txt:伊丹迅 構成:編集部

■DJI Ronin 3Dフォーカスシステム
価格:税込17,270円
問い合わせ先:DJI JAPAN

はじめに

DJIから同社製ジンバル「DJI RS 2」の周辺機器としてLiDARスキャンを活用したアクティブ式オートフォーカスシステム「DJI Ronin 3Dフォーカスシステム」(以下:3D Focus)が登場した。

LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)スキャンとは、レーザー光照射の戻り時間や波長から距離や方向などを検出する空間計測システムで、身近なものでは自動車やドローンの安全機能や自動運転、ゲーム機やスマートフォンなどのARアプリ、VRゴーグルの動作などに使用されている。

3D Focusでは、カメラ周辺に装着したセンサーユニットよりレーザー光を照射、被写体からの反射光を捉えてDJI RS 2と連携し、DJI Roninフォーカスモーターがカメラレンズのフォーカスリングを適切に回転させる仕組みとなっている。

パッケージとDJI RS 2

パッケージはコンパクトなセンサーユニットのみ

パッケージには、センサーユニット、アダプター、マニュアルが含まれている。センサーユニットはコンパクトな印象だ。

インボックス一式

センサーユニットはカメラ本体のシューマウント、あるいは付属のアダプターなどを併用してカメラ周辺に取り付ける。

カメラトップに装着した” rel=”noopener” target=”_blank”>3D Focus

センサーユニットをカメラに取り付けしたら、センサーユニットの左右にあるポートからDJI RS 2のアーム、DJI Roninフォーカスモーターへ1本ずつUSB-Cケーブルを接続する。なお、接続にはDJI RS 2 Proコンボに同梱されるDJI製のUSB-Cケーブルを使用すること(他社製品を使用したところ認識されなかった)。実質配線は2本増えるだけなのだが、合わせてアクティブトラックを使用する場合、RavenEyeおよびカメラの配線もあり、外観は煩雑な印象となる。

搭載接続状況。SIRUIのAnamorphic 35mmをAF化

使用前設定

(01)接続が完了したらDJI RS 2の電源を投入し、設定を行う。初めて使用するレンズはキャリブレーションが必要となる。DJI RS 2の液晶画面を左→上へとスワイプし右下の「3Dフォーカス」をタップする

01:右下の「3Dフォーカス」をタップ

(02)レンズキャリブレーションをタップし「キャリブレーション開始」をタップするとレンズのキャリブレーションが始まる。

02-1:「キャリブレーション開始」をタップ
02-2
02-3

(03)自動的に回転を始めるフォーカスモーターによりレンズのフォーカスギアが回されるのだがこのとき、カメラとレンズがしっかりマウントプレート上でツイストしないように留まっていないとフォーカスモーターが空回りしキャリブレーションが完了しない(中途半端に接触していると「ドガガガガガッ!」っという結構心配になる音をフォーカスモーターから聞くことになる)。

レンズに合わせた焦点距離を選択・入力し次へ進む。

03

(04)DJI RS 2を静かな動かないところに置いて、カメラの撮影画面中央1m先(ざっくりでかまわない)に被写体を配置する。

04:システム全体と1m先に配置された被写体

プロセスバーが緑になったらDJI RS 2のフロントダイヤルによって撮影画像の被写体にフォーカスを合わせる。

05

適用をタップして完了。

06

引き続き4m先の被写体に対しても上記を実施する。

以上でキャリブレーションは完了。キャリブレーション結果はプロファイルとして3つ保存できる。

07:プロファイル一覧画面

これで「オートフォーカス化されたマニュアルフォーカスレンズ」として撮影に使用することができる 。なお、センサーユニット天面のボタンもしくはDJI RS 2の液晶画面にてAF/MFの切り替えができる。

