米Netflixは、DVD郵送レンタルとビデオストリーミングサービスを事業分割することを明らかにした。

「私は(戦略を)失敗してしまった。ここに説明をしなければならない」、と創立者兼最高経営責任者であるリード・ハスティングス氏が9月18日の夜、公式ブログに寄せた。

「DVD郵送レンタルサービスに誇りをもって10年も続けてきたので、このような展開になってしまったことは非常に辛い。しかし我々は(事業分割することが)最善の選択だと思っている」とし、この夏のサービス料金の改定により多くのNetflixファンを失ったことを謝罪、また新たな戦略としてDVD郵送レンタルとビデオストリーミングサービスを事業化し、DVD郵送レンタルサービスを「Qwikster」とブランド改名することを述べた。Netflixブランド名は、映画ストリーミング配信サービス側として継続する。現状は各サービスの価格帯(月7.99米ドル)に変更はないとしている。QwiksterとなったDVD郵便レンタルサービスでは、新しくNintendo Wii、Sony PS3とMicrosoft Xbox 360 のゲームタイトルもレンタルする。

この夏、Netflixはサービスの価格改定を行った。ストリーミングコンテンツの見放題プラスDVD郵送レンタルのパッケージは従来の月10米ドルから16米ドルに値上げ、ストリーミング見放題は月7.99米ドルのままキープした。

この価格変更のニュースを受けた当日、Netflixの株価は15%の大幅下落となった。ストリーミングサービスは始めてから4年目となるが、ストリーミングサービスのニーズは年々増しており、今年は昨年比2倍の1億以上のストリーミング配信が予測されている。比例して、Netflix社側ではストリーミング配信のために支払うライセンス費用が倍増、約4億ドルだと言われている。より多くの最新コンテンツを提供するため、Netflixが支払う巨額なライセンス費用を賄うためには加入者への負担も否めないとした行動だったが、今回の事業分割へとビジネスモデルを変えた経緯として、7月のサービス価格改定時点でユーザー側とのコミュニケーションを密にとるべきだったとハスティングス氏はブログで謝罪している。

Netflixの株価は夏の価格改定以降、続落し半値近くまで下がってしまっていたが、今回の発表により19日のナスダック市場での取引では終値$155.19と、先週までの$140.02から多少上昇した。米投資信託ゴールドマン・サックスでは、この3カ月以内に加入者の40%近くはビデオストリーミングサービスに移管するだろうと予測している

(山下香欧)