米Adobe Systemsは、雑誌のデジタル版において高品質を実現する、従来の出版業者向けの最新デジタルパブリッシング技術を発表した。

この新たなパブリッシングソフトウェアは、Condé Nast 社のWIRED誌との協力のもと開発されたもの。同誌はこのほど、Apple iPad向けのデジタル版の第一号を発売したばかりで、このデジタル閲覧技術が活用されている。デジタル閲覧ソフトウェアを用いて開発されたWIRED誌6月号のReaderアプリケーションは、現在Apple iTunes App Storeから600円にて提供されているという。

WIRED Readerは、タブレット形状を活かした、デジタルコンテンツを閲覧するアプリケーションで、アドビシステムズ社による最新のデジタル閲覧技術の機能を活用。読者は、雑誌の内容を一目で確認できるズームアウト閲覧モードなどを含むタッチジェスチャー機能によりコンテンツを楽しむことでき、動画コンテンツ、スライドショーや360度の立体コンテンツを閲覧したり、好みに合わせてデバイスを縦にしたり横にしても閲覧することが可能となる。

なお、間もなくInDesign CS5からWIRED Readerのようなアプリケーションを作り出すソフトウェアをAdobe Labsを通じて提供する計画があるという。このデジタル雑誌ソリューションは、Adobe Creative Suite 5と連携するため、各出版業者は、これまでのワークフローへの投資やデザインスキルを活用できる。