PRONEWS

  • imgABOUT
  • imgTWI
  • imgFB
  • imgYTU

トップ > コラム > 石川幸宏 > [石川幸宏のコラムーチョ]Vol.14 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア代表 別所哲也氏に訊く!

News

[石川幸宏のコラムーチョ]Vol.14 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア代表 別所哲也氏に訊く!

2011-06-14 掲載

第13回 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア開催を前に

ショートフィルム専門の映画祭『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)』が、6月16日〜26日の日程で今年も例年通り開催される。第13回目を迎えるSSFF&ASIAは米国アカデミー賞の公認国際短編映画祭として、世界各国から約4,200以上の作品が集まり、いまや世界でも著名な短編映画祭となっている。注目すべきは、最近この手の映画祭の応募作品傾向として顕著なデジタル一眼レフカメラ(DSLR)による作品応募だ。今回のSSFF&ASIAでも、DSLR撮影による作品は応募総数の約1/4を占めており、すでにショートフィルム撮影でもスタンダードな機材となっているようだ。

開催に向けて準備も忙しい中、SSFF&ASIAの代表でもある別所哲也氏に、普段では聞けない映画撮影機材などのお話を伺う機会を得た。

映像の持つ力をいまこそ!

TB_PRONEWS01.jpg
© Short Shorts Film Festival & Asia

–映像テクノロジーの進化において、映画の作品性も進化していると感じていますか?

僕たちが”フィルムフェスティバル”と名乗っているのは、映画の原点に対して敬意を表して、あえて”フィルム”としていますが、時代の変遷とともにフィルムで撮影された作品は減り、いまではデジタル撮影された作品がほとんどです。そういう意味では技術とともに映画も進化していきますし、ショートフィルムは”ノールール”ですので、映画祭にも型破りな方法で参加して来て欲しいと思っています。

これはあくまで僕個人の考えですが、映画制作において、かつてはプリプロダクション、つまり脚本やコンテ作り、ロケーションスカウトなど、映画の制作手順のうち最初の段階が重要だったと思います。今でももちろんそれは大切なのですが、撮った後にどういう編集加工ができるかなど、最後のポストプロダクションでの処理で何ができるかを事前に知っていないと、作品が仕上げられない時代になっています。これから映像制作を目指す方はまずポストプロダクションの勉強を最初にするべきなのではないかな、思うときがありますね。今は様々なテクノロジーを味方につけないと良い映画が撮れないという時代に入っているのかも知れませんね。

–別所さんご自身も映像テクノロジーや撮影機材などに興味をお持ちなのでしょうか?

僕は昔からカメラなどメカニカルなものが大好きなので、昔の8mmカメラなどは、スクラップでも集めて手元に持っておきたいくらい好きです(笑)。特に最近ではデジタル一眼レフカメラの技術とその表現力は凄いと思いますね。照明が少なくても良いとか、色んなレンズを使ってこれまでには考えられなかったようなアングルや表現が撮れるなど、映画制作の道具がどんどん広がっていると感じています。ポストプロダクションなどの編集部分でも”デスクトップ・フィルム・メイキング”などと呼ばれていますが、PC1台で編集も出来てしまうので、これまでの(映像制作の)教科書的な文法にはない型破りな方法で創る人も出てくるでしょうし、興味津々です。

–EOS MOVIEなど、DSLRで撮影された映像についてはどのような印象をお持ちですか?

最初にEOS MOVIEの画を観たときは本当に驚きました。とてもフィルムライクで、それぞれの作家の個性も出ていますし、カメラの持っている力に驚かされましたね。今回の応募作品の中でもデジタル一眼レフカメラで撮った作品が多く寄せられました。日本国内だけでなく、海外でもデジタル一眼レフカメラで撮られた作品がこの1、2年で本当に増えましたね。これから一つの映像作りの選択肢として、かなり大きな位置を占めてくると思います。EOS MOVIEの映像は、一般の方が観れば単に”キレイな映像だな”と思うだけかも知れませんが、作り手からすれば制作方法の幅が広がり、これまで発想出来なかったような撮影、例えば10台のカメラを並べて同時撮影するなど、ハリウッドクラスでもなかなか出来なかったようなことが出来るようになったことは、本当に可能性が広がったと思います。