被写体の距離に合わせてフォーカスホイールがスルスルと自動的に動作

今回は以下の環境で試用を行った。

” rel=”noopener” target=”_blank”>DJI Ronin 3Dフォーカスシステムの動作例

フィールドテストの様子

3D Focus/RS 2でAFモードを選択しておけば被写体との距離にしたがってフォーカスホイールがスルスルと自動的に動作する。しかし、フォーカスが合わされた手前被写体が” rel=”noopener” target=”_blank”>3D Focusから6~7mほど離れると、フォーカスが背景の方に外れた。背景まで” rel=”noopener” target=”_blank”>3D Focusから11〜12m。背景までの距離がより大きければ、フォーカスは手前被写体をより追い続けたかもしれない。

手前側については、” rel=”noopener” target=”_blank”>3D Focusから1mを切る程度、今回試用のレンズ最短撮影距離までフォーカスが合わせられ続けた(これ以上焦点距離が小さい方向にはフォーカスリングが回されない)。画面外から被写体が現れる場合、やはりある程度中央付近に近づいたところでフォーカスは合わせられた。

DJI RavenEye併用のアクティブトラックは、基本的に対象として設定した被写体への追従は適切に行われるが、フォーカスが間に合わないままでもそのまま機能を続けたりする。なお、アクティブトラックの対象となる被写体設定はスマートフォンアプリやDJI RS 2本体液晶の撮影画面にて行うが、それを捉えているのは” rel=”noopener” target=”_blank”>3D Focusなので不思議な感覚だ(ちょっと不審ではある)。

ちなみにカメラがオフの状態でも独立動作し、フォーカスギアやフォーカスリングが回される。

先の試用環境のレンズが最短撮影距離0.85mであるので、近接への対応を確認する意図により下記レンズによっても別途試用を行った。

・コシナ Nokton 25mm f0.95

このレンズの最短撮影距離は0.17m。レンズの刻印および目視による実測によると、被写体との距離0.4m程度までフォーカスが機能した。

多くのマニュアルレンズがAF化されることは革命的

フォーカスダイヤルやフォーカスギアから片手が開放され、ジンバルそのもののオペレーションに集中できる。アクティブトラックも使用できる。ワンマンオペレーションにとても有効だ。パッシブ式とは勝手がことなるものの、多くのマニュアルレンズがAF化されることは革命的とも言える。アクティブ式なので暗所でも動作が可能だ(今回は未試用)。

気になる点としては、ユーザーマニュアルによれば撮影画像の中央付近にのみフォーカスを合わせられる、センサーユニット仕様はFOV ±15°とのことで、撮影画像とレンズの画角とは無関係だ。広角、超広角レンズ使用時では、ちょいと動作可能範囲を把握しづらいかもしれない。

また、フォーカスリングが最大最小位置でハードストップしないレンズでは、フォーカスモーターが延々と回り続けキャリブレーションが完了しないので使用はむずかしい(手でつかみ留めるなどしてムリヤリにキャリブレーションを完了させる方法があるらしい)。

” rel=”noopener” target=”_blank”>3D Focusはジンバルと連携することでのメリットもあるが、それを排したLiDARスキャン式オートフォーカスシステムの実装も気になりはじめてきた。既にジンバル非連携の後付けシステムは登場しつつあり、「CDA-TEK PBC Controller For Pocket 4K/6K」などがそうだ。

DJI Ronin 3DフォーカスシステムはDJIストアにて価格17,270円。最新のオートフォーカスシステムを入手、体験する価格としては安い(と感じた)。皆さんも導入してみてはいかがだろうか。

伊丹迅
綺麗め女子、ネコ、風景を写真・映像で素敵に表現する作家、ドローンパイロット。「Panasonic S5/S1/S1R/S1H User’s Information Board」「Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K & 6K info」「DJI RS 2/RS C2, RONIN 使用者懇談会」「DJI MAVIC・SPARKオーナーズ」などのFacebookグループを管理運営する。徳島ドローン協会 設立者/事務局長。正体は悪魔音楽集団「ギロチン伯爵」主宰/ヴォーカリストの悪魔、デーモン獄長。

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編集部

PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。