8月8日より夏季オリンピックがついに始まった。今年のオリンピックの放送について、前代にないフルHDクオリティでの放送環境が実現したことは勿論、H.264フォーマットの採用をはじめ、さまざまな視点で初めての試みが行われている。  オリンピック委員側によると、今年のオリンピックの報道時間はワールドワイドで合わせて5000時間以上。 これはアトランタオリンピックの3800時間を余裕に超える、史上最大規模であるという。 現場北京では200カ国から合わせて1000台以上の報道カメラが収録に使われている。現地には50万人以上の海外からかけつけた観客が、10500人ものアスリートの競技を見守る。報道カメラと、北京市内にある31か所、および市外6か所の放送施設と59か所のトレーニングセンターはコンテンツ配信ネットワーク下でリンクされている。 ホスト・ブロードキャスターのEBU(欧州放送連合)は、37か所の会場で繰り広げられる302競技を報道するため、5000人以上のスタッフを揃えた。また、ワールドワイド規模ではIBCに250社もの報道関連が集まっており、総合で12000以上の現場スタッフが出入りしているという。