また今年SSFF&ASIAでは、3.11東日本大震災への復興支援企画として、世界の映画人なども協賛するチャリティ・オークションも行われる。

(この震災では)”映像が持っている力”の良い部分も悪い部分も見せつけられたと思います。映像メディアのあり方もそうですが、事実を伝える強力な道具にもなれば、事実と違うことを伝えてしまうものにもなる。だけれども映像の持っている力は凄くて、人を奮い立たせて一つにまとめる力や、たった一人の苦しみを日本全国で分かち合うことが出来たり、まさに”魔法”のような存在で、しかもそれを僕たちは皆受け手となり、また発信する側にもなり得る事を体感し、痛感しました。この時代の日本に生まれて、僕たちはこの歴史的な悲劇に遭遇してしまいましたが、一番大切な事は目を背けずに、みんな一緒に立ち向かっていくということだと思うのです。そんな中で映画祭の主催者として本当に心を打たれたのは、海外の方からたくさんの励ましのお言葉を頂戴したことです。

その代表として、初年度よりこの映画祭を応援してくれているジョージ・ルーカス監督から、僕たちの映画祭に対して、「自粛などせず、ちゃんと実施して『日本は大丈夫だ』ということを示してほしい」という応援と、被災地にも心配りを頂いた今年の開催に向けてのメッセージレターを頂きました。それを発端に、映画祭では被災地に向けたチャリティ・オークションを行い、その売り上げの一部を義援金として被災地に送りたいと思っています。何よりもこの映画祭に世界の映像作家が集い、未来に向けて映画の持っている感動を分かち合う力、元気を生み出す力、そして現実から目を背けずに前進する力になって欲しいという思いを込めて、この映画祭を開催したいと思っています。

ショートショートフィルムフェスティバル&アジア 2011

  • オフィシャルHPhttp://www.shortshorts.org
  • Twitter:@s_s_f_f
  • 会場:表参道ヒルズ スペース オー、ラフォーレミュージアム原宿、ブリリアショートショートシアター(横浜)他で6月16日より26日まで開催

WRITER PROFILE

石川幸宏 映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。


[ Writer : 石川幸宏 ]
[ DATE : 2011-06-14 ]
[ TAG : ]

関連のコラム一覧

[石川幸宏のコラムーチョ]Vol.20 4K Ready!ソニー民生用4Kプロジェクター発売とその意味とは?

今年のInterBEE会場で最も目を惹いたキーワードは「4K」だ。昨年までの3Dに代わって、今年はどのブースでも4K、8Kといった文字が踊っていたのは、個人的にも非常に気になった。... 続きを読む

[石川幸宏のコラムーチョ]Vol.19 CINEMA EOS その誕生を見る -ハリウッドで発表イベントを独占取材-

"11月3日、キヤノンがハリウッドにて歴史的発表を行う!" 9月中旬にこのアナウンスが出されて以降、業界関係にも詳細な情報は一切提示されず、世間では様々な憶測を呼んでいたが、いよい... 続きを読む

[石川幸宏のコラムーチョ]Vol.18 悩ましいデジタル映像アーカイブの世界に光明は見えるか?LTOvs光ディスク

LTOvs光ディスクの戦いの幕が開いた? ファイルベースによる映像データの運用時代に本格突入し、どのジャンルでも一番の問題になっているのは映像データの保存/アーカイブの問題だろう。... 続きを読む

[石川幸宏のコラムーチョ]Vol.17 3Dコンテンツ普及の要〜2D-3D変換作業の実態とは

3D映画制作に必要な2D-3D変換作業の実態 新たな3D映画ブームの火付け役となった映画「アバター」の成功から早2年。以来、映画業界はハリウッドを中心に3D化へ一気に突き進んでおり... 続きを読む

[石川幸宏のコラムーチョ]Vol.16 サイネージメディアとしても注目のプロジェクション・マッピングの夕べ

日本でもプロジェクション・マッピング協会が発足 8月4日〜7日で神奈川県逗子市の逗子小学校、逗子文化プラザ等の施設があるエリアで開催された「ZUSHI MEDIA ART FEST... 続きを読む

