株式会社矢野経済研究所は5月13日、国内のビジネス分野向けライブ映像配信サービス市場の調査を2010年11月から2011年4月まで実施した結果内容をまとめた分析内容を発表した。

本調査における「ライブ映像配信サービス」とは、Ustream、ニコニコ生放送、JStream、Stickamのほか、ネットワークカメラ等のプラットフォームを利用したライブビデオストリーミングのこと。「ビジネス向け業務分野」としては、広告・宣伝・プロモーション、IR(投資家向け広報活動)、営業・マーケティング支援、人事・人材採用、企業内コミュニケーション、従業員教育・研修、コールセンター業務の主要7分野が対象となった。

調査内容によると、ビジネス分野向けライブ映像配信サービス市場規模は2020年度に7,442億円まで成長し、業務分野別では「広告・宣伝・プロモーション」が4,640億円と、全体の約62%を占めるという。対2010年度のビジネス分野向けライブ映像配信サービス市場規模は、全体の約62%に当たる6.4億円の見込み。業務分野別に見ると「広告・宣伝・プロモーション」が5億円で、全体の8割近くを占める。これ以外の業務分野における活用は1億円程度である。今後10年間の急速な成長は、広告宣伝費(販売促進費)の費用対効果への取り組みの活発化に因るものだとしている。

2010年に入りUstreamが参入、リアルタイム性の情報配信のニーズに着目された。2011年に入り、震災などのテレビ放送が受信しにくい環境でも生の情報を配信できる、ライブ映像プラットフォームを利用した配信サービスが活躍した。「災害時に情報ツールとして活躍したソーシャルメディアや、テレビ局によるライブ映像配信サービス等は既存メディアと併用され、今後、視聴者にとってより有益な、新しいメディアになるもの」と考えられる。

企業は、ライブ映像配信サービスを取り入れることで広告宣伝費の費用対効果を模索し、自社の販売促進活動や広報・IR活動を再構築していく、と同社は推測している。本調査は、矢野経済研究所に所属する専門研究員による直接面談のほか、電話やメールによるヒアリングを併用。