ソニー株式会社は7月7日、携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」のMD(ミニディスク)タイプで唯一販売していた「Hi-MDウォークマン MZ-RH1」の出荷を、今度の9月で終了することを明らかにした。出荷完了の理由についてソニーは 「デジタルオーディオプレーヤー市場はHDDやフラッシュメモリベースが主流となり、MDの需要が減ったため」 と説明している。Hi-MDメディアの「HMD1GA」は2012年9月に出荷完了するという。

Hi-MDは、最大1GBの記録が可能な大容量規格として2004年に発表された。 コーデックには独自の非可逆圧縮技術ATRAC(アトラック、Adaptive TRansform Acoustic Coding)をベースに開発されたATRAC3およびATRAC3plusが採用されている。同年6月に初代Hi-MDウォークマン「MZ-NH1」、「MZ-NH3D」、「MZ-EH1」が発売され、MZ-RH1は2006年4月に発売が開始された。

ソニーは2010年にカセットテープタイプのウォークマンの出荷を終了している。そして今回の最後のモデル生産の終了をうけ、1992年の登場から11年3月までに累計約2200万台を販売した、MDウォークマンの歴史に幕が閉ざされる。なおソニーは、今後も記録メディアとしてのMD自体や、MD対応のステレオの生産は続けるという。