業務用ブランドをJVCに統一した日本ビクターは1月8日、東京・港区の新橋ビクタービルで記者会見を行い、SDHCメモリーカード記録の業務用ハンディ型カメラレコーダー「GY-HM100」を発表した。4月下旬にオープン価格で発売する。市場想定価格は50万円以内になる見込み。会見で武倉弘幸 常務取締役は、業務用機器をJVCブランドに統一した日本ビクターのクリエーション事業について、「2009年度は、新ハンドヘルド・カムコーダーの部門でトップ、さらに制作用カメラ市場では、今後発売予定のコンパクトショルダー型を含み、グローバル台数でシェア20%を目指す」と話した。

業務用HDカメラレコーダーGY-HM100は、昨年のInter BEE 2008でメモリーカード記録ハンディ型カメラレコーダーとして参考出展していたもの。SDHCカードスロット2つを持ち、テープレスカメラであることは確認していたが、その詳細は一切明らかにされていなかったカメラだ。

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GY-HM100のフジノン製10倍ズームレンズ。3.7〜37mmという表示が見えるが、35mm換算値は不明。
 

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XLR入力は、マイク/+48Vファンタム電源/ラインの独立切替とゲインの独立調整が可能

GY-HM100のフジノン製10倍ズームレンズ。3.7〜37mmという表示が見えるが、35mm換算値は不明。
 

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XLR入力は、マイク/+48Vファンタム電源/ラインの独立切替とゲインの独立調整が可能

今回の記者発表で明らかになったGY-HM100は、イメージセンサーに1/4型プログレッシブ3CCDを採用。3CCDによる豊かな色再現と、14bitDSP処理による高解像度を実現している。レンズは固定式で、フジノン製10倍ズームレンズを搭載する。1.4kgの本体重量と新開発の光学式手振れ補正機能で、高画質HD収録をサポートしている。オーディオ収録は、左右独立のXLR入力を搭載。マイク、+48Vファンタム電源、ラインの独立切替、ゲインの独立調整が可能。

HD映像の収録はSDHCカードに行う。2つのカードスロットは、本体側面・底部にあった。ファイルフォーマットにQuickTime、コーデックにMPEG2 Long GOPを採用し、映像解像度は1080i/1080p/720pに対応する。1920×1080と1280×720の解像度では、25p/24pでの収録も可能だが、可変フレームレートはサポートしていない。映像ビットレートは最高35Mbps。32GB SDHCカード1枚で、35MbpsのHQモードで約100分、19Mbpsの720p収録の場合で約180分の収録ができる。

QuickTimeフォーマットを採用したことで、アップルのFinal Cut Proのタイムラインにダイレクトに配置することができるという。「Final Cut Proでは特にプラグインも必要なく」と言っていたことから推測すると、おそらくFinal Cut Pro付属のMPEG2再生プラグインで再生可能にしているのかもしれない。つまり、その他のノンリニア編集システムでも、QuickTimeフォーマットとMPEG2 Long GOPが扱えるものであれば、それほど手間もかからずに編集が可能になりそうだ。H.264ベースのAVCHDではなく、HDVにも採用されているMPEG2 Long GOPを使用したことにより、編集に使用するマシンスペックは現行のハイエンドマシンではなくても編集可能になる。記者発表会場では、Mac Proだけでなく、MacBook Proでのデモも行っていた。

(秋山 謙一)