Thomson 社(以下:トムソン)が、グラスバレー部門を売却することが内部からの情報で明らかになった。 この売却はThomson社の役員会で承認された。これからの指針としては、テクニカラー事業やセットトップ事業といった、コンテンツクリエーターへのサービスに焦点を置くという。

グラスバレー部門では、カメラやスイッチャ、ノンリニア編集機器といった放送用機器から元カノープス社のブランドであったデジタルサイネージ・システムも取り扱っており、昨年は、トムソン全体の20%収入にあたる13億ドルを売り上げている。

トムソンは、2008年の監査連結決算表を3月に正式に発表するが、非監査では前年と比べて、2008年の第4四半期の非監査の統合収入は19億ドル―8.2%低下で、およそ27億ドルの純負債がある。

トムソンは、前社長のFrank Dangear氏の時代に、グラスバレーおよびカノープス社など多くの放送関連企業を買収、ビデオソリューションプロバイダーとして、グラスバレーの放送事業、テクニカラーのフィルム製作・サービス部門、そしてセットトップ事業、これらビジネスを主にヨーロッパ浸透を目指して進めていた。しかし、既存の製品ラインとシナジー効果を生み出すトムソン社を築き上げるつもりが、投資家たちの懸念どおり、いつまでもうまくいかず、最近 米大手のケーブルオペレータのComcastと大規模な契約ができたくらいでとどまってしまっている。

昨年秋には、Dangear氏に代わってAlcatel-Lucent社から抜擢されたRose氏が社長に就任、大企業トムソン社の舵を取りなおす任務が与えられた。