切られており、1つ目には映像を投影した巨大な立方体がいきなり登場! 観客をセンサーで感知して、映像が変化するシステムが組まれています。他にも、森山さんが描いた絵画イメージを具現化させた内面世界、島田さんによる映像上映、『からだであそぼ』のアーカイブ上映、オブジェ・絵画作品の展示などなど盛りだくさんの内容です。

会場は、ママ的には謎シティー、東京生まれながらにして今回初めて足を踏み入れた東陽町、より徒歩3分。みなさん是非、足を運んで頂き、無意識のうちに「ハコ」に閉じ込められがちな自意識を全開に開放しちゃいましょう。自由が過ぎて捕まっちゃっても大丈夫。だってクリスマスだし、年末だし。みなさまも良い映像を年末年始は見て、英気を養ってくださいませ!それでは、よいお年を(早い)!

WRITER PROFILE

林永子

林永子

映像ライター、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。「スナック永子」やMV監督のストリーミングサイト等にて映像カルチャーを支援。