WRITER PROFILE

石川幸宏 映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。


Writer

編集部
PRONEWS編集部による新製品レビューやイベントレポートを中心にお届けします。
小寺信良
業界で噂の新製品を、AV WatchやITmediaのコラムでもおなじみの小寺信良氏がレポート。
raitank
アートディレクター。あまたの海外ソースを読み漁ってHDSLRを独学。国内と海外の情報流通の温度差にモーレツな疑問を感じ、最新の情報を自ら日本語で発信するblogを運営中。
ふるいちやすし
自身で脚本、監督、撮影から編集、音楽までもこなすマルチプレーヤー。
岡英史
バイクレース及びF3レース参戦など、映像とはかけ離れた経歴を持つ異色ビデオカメラマン
江夏由洋
兄弟で株式会社マリモレコーズを設立し、ノンリニアにおける映像技術、映像制作を中心に、最新技術を取り入れたワークフローを提案している。
鍋潤太郎
ロサンゼルスを拠点とするVFXジャーナリスト。
林和哉
映像プロデューサー/ディレクター。入口から出口まで全てのポジションを守備範囲にしている。最新技術が好物で、各種セミナー活動も豊富。
江口靖二
江口靖二事務所主宰。現在デジタルサイネージコンソーシアム常務理事などを兼務。
栁下隆之
写真家アシスタント、現像所勤務を経て、撮影機材全般を扱う輸入販売代理店で17年余り勤務の後に、撮影業界に転身。一眼カメラによる撮影を得意し、代理店時代に手がけたSteadicamや、スタビライザー系の撮影が大好物。
猿田守一
企業用ビデオ、CM、ブライダル、各種ステージ記録など撮影から編集まで地域に根ざした映像制作活動やCATV局などへの技術協力なども行っている。
オースミ ユーカ
映像ディレクター。企画、脚本から演出までジャンルを問わず活動。
土持幸三
1970年生。鹿児島県出身。俳優を経て渡米。LA市立大卒業・加州立大学ではスピルバーグと同期卒業。帰国後、映画・ドラマの脚本・監督を担当。川崎の小学校で映像講師も務める。
鈴木佑介
日本大学芸術学部 映画学科"演技"コース卒の映像作家。 専門分野は「人を描く」事 。 広告の仕事と個人ブランドでのウェディングがメイン。 セミナー講師・映像コンサルタントとしても活動中。
松本敦
映像クリエイター。企業VPからスポーツイベント撮影まで幅広く手がける。アクションカムやドローンなどの特殊ガジェット好き。
宏哉
フリーランス2年目の駆け出し映像屋さん。バラエティーから報道や空撮まで幅広い番組撮影をこなすテレビカメラマンであり、ダンスイベントから幼稚園お遊戯会収録まで請け負う街のビデオ屋さん。タイムコード・ラボ代表。Next-Zero.com管理人。
山下大輔
東京オフラインセンタープロダクトサポート所属。個人でもAdobe Premiere ProやAfterEffectsの勉強会を定期的に開催している。
柏原一仁
日本大学芸術学部写真学科卒、銀一株式会社海外商品部勤務。 銀一が世界中から輸入する写真・映像用品ブランドのマーケティング担当。静止画・動画・音声と様々な技術に翻弄される日々。好きな食べ物はからあげ。
井上晃
映像制作会社「有限会社マキシメデイア」代表、制作プロデューサー&キャメラマン。Facebookグループ「ATEM Tech Labo」、「Grass Valley EDIUS ユーザーグループ」を主催して、ATEMやEDIUSの布教に、日々勤しんでおるでよ。
奥本宏幸
大阪を拠点にしているフリーランスの映像ディレクター。演出・編集・モーショングラフィックをバランス良くこなす。フィンランドサウナが好きです。
安藤幸央
無類のデジタルガジェット好きである筆者が、SIGGRAPH ASIAやCESなど海外の注目イベントを紹介。
手塚一佳
CGムービー制作、ネットワークゲーム制作を得意とするデジタルデザイン会社アイラ・ラボラトリの代表取締役。
高野光太郎
