2010年5月29日に渋谷UPLINK Xにて上映開始となったインディペンデント作品「音の城♪音の海 -SOUND to MUSIC-」の制作では、Avid編集ソリューションが採用された。

「音の城♪音の海 -SOUND to MUSIC-」は、知的な障害をもつ人たちと、音楽療法家、音楽家たちによる即興音楽をテーマに、公演に至るまでに重ねられたセッションと対話を丁寧に綴ったドキュメンタリー映画。作品監督は、ドキュメンタリー映画作家、服部智行氏。

同作品の制作には、1年数ヶ月の撮影期間と1年以上に渡る編集期間が費やされた。撮影用カメラは3台のSony HVR-Z1Jが、映像編集にはAvid Express Pro、レコーディング/編集/ミックスにはPro Toolsシステムが採用された。編集以降の作業は、そのほぼ全て監督の服部氏自身が自宅で行い、シングルPCに搭載されたAvid Express ProとPro Toolsシステムだけで作業が行われた。サウンド編集もほぼ全てのイメージングを監督の自宅で行い、最終のミックスダウンはスタジオのPro Toolsシステムで完了させている。

1080iで撮影した素材は全部で200時間分もあったという。OK出しをしながら、DNxHDを使ってExpress Proに取り込み編集された。劇場ではHD1080iのテープでの上映だが、Avid DNxHDコーデックで出力したものをそのまま使っている。

服部氏は、「この作品は『音』をテーマにした作品だったので、Pro Toolsで音声の処理することが絶対条件だった」と語っている。「公演の現場が醸し出していたあるがままのサウンドを、脚色の少ないよりピュアな形で作品に反映させたかった。Pro ToolsとExpress Proの優れた連携性、そして自宅で制作できることが、今回Avidソリューションを選んだ決め手」。

服部氏はドキュメンタリー作家でありながら、中小企業診断士として商店街などの経営コンサルタントとしても活躍している。次回作は商店街の現状を描くドキュメンタリー作品を3Dで制作する予定だという。