シャープ株式会社は4月2日、業界最高輝度(2010年4月2日現在)で、2D/3Dの表示切り替えが可能なタッチパネル付3D液晶ディスプレイを開発したことを発表した。

今回開発した3D液晶ディスプレイは、3.4型とデジタルカメラや携帯電話、スマートフォンなどのモバイル機器に適したサイズである。裸眼で立体表示が可能で、画素数はFWVGA (480×854ドット)、通常の液晶ディスプレイに縦じま状の光学視差バリアを設けて光の進行方向を制御し、左右の眼に届く光の視差を応用し、立体表示させる視差バリア方式を採用。

従来この方式は、3D切り替え時の表示品位が低いことが課題だったという。CGシリコン技術の進化により、液晶パネルの配線幅を微細化することで、従来比で輝度は約2倍(業界最高の500cd/m2) に向上、表示品位が大幅に改善された。

CGシリコン技術は、同社と株式会社半導体エネルギー研究所が共同開発した、一般的なアモルファスシリコンの最大600倍、低温ポリシリコンの最大6倍の電子移動度特性を有する高性能結晶性シリコンを使った液晶技術。また、視差バリアの最適化により、光の効率を高め、クロストークが大幅に低減された。

モジュールの厚みは、タッチパネル付でありながら従来の2Dタイプと同じ。画面を縦にしても横にしても3D表示が可能で、スマートフォンなど高機能なモバイル機器にも最適な仕上がりになっている。

シャープは、今回の開発だけでなく、タッチパネルを搭載していないタイプも開発し、本年度上期よりタッチパネル機能を除いたタイプから順次量産を開始するという。