カナリア株式会社は、これまでのパン・チルトに加え、ロールを追加した3軸の雲台を使用した手術システムを開発した。 カナリアの手術撮影システムの特徴は、3軸によるビデオカメラのリモート制御。映像業界の場合は、あらかじめ一番良いポジションを決め撮影するが、手術現場における撮影は必ずしも良いポジションで撮影できるわけでない。手術に関わる医師、スタッフ、そして必要機材が優先的に配置されるため、ほとんどの場合、医療機器と機器の間から撮影することとなる。 そのため、従来の2軸(パン・チルト)による制御だと撮影映像が斜めになってしまい、非常に見づらい映像となってしまう。そこで、3軸目のロールを追加することで、いかなる撮影ポジションにおいても斜めになった映像をまっすぐに修正することが出来る。 この雲台は、1kg以下のカメラであれば搭載可能。ただし、カメラの大きさによっては、搭載できない場合もある。また、VISCAやLANCプロトコルに対応した民生用(市販)ビデオカメラ・産業用のカメラブロックを利用すれば、カメラ制御に対応させることも可能。HDVカメラを利用すればハイビジョン撮影も出来る。 カナリアの3軸雲台用標準リモコンは、幅約160mmと可能な限り小さくまとめてある。また、映像の撮影現場と違い、医療現場の撮影は頻繁に位置を変更したり、カメラの設定を変更することがないため、標準仕様では一切不要な機能を取り除いている。余計なものを取り除くこ とによって、誤操作を防ぐことも出来る。カメラ制御を利用する場合は、必要に応じてボタンを追加することも可能。 既存の無影燈などにも取り付けることができるので、簡単に手術システムに組み込める。また配線などもシンプルなので現場の邪魔になるようなことはない。 詳しい仕様や実際の動作映像などは、下記カナリアのWebページで確認することが出来る。 http://www.canaria-net.co.jp/solution/medical/medical01.html