イスラエルのSterGen High-Tech Ltd(SterGen社)はIBC2011にて、2Dカメラからのソースとフッテージをリアルタイムにステレオスコピック3D(S3D)に変換するシステム「SterGen Live」を展示する。

SterGen LiveはHD信号をSDI経由で受け取り、独自のアルゴリズムでソースをリアルタイムに変換し、デュアルSDIに出力できる。特にスポーツ競技のシーンを得意としており、例えばサッカーなど、プレイヤー、ボール、ゴールポストといったオブジェクトを区別して認識し、プレイヤーとゴールポストは垂直、フィールドは水平、観客スタンドは斜めスロープといった、予め取得したジオメトリを割り当て、シーンのジオメトリとそれらの立体映像がリアルタイムに計算される。

今回は技術タイアップしているリアルタイムグラフィック生成技術を開発しているVizrt社のブースにて、スポーツ3D中継のコストダウンにつながるソリューションとして展示する(ホール2.A31)。3D中継には機材調達から専門スタッフ配置まで別途用意しなければならない費用がかかるが、SterGen Liveでは、プロダクションにて受け取ったカメラHDソースをS3D化できるため、現場で3D収録する機材を別途用意する費用を捻出するストレスから回避されるソリューションの1つだとみなされている。またライブフィードでなくてもアーカイブデータからS3Dに変換することも可能だという。2社におけるシステムは既にイスラエル有数の放送局Sport 5にて採用されている。

またブースでは、「Tennis Blades」という、テニス競技に特化したアルゴリズムを独自3DプロセッサでS3D処理するシステムも初公開されるほか、「3D Enhancement」も紹介される。3D Enhancementはワイドショットの際に生じる立体映像のフラット化を解決できるため、PCや携帯電話などのマルチスクリーンに放送する場合、視聴者側の環境によって立体度を調整することができるようになるという。