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[CEDEC2012]日本最大のゲーム開発者向けカンファレンスが開催。映像制作者にもおすすめのカンファレンスも

#CEDEC #Report NOW!

2012-09-06 掲載

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8月20日から8月22日の3日間、横浜市にあるパシフィコ横浜で日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2012」が行われた。CEDECというとゲーム開発の関係者にとってはカンファレンスという場だけではなく、業界人同士の交流や話が聞けて刺激も得られる大切な場という感じではないだろうか。ゲーム開発がメインなので映像業界には無関係のイベントのように思えるが、映像制作者にもお勧めしたいカンファレンスや発表が今年も行われていた。ピックアップして紹介しよう。

質の高いカンファレンスプログラム

まずはCEDECがどういったイベントなのか、ということから紹介しよう。CEDECの講演時間は基本的に1時間で、カンファレンスの数は209件と昨年の210件とほぼ同数だ。1日約70件という膨大なペースで行われるカンファレンスは、各講演は15あるホールで朝から晩まで1日5回ローテーションするような形で運営されている。講演の中でもっとも多いジャンルは「プログラミング」の45件で、「ビジュアルアーツ」が17件、「ゲームデザイン」が13件という感じだ。

講演の見所は、PlayStation3向けソフト「TOKYO JUNGLE」やAppStoreで「パズル&ドラゴンズ」といった近年のヒット作品を実現したノウハウを包み隠さず制作者本人が公開をするようなものだ。ここがCEDECの魅力で、業界一丸になって良い情報をカンファレンスで公開して「業界全体のレベルをどんどん上げていこうよ」みたいな業界全体の発展を目指している。映像業界にはCEDECのようなみんな一丸となってレベルを上げようみたいなカンファレンスはないし、そのほかの業界でも恐らくないだろう。CEDECはとても珍しい例ではないだろうか。

受講者の真剣な姿も印象的だ。CEDECは有料のセミナーで、3日間有効のレギュラーパスがCESA会員/学生の通常申込で25,000円、一般が35,000円とそれなりの金額が設定されている(早期割引はそれぞれの価格から5,000円引き)。講師の話を聞きながらメモをとっている人が多いのも、他のカンファレンスイベントと違うところと感じた。

cedec2012-02.jpg 講演前のホール内の様子 cedec2012-03.jpg 8月22日のスケジュール。基調講演も含めれると9時45分から18時50分までみっちりとセッションが行われる

基調講演にILMの上杉氏が登壇

映像業界でも注目のセミナーを紹介しよう。一番注目だったのは、3日目の基調講演として行われたスタジオ「ILM」(インダストリアル・ライト&マジック)でシニアマットアーティストとして活躍している上杉裕世氏の「デジタル製作環境におけるアナログマインド」だ。上杉氏は、1995年に『スター・ウォーズ 特別編』で3Dマットペインティングを開発し、『エピソード3 シスの復讐』(2005年)に至るまで『スター・ウォーズ』シリーズ全作でデジタルマットアーティストとして活躍している。上杉氏はこの講演でいろいろな作例をスクリーンに投影しつつ解説を行ったが、この講演はスクリーンの転載が不可なので、画は掲載できないことをご了承いただきたい。

cedec2012-04.jpg
「デジタル製作環境におけるアナログマインド」で講師を担当した上杉氏

上杉氏の話の中でもっとも面白かったのは後半の学生時代の武勇伝のような話だ。高校生の時代から8ミリを使った映像制作をしていて、文化祭の際には仲間7人ぐらいで映画を作る機会があったという。その時の悩みは「大学の時は大学の時で金がないですが、高校生の時は輪をかけてお金がありませんでした」と金銭的な問題があった。というのも8ミリフィルムの撮影時間は3分でフィルムと現像でちょうど2,000円。そうなると、30分の映画を作るとするとまったく無駄がない場合で2万円、倍の尺を使ったとしたら4万円かかる計算になる。そこで、学校の周りの商店街を回って1口5,000円で30秒のコマーシャルを作るという営業をかけて映画制作を実現。「半分以上それでまかないました」と苦労話をしてくれた。営業というのも驚くが「高校生の時にすでに特撮を成立させるかという方法論をよく考えていました」というのも驚く話だ。

cedec2012-05.jpg 上杉氏の基調講演は一番広いメインホールで行われた

武蔵野美術大学の油絵科に進学してからは、高校の時に考えていた方法論を大学で実現し始める。大学時代ですでに「ミニILM」を目指していてたと言って話をしたのが、「1軸のモーションコントロールカメラ」や特殊効果を実現するための「オプチカルプリンタ」を手作りで実現した話だ。オプチカルプリンタの初期型は写真の引き伸ばし機を光源したもので、その後8ミリから16ミリ、16ミリから8ミリに戻すモデルもできるものを作ったという。この技術の高さには驚かされるばかりだ。当時のことを、「毎日、あれこれ考えて、思考錯誤をしてやったことが9割5分は失敗で、残りの5パーセントを明日につなげて、毎日前に進み続けるみたいなそんな毎日でした」と振り返りながら話をした。

講演の途中で「アメリカにわたるまでに凄くエポックメイキング的な映像があります」といって1つの映像が紹介された。カブトムシとクワガタが戦う仮装で『欽ちゃんの仮装大賞』に優勝したときの映像だ。これには会場は大ウケだった。

cedec2012-07.jpg司会を担当したセガの第一コンシューマー研究開発部 グループリーダー 岩出敬氏

上杉氏の講演のほかにも注目だったのが1日目に行われたセガの岩出敬氏が司会のラウンドテーブル「ゲームエフェクトの今とこれから」だ。内容は「ゲームエフェクトとは何なのか?」ということや「実際に発注があって、どのように実現するのか?」、技術的な面では「HDRになった際のエフェクト」「物理計算によるエフェクトのリアリティ」などが論議された。また、ゲーム以外のエフェクトの事例からもアニメーションにおけるエフェクト制作として劇場版『マクロスF』から煙のエフェクト事例も紹介された。実際にカットを実現したクリエイターが、ミサイルの煙のエフェクトを実現する方法には「フォトリアルな質感の表現が可能な3DCGのパーティクル」、「カーブを3D空間上に配置して実現するオブジェクトのパスアニメーション」、「デジタル作画などが完全に手で描いてしまう」の3つのパターンがあるということを解説したり、気持ちいいエフェクトを実現するテクニックとして、「カメラ前でミサイルを2枚、3枚は粘らせている。カメラ前ではゆっくり、つぎにコマを抜いて飛ばす」といったことを解説していた。

文量の都合で紹介できないが、ゲーム会社が特色を生かして実現した3D立体映画『ドットハック セカイの向こうに』の製作を解説したものや、バンダイナムコから発売・発表されている立体視ゲームについてゲームの開発メンバーが登壇して解説したものなども興味を引く講演だった。

cedec2012-06.JPG 今年で3回目となるエフェクト制作に関するラウンドテーブル「ゲームエフェクトの今とこれから」
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[ Writer : 編集部 ]
[ DATE : 2012-09-06 ]
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