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[ゴルディアスの結び目-Gordian Knot-]Vol.11 プロジェクションマッピングに見る映像ビジネスのいま

2013-12-27 掲載

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プロジェクションマッピングの隆盛を考える

2013年、4Kへの盛り上がりは映像業界の至る所で取り沙汰されているが、今後の話題だけが先行している状況が多い。そんな中で、現実面で今年の映像ビジネスを象徴するものとしては、やはりプロジェクションマッピング(PM)の隆盛を無視するわけにはいかない。

PMは昨年9月と12月に行われた東京駅でのPMショー「TOKYO STATION VISION」でその存在が一般認知/拡大され、今年は国内で相当数のPMイベントが開催されたが、夜間の時間が長くなる上に、様々な要因もあって、まさにPMにとってのベストシーズンが到来した。

GK_11_02.jpg 高さ58.2m×幅40.8mの「そごう柏店」正面全域を使用して行われた「ヒカリデッキかしわ2013」
※クリックすると拡大します

12月20~22日の3日間、柏駅(JR常磐線)前に巨大スクリーンにした本年度年末最大級のPMショー「ヒカリデッキかしわ2013」が開催された。これは千葉県柏市とヒカリデッキかしわ2013実行委員会の主催による、“元気な街・柏”を市内外へ発信していく「We Love Kashiwa キャンペーン」事業の一環として、PMを使った年末イベントを柏駅の東口ダブルデッキを観客席にし、スクリーンを柏駅東口の高さ58.2m×幅40.8mの「そごう柏店」の正面壁面の全域に合わせてプログラミングされたオリジナル映像を投射。一日3回、約10分の映像コンテンツを上映。柏市では1回に1,500名の観客を抽選で選出し、会場前のデッキ部分を観客席として開放した(残念ながら初日の2回は強風による天候不順のため中止)。

撮影:VIDEONETWORK

またこの上映されるコンテンツ制作にも国内外の著名アーティストが集った。DJ、音楽プロデューサーとして活躍するm-floのVERBAL氏と矢野パブロ氏が設立したクリエイティブエージェンシー「WHATiF」が参加したほか、今年ワイマール(ドイツ)で行われた国際コンペ「Genius Loci Weimar」で優勝したフランスのクリエイター集団「RDV Collectif」や、今年開催された国内のPM国際コンペ「逗子メディアアートフェスティバル2013」の優勝者「FLIGHT GRAF」など、各アーティストがオリジナル作品を披露している。

GK_11_04.jpg クリスティ・デジタル・システムズ社製の高輝度プロジェクター8台を使用。上映直前まで細部の投射微調整が図られる

機材的にも国内最大級の機材が投入された。プロジェクターは今回のこの巨大規模に投影するために、クリスティ・デジタル・システムズ社製のプロジェクター8機を投入。35,000lm(ルーメン)/2K(2048×1080)解像度のChristie Roadie HD+35K×2機と20,000lm/HD解像度のRoadster HD20K-J×6機の合計8機のプロジェクターを使用。グラフィックコンテンツは、ビデオマッピングプロセッサー「Pandoras Box Media Server」でオペレートされていた。機材設置とオペレーションは、映像が(株)マグナックス、音響が(株)エディスグローヴがそれぞれ担当。オーディオ面のオペレーションに関してはローランドのM-200iライブミキシングコンソールが使用されていた。

GK_11_05.jpg 映像コントロールはビデオマッピングプロセッサー「Pandoras Box Media Server」を使用

ちなみに機材面でのトリビア的な話題を少々。今回使用されているプロジェクターは高輝度業務用プロジェクターメーカーの世界最大手である、クリスティ・デジタル・システムズ社(CDS)の製品だ。大概において大規模なPMショーでは、20,000lm以上の高輝度プロジェクターのメーカーは同社のほかバルコとパナソニックの3社しかなく、市場シェアもおよそ4:4:2の割合だ。さらにレンタル品としてもまだ数が少ないため、世界のPMには同社製が使用されているケースが多い。

CDS社は1929年創業の老舗で、当初自動車用のバッテリー充電器、そしてフィルム映写機のメーカーとして創業し、その後映写機のカーボンアークランプ用電源を開発してきた。しかしこのCDS社、実はすでに日本のメーカーといっても過言ではない。1970年から日本の光技術の最大手メーカー、ウシオ電機の映画館用キセノンランプの総代理店として機能して来た経緯があり、その後、1992年にウシオ電機の子会社であるウシオアメリカの100%子会社として買収された。そして1999年にカナダのElectrohome社からプロジェクション部門を買収、現在は技術開発と製造をカナダで行い、販売/マーケティングを米国が受け持つというグループ構成で、世界市場に向けて本格的なデジタルプロジェクターの製造販売を行っている。そして2003年にクリスティ・デジタル・システムズ日本支社が設立された(本社:東京都江東区有明)。

GK_11_06.jpg 音響面は、ローランドの「M-200i」ライブミキシングコンソールを使用
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WRITER PROFILE

石川幸宏 20年以上にわたり映像系ジャーナリスト/アドバイザー/プランナーとして活動、2016年よりHOT SHOTを創刊、同編集長としても活動中。


[ Writer : 石川幸宏 ]
[ DATE : 2013-12-27 ]
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石川幸宏 20年以上にわたり映像系ジャーナリスト/アドバイザー/プランナーとして活動、2016年よりHOT SHOTを創刊、同編集長としても活動中。


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