Cosaelu株式会社 代表取締役 / 映像ディレクター ミュージックビデオ、番組オープニングタイトル、CM、劇場映画、全てをデスクトップで制作。
ヒマナイヌ
頓知を駆使した創造企業
駿河由知
中央区築地出身。マルチカメラ収録&配信ユニット「LiveNinja」メンバー。2006年より株式会社スタートライン設立。外務省、国連機関、国際NGOなどの国際会議やシンポジウム、企業イベントなどのライブ配信を担当
山本久之
映像エンジニア。フリーランスで映像設備のシステムインテグレーションと、ノンリニア編集に携わる。
ベン マツナガ
未来シネマ/ディレクター。ハリウッドでの大型映像制作、短編時代劇の自主映画制作を経て、現在は、映像を通じて人と人をつなぐことをテーマに様々な映像制作に取り組んでいる
河尻亨一
1974年大阪生まれ。雑誌「広告批評」を経て現在は実験型の編集レーベル「銀河ライター」を主宰、企業コンテンツの企画制作なども行う。デザイナー石岡瑛子の伝記「TIMELESS」(http://eiko-timeless.com/)をウェブ連載中。
茂出木謙太郎
株式会社キッズプレート代表。「楽しいInternetコンテンツ」をテーマに活動。現在VRの可能性をまさぐり中。CG-ARTS協会会員
稲田出
映像専門雑誌編集者を経てPRONEWSに寄稿中。スチルカメラから動画までカメラと名のつくものであればなんでも乗りこなす。
黒田伴比古
報道・ドキュメンタリーエディターでありながら、放送機器に造詣が深く、放送局のシステム構築などにも携わるマルチプレーヤー。
ヒラタモトヨシ
ファッションとテクノロジーを繋ぎイノヴェーションを生み出す事をライフワークとし、WEB/ライブメディア/高精細映像表現を追求。
猪蔵
いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野の雑誌編集者。
須藤高宏
東京・国分寺市に於いて録音スタジオ「マイクロサウンド」を運営し各種録音編集に携わる傍ら最近では各種イベント配信音声を担当。
林永子
2005年よりサロンイベント「スナック永子」を開催。通称「永子ママ」
ViewingLab
未来の映像体験を考える有志の研究会。映画配給会社、映像作家、TV局員と会員は多岐に渡る
石川幸宏
映像専門雑誌DVJ編集長を経て、リアルイベントを中心とした「DVJ BUZZ TV」編成局長として活躍中。
山下香欧
米国ベンチャー企業のコンサルタントやフリーランスライターとして、業界出版雑誌に市場動向やイベントのレポートを投稿。
岡田智博
クリエイティブクラスター代表。メディアアートと先端デザインを用いたコンテンツ開発を手がけるスーパー裏方。
萩原正喜
米国コロラド州から、米国のデジタル放送事情からコロラドの日常まで多岐に渡るコラムをお届けします。
坪井昭久
映像ディレクター。代表作はDNP(大日本印刷)コンセプト映像、よしもとディレクターズ100など。3D映像のノンリニア編集講師などを勤める。
しらいあきひこ
カメラメーカー、ゲーム開発などの経験を持つ工学博士が最先端のVR技術を紹介。
秋山謙一
映像業界紙記者、CG雑誌デスクを経て、2001年からフリージャーナリストとして活動中。
今間俊博
アナログ時代の事例を通じ、教育関連の最新動向を探る。
金田浩樹
映画・テレビの映像制作を中心に、USTやニコ生等、ライブメディア各分野を横断して活動中。ジャンルや固定概念にとらわれない構成力と発想に定評あり。
伊藤裕美
オフィスH(あっしゅ)代表。下北沢トリウッドでアニメーション特集上映を毎年主催している。
UserReport
業界で話題の商品を実際に使ってみてどう感じたかを、各方面の様々な方々にレポートしていただきました。
System5 Labs
SYSTEM5スタッフが販売会社ならではの視点で執筆します。

トップ > コラム > 石川幸宏 > [石川幸宏のコラムーチョ]Vol.14 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア代表 別所哲也氏に訊く!