パナソニックは2月17日、18日の両日、パナソニック システムソリューションズ ジャパン(東京都港区)新宿営業本部セミナー会場において、パートナー、ユーザー向けに新製品説明会を開催した。説明会では、12日に発表したばかりの新P2HDカメラレコーダーAG-HPX305の機能説明と、今秋に発売予定のHD-SDI入出力付きハンディサイズAVCHDレコーダーAG-HMR10と専用カメラヘッドオプションAG-HCK10について報告した。発売直前のAG-HPX305については実機を展示し、実際の使い勝手を確かめられるようにしていた。

AG-HPX305は、3月に125万円(税別)で発売する、P2HDシリーズの最新モデル。バッテリーと付属のフジノン製17倍ズームレンズを付けた状態で、全体重量6kgを切る軽量化を行っているほか、約18Wと低消費電力化を実現している。肩乗せ型でありながら筐体の高さを抑え、側方視界の確保にも配慮している。厚さは従来機とあまり変わらない印象だが、高さが抑えられたことで、よりコンパクトになった印象を受けた。

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今回、低消費電力化に大きく寄与したのは、新開発のイメージセンサーとデジタル映像処理LSIだ。これまでイメージセンサーにはCCDを使用してきたが、AG-HPX305では新開発の1/3型2.2メガピクセルCMOSを3枚使用している。このセンサーで得られた映像を内部20bitで処理するデジタル映像処理LSIにより、カメラ画質設定、レンズ色収差補正、黒潰れ/白飛び抑制、ガンマテーブル処理を行うことで、高品質な映像処理とともに大幅な低消費電力化が可能になったという。映像は、フルピクセル(1920×1080)・フルサンプリング(10bit 4:2:2)で、P2カードにAVC-Intra(50/100)コーデックで記録できるようになった。これまでの肩乗せ型P2HDカメラレコーダーでは、P2カードスロットが4つ以上あったが、AG-HPX305では2スロットとなっている。

パナソニック システムソリューションズ ジャパン営業本部 商品マーケティングセンター放送・SAVチームの菊地雅也氏は、AG-HPX305のセンサーについて、次のようにコメントした。

「プレスリリース上では『3MOSイメージセンサー』と表記しているため、MOSセンサーを使用しているような印象があるかと思いますが、使用しているセンサーは新開発したCMOSセンサーを使用しています。今回、このクラスでもAVC-Intraを採用し、フルピクセル・フルサンプリングで記録できるようになることは大きな強みとなります」

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肩乗せ型P2HDカメラレコーダーではかなりの低価格化を果たしたAG-HPX305だが、これまでのP2HDカメラレコーダート同様に、Varicam機能も搭載し、720モード時に20段階のバリアブル・フレームレート収録ができる。もちろん、パナソニックのカメラレコーダーで定評のあるガンマモードの変更も可能で、2種類のシネライクガンマを含め、7つのガンマモードも持っている。

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AG-HPX305の本体機能で大きく変更が加えられたのは、今回初めてビューファインダー(VF)とLCDモニターでアスペクト比16:9を採用し、さらにVFのカラー化も行っているということだ。VFは0.45型・約122万画素(横RGB各852×縦480ピクセル)、LCDモニターは3.2型約92.1万ピクセルとなっている。実際にVFを覗いてみたが、16:9に変更した影響は大きく、カラー化の恩恵と合わせて映像の確認がしやすくなっていた。今回の新製品説明会では展示されなかったが、パナソニックは、従来のP2 HDシリーズとDVCPRO HDシリーズについても、VFをカラー化するオプション製品を投入する。AJ-HPX3700G/2700G/3000G/2100とAJ-HDC27H/HDX900/HDX400Aの各製品で使用できる1.0型カラーVFを、第2四半期中に80万円(税別)で発売するとしている。