日本電気株式会社(東京都港区、以下:NEC)は2月22日に、同社が開発した映像品質の客観評価技術が、ITU-T SG9(国際電気通信連合 電気通信標準化部門作業グループ9)における映像品質の客観評価方法に関する国際標準規格J.249(ITU-T推奨のデジタルケーブルテレビ向け映像画質測定方法)の一方式として採用されたことを発表した。

本技術は、少量の画像特徴量を用いて映像品質(QoE:Quality of Experience)の客観的な評価を自動で行う技術。サービス運用中でも評価が可能だという。

本特徴量は、画面を16×16画素のブロックに分割し、各ブロック内の輝度の分散に相当する簡易な特徴量として算出する。評価に必要な演算量が、地上デジタルテレビ放送の映像復号処理(MPEG-2)に比べ約 1/20で済むため、評価処理に重い負担がなく、簡易な機器で評価を行うことができる。TVやSTBの映像処理に使われている高性能LSI上だけでなく、標準的なPCやモバイル端末のプロセッサでもリアルタイム評価が可能だという。

この技術が採用されたことにより、IPTVやデジタルサイネージなどの映像配信サービスにおいて、映像配信事業者が、配信経路中の様々な箇所でQoEを自動かつリアルタイムに確認することができ、障害発生箇所を早期に発見できるようになる。また、これらのような映像配信における品質チェックだけでなく、放送局などが保有する膨大なコンテンツアーカイブの品質チェックの自動化なども行えるという。

この技術は現在、映像配信時の監視向けとして、NEC情報システムズにおいて試作・開発が進められている。